子育て指南書 ウンコのおじさん

  • ジャパンマシニスト社
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  • Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880493282

作品紹介・あらすじ

宮台真司が「子育て」を語る! アジる!
まず、……自信をなくしつつある男親たちへ!
また、……夫を諦めつつある「妻」たちへ!
そして、……やがて父親になる、若い男たちへ!。
 
「男親」をテーマにした8回にわたる連続講座。特に「女親と関係」の回が1冊の本に。(他の回も順次刊行予定です)
家庭において、つまり“子どもにとっての親” “女親にとっての夫”として「男親」の価値・役割・意味の謎を解き、何を判断基準にするべきか。どう行動するべきかを具体的に語る。
 
1959年生まれの宮台真司。やや遅い結婚をして現在は三児の父。フィールドワークに重きを置く社会学者としては、チャンス到来! この時代、この日本で男親の出来ることとは、やるべき事とは……。

感想・レビュー・書評

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  • いつもウンコの絵を描いているようなあやしいオッサンがいてもいい社会が健全なのはわかります。しかし、著者の幼年期である60年代当時の方が良かった、かのような前提で話されると納得できません。たしかにいろんなクズが目に付きますが、著者の世代にもクズはたくさんいるはずです。

  • 仲間を守る 正しさと愛
    ビジネス損得コスパに負けるな

  • クソとかクズとか頓馬とか口が悪いのはもはやデフォなんだろうけど、言ってることはかなりまとも。目が合わない社会ってテレビでも言ってたけど、そういう社会でウンコのおじさん的な人は貴重で大切。

  • 宮台さんの言い方は過激だけど、響く部分がほんとうにたくさんありました。
    父親は、社会を家庭に持ち込む代理人
    反抗期の間に、父が社会の中の小さな存在にすぎないこと、そして自分も父のように社会の中の小さな存在になることを学ぶ。
    「嘘ついても、叩いても、嫌がらせをしてもいい。大人もやってるからね。でも、やりすぎはダメ。」
    抱え込みによる「妄想の玉突き」と「ノイズレス化」は、子供をクズに育て上げ、クソな社会をもたらします。
    みなさんが自分と同程度の子を育てたらオシマイです。自分よりまともな子を育てなきゃいけない。
    この講座の目標は、「劣化した大人が、劣化していない子どもを育てること」。

  • 子育て世代によんでほしいです。
    くだらないけれど、肩の荷をおろして生活ができそうな気がします。

  • 宮台さんが最近よく言っている「損得よりも正しさ」。
    これは私の行動指針でもある。

    それをある程度わかりやすくかみ砕いたのが本書、と自分は理解した。

    うんこのおじさんは「シンボル」。
    子供たちが「斜めの関係性」を築くための。

    地方ならまだしも、たしかに東京/大阪のような都会では、そういう存在はなかなか居ない。隣に住んでる人の名前すらわからないのだから。

    子供は社会で育てるもの。
    それを改めて認識する上でも、この本は読みやすくてよい。
    ページ数も100ページちょっと。おすすめです。

  • P40
    子育てするとわかるのは、触覚や嗅覚をつかった身体的なかかわりが、性愛とは違った形で生まれること。広い意味で「エロス的なかかわり」です。

    P79
    政治や性愛(や教育)の世界でも、「コストパフォーマンスが第一」「リスク回避が大切」などと「ビジネスマインド」を持ち込む、頓馬があふれています。
    政治や性愛では、損得よりも愛と正しさが大切です。

    P89
    親の妄想に適応するために子供が妄想を抱える妄想の玉突きが生まれます。子供が抱えた妄想は長じて社会を生きづらくします。
    第二に、子供を抱え込む親は、ケンカを放置したなどと幼稚園や学校にクロームをつけたりして、子供をノイズから隔離し、社会を生きる根本力を失わせます。
    言い争いをしたことがないから、尊厳を傷つける悪口を平気で言う、取っ組み合いをした経験がないからいきなり刃物を持ち出す。子供はどんどンクズになる。
    抱え込みによる妄想の玉突きとノイズレス化は、子供をクズに育て上げ、クソな社会をもたらします。
    しつけしつけと叫ぶ頓馬が、社会をめちゃくちゃにします。

    P110
    勉強だけしてきた人は、勉強も遊びもできる人をみて強い劣等感を抱きます。かくして上昇志向が過剰でポジションにしがみつく勉強田吾作が誕生します。
    思えばスクールカーストも
    勉強も遊びもできる人>遊びだけできるひと>勉強だけできる人>両方できない人。
    ポストにしがみつく「正しさよりも損得」という生き方にうんざりするから。

  • すぐ読める 実践もある意味難しくはない
    体得は難しい

    個人的には共感しかなかった
    うんこのおじさんになるには今の街中は「ヘタレ」大人には厳しい
    うんこのおじさんになりやすい場所を増やしたい
    自分でもうんこのおじさんになれるような場所

  • 宮台真司の考えをどうやって、他人に伝えられるだろうか。

  • 2021年12月読了。
    なんか久しぶりに本を一冊読み切ることができた感じ。
    親が子供を丸抱えするんじゃなくて横(友達等)や斜め(近所の人等)の関係性を築いたり、四角四面なお受験教育に詰め込むんじゃなくて子供の体験の方向性を示してあとは子供がしたいようにさせたり、この考え方の方がはるかに人間らしい生を生きることができるように思う。
    我が子には親なりやがて関係を持つであろう上位者(組織の上司とか)なりの顔色を伺って損得勘定しかしないクズにはなって欲しくないので、親側の構えを形作ることが必要だと思った次第。

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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