田園に死す (ハルキ文庫 て 1-8)

著者 :
  • 角川春樹事務所
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本棚登録 : 61
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (131ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894566804

作品紹介・あらすじ

人はどこから来て、どこへ行くのだろう、青春とは-。30歳の寺山修司が、短歌を詠うという孤独な営みの果てに生み出した記念碑的歌集の初文庫化。生い立ち、故郷、肉親への怨恨をこめて詠う自伝、恐山・犬神・子守唄・山姥・家出節の五章の他、「新・病草紙」「新・餓飢草紙」併録。

感想・レビュー・書評

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  • 5月なので寺山再読キャンペーン中。これは短歌集だけど、「われに五月を」に収録されている十代の短歌に比べたらピュアさは失われ、故郷と母への愛憎が濃ゆい。後半に収録されてる昔話風の語り口の散文「新・病草紙」「新・餓鬼草紙」もシニカルで面白かった。

  • 最近ぽつぽつ寺山作品を読んでいるのですが
    数ある出版の中で 「ハルキ文庫」の寺山シリーズが気に入っております☆
    行間の幅??文字の振り方がよい!!!

    『田園に死す』は短歌集です。
    あと、小さい物語=草子が数編
    母親に対する思いを核に
    家族に対する思いって「愛」であれ「憎」であれ
    執着心を孕ませる「力」があるのだなぁと思いました。

    詩や短歌など 好きな短文に出会ったらメモする習慣が
    あるのですが、久しぶりに手書きでメモを作るぐらい
    集中して読んでしまった『田園に死す』
    収録されている作品から…
    短歌は
    【息あらく 夜明けの日記 つづりたり 地平をいつか
    略奪せむと  山姥(むかしご)より】 と
    草子は
    「さはるものに みな 毛生える病」[新・病草子] が
    私のイチオシです。

    そして改めて短歌の5-7-5-7-7って31音。
    1つずつのパーツも全体も素数で 作られるリズムが
    すごく日本的な物であること
    (古典的な西洋音楽のリズム基本は偶数。奇数は
    変とか不完全といった扱いをされがち)
    その不思議なリズム感を
    嫌じゃなく苦じゃなく受け止められる感覚を
    日本特有の「間」と考えるのかもしれないと
    ふと考え、ちょっ閃いた気分になっちゃいました。

  • 53/100

  • 中村などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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