三池炭鉱宮原社宅の少年

著者 :
  • 石風社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883442652

作品紹介・あらすじ

三池争議の吹き荒れた昭和三〇年代の大牟田。炭鉱社宅での日々を遊び盛りの少年の眼を通して生き生きと描く。

感想・レビュー・書評

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  • 福岡県大牟田にあった三池炭鉱の宮原住宅。毎日の遊び、幼なじみ、学校など日々の生活の回想録。当時の宮原住宅の地図が再現されているので、それを見ながら読むと日々の生活がより想像しやすかった。もっと写真があると良かったなと思う。

  • 辻堂ゆめ「十の輪をくぐる」で参考文献に挙げられていたので興味を持った。
    素朴な回顧録と予想していたので驚いた。筆者の知性が育まれていく過程を見る思いがした。
    差別戒名については考えたこともなかったが、なるほど当然存在しただろう。無関心が差別を産んで育てるのである。

  • 大牟田。三池炭鉱。自分史。

  • 前半,ただの少年体験記なのに何でこんなに面白いんやろなニューシネマパラダイスに似てるからかなと思いながら読み進め,中盤からの熱さにノックアウトされた感じ。リスペクトが素晴らしい。炭鉱映画を見直したくなる。

  •  上野英信は「1960年4月現在、三井三池労組の子どもは日本で最も幸福な子どもである」と言い放ったらしい。

     著者は僕より17年早く大牟田で生まれる。しかし、僕が小学生の頃、僕の小学校区にあった社宅の記憶と、そして僕らの遊び・・・、まるで同じ時代を生きていたかのように記憶が蘇る。昭和30年代の宮原社宅の少年の記録は、昭和40年代の僕の少年時代の記憶と重なる。ただ、僕には三池闘争の記憶はないけど。僕の小学生時代、三池闘争と三川坑の炭塵爆発を経て石炭はすでに斜陽になり、高度経済成長から取り残された故郷はまだ「戦後」を色濃く残していた、ということなんだろう。

     子どもたちと大人たちの大牟田弁の会話が、身体に沁み入ってくる。

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著者プロフィール

1946年生まれ。大牟田市立駛馬北小学校、米生中学校、福岡県立大牟田南高等学校で学ぶ。
東京学芸大学を卒業。
福岡県人権・同和教育研究協議会会員。
著書『三池炭鉱 宮原社宅の少年』(石風社 2016年)

「2018年 『だけど だいじょうぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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