越前敏弥の日本人なら必ず悪訳する英文 (ディスカヴァー携書)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887598959

感想・レビュー・書評

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  • ダヴィンチコードを原書で読んだときの、わくわくする感じやスリル感。自分の翻訳を読んだ人が同じようにわくわくしなければ、仕事にならない。あらゆる調査に労力を惜しまないことや、日本語の国語力(論理力・語彙力)の向上といったことが、本当に必要なんだ。翻訳家への道のりは遠いけど、一生かけて取り組む価値がある。

  • またまたおもしろかった。
    過去に読んだ2冊(誤訳の方)とは少し毛色が違っていたけど、やっぱりとてもためになった。

    ただ、今回は「悪訳」がテーマだけに、正しく読むのは当たり前とし、それよりもどういう日本語にするかということに重点が置かれている。私の訳は「悪訳」とされる生徒さんの訳にすら及ばなさそうだったので、チャレンジする気力があんまり起きず(怠け者め!)、読み物として純粋に楽しんだ。

    全作同様、おもしろくてあっと言う間に読み終わって寂しい・・・

    著者のインタビューはいらない、なんていうコメントをamazonなどでもチラホラ見たけど、なぜ!?
    私はインタビューに深く心動かされましたよ。人間が単純すぎるかしら。
    下積み時代の著者は、翻訳教室の先生から出版社に推薦してもらえるくらいに実力があるというのに、それ以上にものすごく努力されていて、かつすべての道のりに全力を尽くされていて、びっくりした。
    読んでいて、その姿勢に心が震えた。

    翻訳がどうとか関係なく、より良く生きるってそういうことよね、自分の人生に手を抜かずに生きたいよね、と思った。

    非常に信頼おける翻訳者だと思うので、この人の訳したものを、ダ・ヴィンチコード以外ももっと読みたいのだけれど、私の好みの方向の本が少ないのが残念・・・こればかりは仕方がない。
    でも英語本はほかにもあるみたいなので、探して読もう。

  • あー、あるある、と納得するものから、
    ここまでくると日本語話者のセンス、言葉選びの好みや趣味のレベルでは?というものまで。様々に網羅された内容が、コンパクトにまとまっている本。

  • 翻訳家・越前敏弥さん(@t_echizen)のお話を聞く
    機会があり、その内容がとても面白かったので、
    早速買った一冊。

    ハッキリ言って、翻訳小説を読む目が、翻訳家を
    見る目が変わった。
    翻訳というのは、とてつもない作業なのだという
    ことを改めて、いや、これほどまでにとてつもない
    作業だということを初めて知った。

    「英語が好き」というのは、実は翻訳にとっては最
    重要な適性ではなく、むしろ重要なのは「本」と
    「日本語」と「調べ物」が大好きであること、と
    冒頭で説かれたときは、正直スッと落ちなかった
    けれど、本書で出された例題を重ねるにつれ、その
    意味がじわじわとわかってきた。

    また、何気なく読んでいる翻訳書の裏に隠された
    翻訳者の技術は、どれも感嘆ものだということも。
    視点の統一、主語の省略、自制の使い分けなど、
    読者が”何気なく”読めるようにするために散り
    ばめられた技術の前には、もうひれ伏すしかない。
    「すみません、翻訳を甘くみていました」と。

    この技術は、ただ習って身につく技術ではない。
    越前さんがあとがきの中で、翻訳という作業の出発
    点は、面白い原著の魅力を減じることなく日本の
    読者に届けたいという強烈な欲求だ、と書いている。
    翻訳の技術とは、この欲求を持てないと到底身に
    つかない技術なのだろうと思う。


    ところで、本書の話から外れるが、越前さんが紹介
    している「Six words」が面白くて、今ハマり気味。
    Twitterをフォローして投稿も始めてみた。出来は
    まだまだだけれど、少しずつ続けて上達できれば
    と思っている

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、2階開架 請求記号:837.5//E18

  • 前作「誤訳」より細かくテクニカルでない分、読み物として英文、訳文を楽しめる。
    編集の要請なのだろうが本人インタビューは不要かと。

  • 2/20/11
    読み終わった
    これは面白い。英文法とはかくも奥が深く、興味深いもの。っていうか、ある程度の文法力と単語力があればパズル本みたいに楽しめる本。そういう感じで、軽く読めました。

  • 立ち読み:2011/2/25

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著者プロフィール

越前 敏弥
1961年生まれ。文芸翻訳者。訳書『世界文学大図鑑』『世界物語大事典』(以上、三省堂)、クイーン『Yの悲劇』、ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(以上、KADOKAWA)、ダウド『ロンドン・アイの謎』、ブラウン『真っ白な嘘』(以上、東京創元社)、ハミルトン『解錠師』(早川書房)、マッキー『ストーリー』(フィルムアート社)など。著書『文芸翻訳教室』(研究社)、『翻訳百景』(KADOKAWA)、『名作ミステリで学ぶ英文読解』(早川書房)、『はじめて読む! 海外文学ブックガイド』(河出書房新社、共著)など。

「2023年 『オリンピア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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