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- Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877144715
作品紹介・あらすじ
「そして全て死に果てればいい。」――
基地の島に連なる憎しみと暴力。
それはいつか奴らに向かうだろう。
その姿を目にできれば全てが変わるという幻の虹の鳥を求め、夜の森へ疾走する二人。
鋭い鳥の声が今、オキナワの闇を引き裂く――
救い無き現実の極限を描き衝撃を与えた傑作長篇。
感想・レビュー・書評
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描写が読んでいてひたすら辛い。残酷。
けれども、それだけではない。
普通の少年が不良のパシリになり、地元の不良先輩から命じられて、マユという女性の生活の面倒を見ながら美人局をさせている。
ところがある日、マユが「ホテル」ではなく、主人公も住む「自分のアパート」に客を連れ込むことから、人生がさらに狂い始める。
その遠因は「米軍基地にある」ということを主張したい小説ではないし、事実として物事はそう単純なわけがないが、一方で彼ら見ている風景には常に米軍基地があり、その恩恵によって生きている人たちがいて、そしてその恩恵によって狂わされる人生もある。
普通の少年が暴力の世界にいつの間にか入り込んでしまい、抜け出したいと思いながらも他に行く場所もなく、逃げ出す勇気もなく、「なぜあのとき」と思ってしまう姿には共感をした。
僕自身が10代の頃に不良のパシリだったからかもしれないが、とてもリアリティのある感情表現だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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