生姜

  • 新幹社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884001155

作品紹介・あらすじ

野生的な感性あふれる韓国女性作家の意欲作。拷問技術者の父と娘の11年の物語。

感想・レビュー・書評

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  • '80年代 チョン・ドウフアン軍事政権時代に実在した
    「拷問技術者」と架空の娘を語り手としている
    自らを正義とみなして残酷な拷問を繰返していた男
    だが時代が変わると妻の経営する美容室の屋根裏部屋に隠れつづけることになる その惨めさのなかでも本人は自身の罪に気づこうともしない
    娘ソニは希望に満ちた大学生となり、初恋も経験するのだが尊敬していた父親の真実を知ってしまう
    ソニは父親を怖れて顔を見ることができない
    が、父親とその犯罪を直視した時に怖れは消える
    ソニの母、「拷問技術者」の妻は最後まで事実に向き合うことが出来ない

    タイトルの「生姜」ってなんだろう?とずっと気になりながら読む
    生姜菓子は甘そうで苦いし、キムチに必要不可欠ではないけどないと物足りないらしいが、うっかり噛んでしまうと吐き出してしまう、そんな存在にソニを重ねてるとのこと。たしかに生姜単体で食べることはないけれども
    薬や料理、菓子など広く有用なのが生姜だ
    最期まで読むと巧いタイトルだなぁと思った

    特別に魅力があるわけではない小説だが個性的な作家であることは間違いない。

  • 1980年代後半。全斗煥軍事政権下、反政府活動弾圧機構の中枢にいた自ら拷問技術士と名乗る実在する男がモデル。盧泰愚政権下で罪を問われ、自首するまでの11年間自宅屋根裏に潜伏。これをもとに、潜伏当初、自宅には大学入学が決まった娘がいたらという虚構の設定で物語がスタート。娘にとって父親の秘密は重荷でしかない。父親は組織から切り捨てられた腐ったヒトデの手足に例えられ、これまでは上の者の意向によってしか生きられなかった人生で、これからは一人で生きろと娘がつきつけるしかない。娘の生き方を真似できる自信がないです。

  • 野生的な感性あふれる韓国女性作家の意欲作。拷問技術者の父と娘の11年の物語。(e-honより)

  • 教育大
    焼き立てのごま菓子、生姜の煎餅の思い出

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