- Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
- / ISBN・EAN: 9784891764203
作品紹介・あらすじ
年々再評価の声が高まり、今や英文学の古典としての地位を確立した吸血鬼小説の傑作が、本邦初の完訳にて甦る!さらに、『ドラキュラ』の冒頭部分として構想された短編『ドラキュラの客』、最新の研究成果に基づいた詳細な注釈・解説、貴重な資料等もあわせて掲載し、その恐怖に多面的に迫る。
感想・レビュー・書評
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最近、ジョジョをアニメで見て「あぁ、DIOは、吸血鬼だった」と改めて思い出した。で良く考えてみると、ドラキュラの原作読んだ事ないなぁと、またヴァン・ヘルシングをヴァンパイアハンターとして描いている作品は、あまたと有るけど原作は、只の医者として登場する事は、なんとなく知っていたが、本当はどうなのか?と知りたく読んでみた。
面白い。単純に最初のパートのジョナサンvsディオいや、もといドラキュラ伯爵で一気に世界観に引き込まれた。
あとこの本の残り1/3は、1890年代のロンドンの情勢や風俗、文化を細かく解説し、またこの「ドラキュラ」をブラム・ストーカーが執筆するに当たりまとめた制作ノートの解説まであった。いたれりつくせりの本でした。
あと、解説の所で、ドラキュラ伯爵に血を吸われて瀕死の状態の女性に、四人がかりで輸血をするシーンに、血液判定もせずに輸血したら、そりゃ死ぬわ!とバッサリ切り捨てていた所は笑ってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
授業で勉強するにあたって購入。初めてドラキュラを読んだが、思っていたよりも読みやすく、長い物語でも割とすぐに読み終えることができた。
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直訳!という文章なのでなれるまで読むのが大変ですが、注釈や研究文などとても細かく載っているのでとても興味深いなーと思います
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フランス、パリなどを舞台とした作品です。
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ヴァンパイアを扱った作品は数あれど御本家はやはりブラム・ストーカーのドラキュラなのかな、と。
吸血鬼関連の作品が大好きなのですが、そんな御本家を読んだことがなかったので手を出してみました。
彼の有名なヴァン・ヘルシングやミーナ(ミナ)・ハーカーが活躍する作品。
ミーナのキャラクターは、吸血鬼に立ち向かう女性ということでお転婆というか活発な感じの女性と勝手に想像していたのですが、聡明ではあるものの紛れもなく淑女でした。
全然お転婆なんかじゃなかった。
ドラキュラ伯爵。つまり吸血鬼とは不浄のものであるはずなのに、吸血鬼を追うことにより神様の神聖さみたいなものが際立っていく気がして不思議でした。
それと、ミーナの存在が夫のジョナサンやヴァン・ヘルシング博士にとってだけでなく、登場人物みんなにとって重要な存在なのも。
犠牲になりながらも掲示を伝え気丈に振る舞い、まるで聖母のように物静かに慈悲深い彼女を男性たちが愛している、という描写もなんだか宗教というか恭しい感じで不思議でした。
でも普通に面白かった。
ルーシーを救おうと奮闘したり、伯爵を倒そうと棺を探したりするところにはどきどきしました。 -
なんとなくあらすじは知っていたつもりだったけど、2段組みで400ページくらい(本文のみ)あって驚いた。注釈がものすごく詳しくて、歴史、文学、ヴィクトリア朝の性規範や医学など、これだけ読んでもかなり面白い。
個人的には、序盤にジョナサンがお城で捕まっている場面が面白さのピークで、後半のヴァン・ヘルシング教授を中心としたドラキュラ退治はやや冗長な気がした。でも、『「ドラキュラ」の起源』で引用されている創作ノートの記述(475ページ下段)を読んだ感じだと、著者もここがいちばん書きたかったんじゃないの?と思ったりもする。 -
ウイスキーで口をしめらすだけで痛みに耐えれるのとか凄いよなぁ。
感想で言うのそれだけかよ! って思われるかもしんないんだケド、なんか凄い強烈に感じてしまって…。 -
日記形式で書かれているので読みにくいと思われる方もいるみたいですが、面白かったです。<BR>
その時々で日記を書いているキャラクターが違うので話が前後する事もありますが、逆に新鮮に感じました。
基本的には主人公側の視点で描かれています。<BR>
ドラキュラ伯爵に気に入られてしまった自分の婚約者を守るために戦うことを決意する青年が主人公。
それに、協力することになる親友の医者と、ひょんなことから知り合った教授。
皆で力を合わせて一つの大きな敵に立ち向かうという王道的ストーリーは好み。
吸血鬼ものがもともと大好きvということもあり満足です。 -
エリザベス・コストヴァの「ヒストリアン」の作品中に何度も出てきたタイトル通りの”ドラキュラ”の話。
この本を読んでいくと「ヒストリアン」に出てくるドラキュラが本書をモデルに書かれているのがわかる。
「ヒストリアン」でもドラキュラの視点からは書かれていないが、本書もドラキュラに関わる人々が書き綴る日記や新聞記事などで話が進んでいく。
人を襲い、血を吸うドラキュラだが、やはり彼もどこかで救われることを望んでいた、というのが切ない。