ガラスの帽子

  • 東宣出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885881114

作品紹介・あらすじ

ホロコースト生還者とその次世代がかかえる心の傷(PTSD)を、詩情を湛えた文体でリアリスティックに描いた傑作短篇集。

戦後30年以上経てもなお、アメリカ合衆国司法省特別調査員がかつての個人の戦争犯罪を追求する「二つのスーツケース」、キリスト教からユダヤ教に改宗したドイツ人女性ヴェロニカが、結婚前夜に夫になるウリヤに宛てた手紙「でも、音楽は守ってくれない」、イスラエル建国当時の世界各地に出自をもつ移民同士の距離感を子どもの目線で描く「ルル」、1942年の強制連行から約3年間の収容所生活とロシア軍による解放を綴った表題作「ガラスの帽子」など、イスラエル女性作家による心に染みる9つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 新刊案内 / ナヴァ・セメル著『ガラスの帽子』
    https://onl.tw/vy8hGbA

    Nava Semel | イスラエル大使館 文化部・科学技術部
    https://www.israel-culture-japan.com/writer/nava-semel

    ガラスの帽子 ナヴァ・セメル(著/文) - 東宣出版 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784885881114

  • 短編集9篇
    ホロコーストを生きたということをその影をずっと意識しながら受け継いでいく家族の物語。「ガブリエルとファニー」の自分勝手な祖父と優しい父親、呆気にとられたが好きな家族の物語だ。


  • 不思議だという感覚に捉えられたのは個人的な喪失と悲しみが満ち満ちていることだ。戦争とはマクロなものに絡められているが真実は個人である。個人の身内を痛めつけ消去しようとしているのだ。戦争を個人の喪失の悼みと考えられなければ社会は世界は永遠に変わらない。平和を現実のものにするならば、個人の平和を切望し家の窓から外の世界を選択しなければならない。

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著者プロフィール

1954年、ホロコーストを生き延びた両親の元、イスラエルに生まれる。テルアビブ大学にて美術史のMAを修了後、ジャーナリスト、テレビ、ラジオのプロデューサーを経て作家になる。数多くの小説、詩集、脚本、児童書、YA作品は数か国語に翻訳され海外メディアで放送、上映、また舞台で上演される。イスラエル国内およびアメリカ、ドイツ、オーストリアの文学賞やドラマ賞を受賞。2017年没する。

「2023年 『ガラスの帽子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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