経度への挑戦: 一秒にかけた四百年

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784881355053

作品紹介・あらすじ

「経度を測定できたものに国王の身代金に相当する賞金をあたえる」歴史の波間に息づく情熱を描いたノンフィクション。18世紀イギリス。経度を測定するためにニュートンやハレーの天文学的方法とは別の道を探った男がいた。半生をかけて海上時計を作りあげたジョン・ハリソンの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 訳者あとがき「本書はデーヴァ・ソベル著 「Longitude-The True Story of a Lone Genius Who Solved the Greatest Scientific Problem of His Time』 の翻訳である。 長い副題に 「当時の科学界最大の問題を解決した孤独な天才の話」 とあるとおり、優れた職人芸と 不屈の精神で経度測定に使う精度の高い時計を作り上げた、ジョン・ハリソンという時計職人の苦闘の物語である。」

  • むっちゃロンドンに行きたくなった。

  • 2018/11/20 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1067.html

    緯度と経度には 根本的な違いがある!
     そんなこと これまで考えたことがなかった・・・。
    緯度は太陽の角度などで容易に計測できるが、経度はそうは簡単ではないのだ。

    長いあいだ、海を航海するには、太陽や月、星を観察し現在位置と目的地の方角、距離を推測していた。
    が、緯度がわからないため 遭難したり、航海に予想以上の日時がかかり、水・食糧不足、病気など 問題が多かった。

    イギリスでは、「経度法」が制定され、測定方法に賞金が出される。
    そして、経度を測定する方法がたくさん考案されるが どれも精度が悪く実用にならない。
    従来 時計は、物理的条件が厳しすぎて精度が悪かったが、
    ジョン・ハリスンという天才時計職人が、すばらしい時計を開発した。

  • 緯度を調べるのは容易い。物理的に北極と南極があり、北極星が見える角度などから観測できるからだ。一方で経度は物理的な基準がない(グリニッジも基準点の一つでしかない)ために、時間を計って計算しなければならない。言い換えれば、経度を知ることは、正確な時計を製作することと同義になる。

    ジョン・ハリソンは18世紀に、クロノメーターという航海で使える時計を開発した。本書はハリソンを中心に、過酷な環境でも正確に時を刻む時計にまつわる物語。まさに人生を懸けた時計製作の物語である。今では当たり前のように正確な時計を誰もが持っているが、それが当たり前ではない時代の苦労を知ることができる。とてもドラマチックであり、楽しく読める。

    そういえば、上田早夕里氏の「リリエンタールの末裔」に、ハリソンの時計を題材にした小説「幻のクロノメーター」がある。合わせて読むと、より楽しめるだろう。

  • 文句なしに面白かった!
    ジョンハリスンの功績が認められるまでの過程が書かれていた。
    これ、英語版と翻訳本を買おう。

    うん良書。

  • 世界史に与えて影響は計り知れないものであろう。動作原理を知りたくなった。

  • ジョン・ハリソンの伝記絵本を読んでもっと詳しいことが知りたい!と思い探して見つけた本。

    結果…項目的な歴史とか、理科的な理屈が好きな方向けなのが判明w

    ジョン・ハリソン自身についての記述というのは(特に幼少時代など)残っていないので、まーしかたないかな。
    時計作りのあの天才の謎(どこからあのようなアイディアを手に入れたのか?など)は結局わからすでしたが、2冊を通して読んだ結果、イギリスに行って彼の作った(そしてまだ動いているという!)時計を見たい気持ちになったのでアリマシタ。

  • えーと、時計の話だ、クロノグラフ。あと、ザワークラウト食っとけ的な?そんな内容。
    やっべ、昨日(厳密には一昨日)読み終わったばかりなのに、ほとんど内容覚えてねぇ。
    自分の加齢のせいにしたくないので、デーヴァ=ソベルにおかれましては、もっとガツンとくる内容の本を書いていただきたい。

  • サイエンスノンフィクション。伝記としても科学史としても読める、大変な良著。航海中に経度を測定する方法を確立させたある時計職人の話。当時は天文学的なアプローチでしか解決することが出来ないと思われていたそうで、その常識を人生を賭けた技術で覆していく様が胸を打つ。ディズニーのエレクトリカルパレードみたいな大きさの一号機から、数十年の時を経て完成した四号機の美しい姿には、こみ上げてくるものさえあった。ニュートンやハレーといった天文学者たちも顔を出し、はたまたオイラーやメイスン・ディクソンまで出てくるのだから豪華極まりない。

  • 昔の人は、自分の位置を知るのに大変苦労してました。
    大航海時代の到来と共に、海外の植民地への往来が始まりました。
    ヨーロッパからアメリカ、アジアへ多くの船が出て行ったのですが、彼等は大変な問題を抱えていました。
    海上では、自分の位置を把握するのが大変難しいというのがその問題でした。目印が無い海の上でどうやって自分の位置を把握するか、、、様々な方法が検討されました。

    緯度については、比較的早くから太陽や星の位置を観測することで
    測定することができたのですが、経度については出発地の時間が判らないと、自分の位置を測定することができませんでした。
    (つまり軽度15度=1時間なので、出発地の時間が判れば自分の位置も判るわけです)
    当時の時計は、振り子時計が主流であり、揺れ易い船の上では使えなかったため、振り子以外の方法での精度の高い時計が必要となりました。
    ということで、時計職人ハリソンがこの難問に挑戦し、解決するまでの経緯を書いたのがこの本です。
    私達は、ごく当たり前のように緯度・経度という言葉を使っていますが、これは知識として知っているだけで実生活で使っている機会は少ないと思います。もし緯度や経度を測定する方法を知らないで、無人島に流されたとしたら、自分がどの位置にいるか全く推測できないと思います。今ではGPS等で簡単に知ることができますが、先人達の苦労や知恵を知ることは、便利な現代社会に住む私達にとっても大変重要なことだと思います。

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著者プロフィール

科学ジャーナリスト。元「NYタイムズ」科学欄記者。

「2010年 『経度への挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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