すてきなひとりぼっち

著者 :
  • 童話屋
4.11
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本棚登録 : 689
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887470842

感想・レビュー・書評

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  • 「あお」(シャガールと木の葉より)
         かなしみのいろ あこがれのいろ
         あおはわたしたちのたましいのいろ
         わたしたちのすむこのほしのいろ
    私も若いころは、一番好きないろはあおでした。

    「まなび」(十八歳)という詩集にこんな詩が入っていたなんてすごいです。

    「願い」

    「しぬまえにおじいさんのいったこと」これはとても悲しかった。

    「ひとり」これはすごい詩だと思いました。こわいくらいです。一体どういう発想をしたらこんな詩がかけるのでしょうか。

    「さようなら」これも傑作です。他の選集でも何度も目にしました。

    「私が歌う理由(わけ)」

    「じゃあね」これは淋しい別れの詩でした。じゃあね。と軽く言っているのに、ずーんと淋しさにおそわれます。

    すごいの連発になってしまいました。
    童話屋の田中和雄さんのあとがきで、茨木のり子さんが、「谷川さんには駄作がない」というようなことをおっしゃったとあるのは、本当にうなずける話だと思いました。

  • 教科書にもたくさんの作品が登場し、いくつもの詩が合唱曲としても使われている谷川俊太郎さん。
    童話屋さんが、千以上もの谷川さんの作品の中から50編選び、まとめたもの。
    表題作になっている一編のイメージだろうか、ブルーの装丁も美しい。

    季節感ゼロで、観念的で、詩としては理屈っぽくて、時として「どうして子どもたちはこの詩が好きなのかな?」と疑問を抱いたりする。
    だが、若いということはそういうことなのだ。自分もそうだったもの。
    暑さ寒さを感じるだけで、季節を愛でる気持ちなど毛頭なかった。
    自分の脳内の思考を完璧なもののように、大いなる勘違いをしていた。
    そして、それらを軽く凌駕するほど、谷川さんの詩は親しみやすく優しい。
    うんうん、そうだ、と膝を叩いたり、うわぁ、そうなんだよね、それを言いたかったんだよと頷いたり。
    「??これは何の比喩だろう?」などと考え込むことも皆無である。
    まるで自身の心の歩みのように感じられる詩を書くひととして、谷川さんはこれからも若い人の傍にい続けてくれることだろう。

    有名な「朝のリレー」も載っている。
    私はやはり「すてきなひとりぼっち」が好き。
    寝る前にひとつ、ふたつ、読んで、朝にひとつ読んで、そんな毎日。

  • 不肖はじめて谷川俊太郎の詩集を手に取った。
    私の大切な友人が、女性関係の派手な人、らしきことを言っていた。
    それが本当かどうか私には分からないが、素直な人ではあるんだろう。
    あちらこちらに死の匂いがするのは意外だった。
    女性がもつ手帳のようにコンパクトで、素敵な装丁でおめかしした本だ。

  • いつも借りている本棚の中で、偶然手に取った本。表紙も詩も字も余白もとても綺麗な詩集。

  • 雪の降る夜、
    もう限界だと思った夜、
    気づいたら足が本屋に向かっていて、
    縋るように買った

    帰り着き
    泣きながら
    声に出して読んだ

    谷川俊太郎さんに助けられ
    私は今もこの世界にいます

  • 友人から誕生日プレゼントに貰った。ここ一年程は読んでも読んでも滑って情景が浮かばなかった。この詩集を音読することで、言葉が入ってくるようになった。昔トリルが苦手だった私にピアノの先生が「勝手に抜いたり付け足していい音はなくて、必要だからある。要らないものは書かない」と教えてくれた。うまく言えないが、そういう本になった。

  • 著者はもう
    言葉なんかを追いかけてはいないんだな、と感じた。

    生まれた時からすでにあった思いと、

    生まれる以前にあったであろう思い(出)を

    目で確認してみる為に。

    (あなたはどう?)と、
    他の誰かの意識との接触を試みたいが為に。

    そのコミュニケーションツールとして
    言葉を選ぶより他が無かっただけ。

    だからこそ、
    (詩)として形を成した著者の言葉は
    私達の心に深く染み入る。

    初めからあったものが
    元の場所に還っていくあの時の様に。


    >詩は言葉を超える事が出来ない。
     言葉を超える事が出来るのは人間だけ

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「元の場所に還っていくあの時の様に」
      MOTOさん上手く表現し過ぎです。。。
      「元の場所に還っていくあの時の様に」
      MOTOさん上手く表現し過ぎです。。。
      2012/09/19
    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      ありがとうございます。
      少しでも作品の良さが伝われば嬉しいなぁ。
      nyancomaruさんへ

      ありがとうございます。
      少しでも作品の良さが伝われば嬉しいなぁ。
      2012/09/20
  • 生きること、1人で生きているということ。
    でも1人では生きていないということ。

    「遠い国からやってきた」の対となる詩集で
    その中でも「空に小鳥がいなくなった日」に収録された詩にあまりにも惹かれてしまう。

  • 綺麗な装丁とタイトルに惹かれ、衝動的に購入。
    きらきらとすきとおるような情景が浮かぶ詩が胸にすっと染みました。

    ・あお
    ・子どもは笑う
    ・朝
    ・窓のとなりに
    ・朝のかたち
    ・すきとおる
    ・黄金の魚 1923
    ・ほほえみのわけ

    2週間前に誕生した我が子に読み聞かせたいと思います。


  • まなび

    本を
    たくさん
    頭の中に

    あるばむを
    一冊
    胸の中に

    そして
    出来るなら
    天国を
    心に深く

    わたしはもちたい

    くるかもしれぬ
    独りの時のために

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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