- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895313322
感想・レビュー・書評
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身近なカラス。しかし知らないことばかりの鳥。カラス博士による様々な話は面白い。カラスの解剖学は大変興味深く、筋の組成が鳥の種類ごと、部位ごとにも違うことは進化の歴史が現れていて興味深い
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先日、同著者による『カラス なぜ遊ぶ』を読んでから、この黒くて賢い鳥にますます興味が湧いて、道で見かけた時などそれとなく観察するようになった。本書は『カラス なぜ遊ぶ』と被る記述も多いが、カラスに関する伝承や神事、芸術作品の紹介などのより幅広い範囲を扱っている。相変わらずのカラス愛とユーモアに溢れた内容ながら、カラスによる被害やその対策についての提示もあり、カラスとの共生、自然との共生とはどうあるべきかを考えさせられた。八咫烏の話や自制心のあるカラスなど、コラムも楽しい。
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「車でくるみ割り」とか、「他の鳥を遊び半分で追いかける」というような、他の鳥類では見られないような行動をするという特異性がカラスにはある。そういう「カラス特有の行動」というのを、解剖によって解き明かそうとする筆者による、研究発表本。
カラスの解剖学的生態について知ることができるが、専門用語が多く、その反面図がちょっと少ないような気がするので一読だけで理解するのは難しい。ただ、詳細に書かれているからこそ、よりカラスを身近に感じられるかもしれない。 -
おそらく雀と並んで身近な鳥類であるカラスについての本。文学の世界でどのように表現されてきたか、から骨格や神経の特徴、カラス対策についてなど幅広くカラスについて学べる。
田んぼで刈り終わった米を啄む姿やごみ袋にちょっかいを出す姿をよく見るカラス。人間の生活空間に最も近い鳥だが、詳しく知る機会はあまりない。この本がその知識不足を補ってくれる。
例えば、他の鳥類と比べてカラスの脳がとてもは発達していること。この脳により、1年にも渡る優れた記憶力、記号の類推能力、他の仲間が体験していたことを横で見るだけで学習できるー真似る能力などを発揮する。
また優れた声帯は様々な種類の泣き声の発声を可能にすること。鼻は人間よりも効かないこと(代わりに紫外線の色や反射を通じた視覚からの情報を得ている)。
カラスは人間の生活圏に近いが、人間のように暮らすわけではないので、普段何をするかというのは全く知りようがない。しかし、全体を通読することでカラスがどのように生活しているか想像を膨らませることができる。
森林やビル群に巣を構え、人間の収穫物や廃棄物の残り・昆虫を食べる。群れの仲間とコミュニケーションを取り、夕方頃に一斉に巣へ帰る。夜もある程度活動する。この本を読む前は上記のことは全く知らなかった。ある意味数十年間ご近所で一緒に生活していたのに。
人間に近い距離で生活し、人間の生活残滓から食事を取ることもあるカラスだが、農作物を食べたり、乳牛などの家畜を傷つける、光ファイバーを噛み切るなど害も多い鳥であることという意識を得られた。
※カラスが人間には見えない紫外線の色が見えているという話を見たとき、人間と同じものを見ていながら得ている情報は全然違うということに衝撃を受けた。生きている世界が違うというか。人間の見え方や得る情報は非常に限られていることがよくわかる。 -
(図書館員のつぶやき)
カ・ラ・ス学のすすめ、とはなんでしょうか?イメージが悪さするてありませんか~
しかし、この本を読めば、からだ、知恵、五感、鳴き声などなど知らなかったことが
わかります。なるほどの、”カラス学のすすめ”です。借りてみらんですか。 -
カラスのことがほぼ全てわかる。やはり頭がいい