アイヌ文化の基礎知識 増補・改訂版

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883232017

感想・レビュー・書評

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  • 2020/5/3読了。

    シャーマンキングやゴールデンカムイ等、漫画でアイヌ文化について触れることがあったので興味を持ち、Amazonでタイトルから選んで購入した。

    本当に基礎を書いているので詳しく知りたい人は物足りないかもしれないが、自分のような何も知らない人からするととても読みやすくて良かった。

  • アイヌ文化を全体的にさらう内容。とても読みやすい。
    ゴールデンカムイからアイヌの生活や死生観に興味を持ったが、それを十分満たしてくれる内容だった。

    たまに、著者の非アイヌへの批判的な気持ちが滲み出てくるので、アイヌへの差別や誤解に沢山苦しみ怒ったんだろうな。
    例えば現代の食生活は添加物に「汚染」されていると表現したり、北海道警備に派遣された津軽藩士が寒さに耐え切れず大量死したことを「アイヌではありえない」とアイヌの食生活がいかに理にかなっているかを説明したりしていて、何かを褒める時に別の何かを下げるのは良くないよ…ヨヨヨ…となった。

    現代の私たちの生活とは何から何まで違うが、思想が重なる部分もあり人の根本的な感覚について思う。
    特に私が面白かったのは、自然災害など人の手の及ばない部分や「なんか知らんけどこうやると上手くいく」的なこと、また心理的負担を軽減する方策を神である「カムイ」を通して説明を付けているらしいところ。

    ーーーー

    ・あの世では物事が逆転するので、今世での未練がなくなるとされている。
    →残された人の後悔や死に対する不安を拭える。

    ・狩猟は「殺す」ではなく「カムイを迎えに行く」という観念である
    →殺傷による罪悪感や恐怖を軽減する効果があったのでは?

    ・産まれたての子供に名前をつけると悪い神様に見つけられて丈夫に育たないので、男女区別するだけか汚い語彙を名前とする
    →乳児の死亡率の高さに対し予防線を張っているようにも受け取れる

    ・訃報を伝えに他の村にいく時は2人1組で、人の死の後には悪い神様が周りにいるから
    →これは村人がショックで事故を起こしたり自殺したりするのを防止していたのでは?

    ・死んでしばらくは幽体離脱をして自分の体をみていて、たまに戻ってくることもあるのですぐに葬儀はしない
    →現代の24時間安置と同じだなあ

    ーーーー

    わからない、不都合な部分を霊魂的思想に委ねるのは、厳しい寒さの中で生きていく上で自分達を納得させるために必要なことだったのだと思う。
    しかしカムイをただ崇拝しているというわけではなく、カムイ追放システムがあったり、カムイは食べ物を人間に依存しているなど、人間とカムイが対等に近い考え方をしているのが仏教にはないところだろう。

    面白かったな。他にもアイヌの本を読んでみたい。

  • 北海道・帯広にある帯広百年記念館及び併設されたアイヌ民族情報文化センター・リウカを訪ねた時に、学芸員の方からアイヌ文化を知るための入門書として勧められた1冊です。

    そもそも私がアイヌ文化に興味をもったのは、学生の時に、台湾北部の原住民タイヤル族の血を引く方に植物に関する聞き取り調査にいったことがきっかけでした。その方はアイヌだけでなく、オーストラリアのアボリジニなど世界の原住民と呼ばれるエスニックグルーブの方と交流があり、伝統文化の継承を課題に交流をしているという話でした。そして、日本人であるならばぜひアイヌ民族におきた歴史と文化について知ってほしいとメッセージをいただきました。それから随分日が経ってしまいましたが、やっと北海道に足を運びその一端に触れることができました。

    どちらの民族も日本の統治によって、アイデンティティーを失っていったというバックグランドがあったことを知り、あの時の言葉の意味がわかりました。

    本書では、衣食住、信仰に関する文化、生を受けてから死にいたり、死後の世界をどう捉えていたかなど幅広く取り上げています。そして、曖昧であった言葉の意図すること、誤解されがちな情報について解説することで、入門書として適切な手引きがあります。さらに理解を深めるための推薦図書のリストも役立ちました。

  • 博物館監修だけあって、まるで博物館を見てまわっているかのように、アイヌの人々の衣食住や祭り、神様など、丁寧な解説がよかった。中~高校生でも読めるような容易な言葉選びで、それが想像力をかきたてた。

  • とても面白かった。アイヌの文化や歴史について知りたくて最初に手に取った本だったが、それにぴったりだった。博物館監修だけあって、まるで博物館を見てまわっているかのように、アイヌの人々の衣食住や祭り、神様など、丁寧な解説が心地よかった。子ども向けというか、中~高校生でも読めるような、容易な言葉選びで、それが想像力をかきたてた。アイヌや、昔の自然と共にあった暮らしへの賛美がところどころにあって、研究者の方々の熱意が伝わってきた。文化人類学や民俗学の空気感が好きなので、それも心地よかった。博物館がリニューアルしたらぜひ行って、実際に触れてみたい。

  • 2022京都外大図書館プロジェクト Library Explore Mission(L.E.M.)学生選書
    京都外大図書館所蔵情報
    資料ID:655704、請求記号:382.11||Ainu

  • 大変読みやすく、スッと入ってきた。

    各論なので、文字通り、基礎知識。

  • ふむ

  • 「アイヌ文化の基礎知識」の本 - 十勝の活性化を考える会
    https://blog.goo.ne.jp/tokatinokasseikawokangaerukai/e/1f3dbb1573e3ab86f6a0fd2c038f07ce

    草風館
    http://www.sofukan.co.jp/books/64.html

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