- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887062832
作品紹介・あらすじ
処女作から最新作まで、全20作品を収録した藤森作品集の決定版。
感想・レビュー・書評
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建築家による住宅は、住む者に覚悟を迫る。何かと引き替えに、自尊心をくすぐる何かを得る。出来合いの住宅に住む私には、なかなか理解しがたいものがある。それでも、憧れてしまう、抗し難い魅力がある。藤森建築は、その場に根を張って、風景の一部となる。
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藤森照信建築
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人類が建築を作った最初の一歩は、世界どこでも共通で、円形の家に住み、柱を立てて祈っていた。世界は一つだった。
二歩目の青銅器時代の四大文明で、世界はいくつかに別れて、幅を持つようになる。
三歩目の四大宗教時代で、その幅は最大となり、世界各地で多様な建築文化が花開いた。
しかし、四歩目の大航海時代に入ると、アフリカとアメリカの固有な建築文化は滅び、世界の多様性は減退に傾き、
五歩目の産業革命の時代に入ると、この傾向はさらに進み、アフリカ、アメリカに続いてアジアの殆どの国で固有性が衰退する。
そして六歩目の20世紀モダニズムによって、ヨーロッパも固有性を失い、世界はひとつになった。
建築史家としての、シンプルかつ鋭い洞察が、上記の文を読むだけでわかる。
そして、そんな氏が作る建築の、なんと懐かしく、なんと固有性の強いこと。
七歩目の世界が、コッチ側にいったら、いいな。と密かに思う。 -
見ているだけで楽しい、藤森建築の大全集。おとぎ話のような不思議な世界が広がっている。藤森先生がどうして、このような世界観を築くに到ったか、巻頭の論文「人類の建築をめざして」を読めば、何となくわかる気がする。
この論文、藤森先生の専門である建築史から説き起こしていくのであるが、初めて読んだときは、建築家の名前や建築様式の名称についてゆけず、まったく意味がわからなかった。しかし、何度か繰り返し読むうちに、(おそらく)理解することができた。そのときは、自分の勉強が進んでいるのがわかって、すごく嬉しかった。 -
昨年、客員教授として講義してくださった藤森照信氏による建築たち(゜(゜∀(゜∀゜)∀゜)゜)