食育のウソとホント 捏造される「和食の伝統」

著者 :
  • こぶし書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875593447

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  • ■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
    【書籍】
    https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1001209927

  • 『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』(こぶし書房 2018)

    【書誌情報+内容紹介】
    著者:魚柄 仁之助
    装丁:岩瀬 聡
    ジャンル:歴史、社会思想、食育・生活
    出版年月日 2018/09/20
    ISBN 9784875593447
    判型:4-6
    頁数:232
    定価 本体2,000円+税

    ◆あやしい「食育」が多すぎる!
     「旬」だからおいしい? 「日本型食生活」だから健康? 「食卓の団らん」が日本の伝統?……教育現場にしのみこむ怪しい「和食」賛美を、膨大な文献資料をもとに検証。痛快な近代日本食文化史!……食育のモヤモヤが、あースッキリ。
    http://www.kobushi-shobo.co.jp/book/b374900.html

    【目次】
    目次 [001-004]

    第一章 〈生きのびる〉ための食育 007
     食費ひと月九〇〇〇円の食育
     食生活の「欧米型」と「日本型」
     食べ物を高級品に変える
     コンビニ・100円ショップすらも使いこなす食育
     気になる食報道を読み解く
     食卓の団欒という幻想

    第二章 〈体にいい〉を科学する食育 051
     米食礼賛に待った!
     食中毒で死なない、打たれ強い食べ方
     和食には砂糖がいっぱい!を知る食育
     牛乳の代用? 山羊(やぎ)乳の食育
     「脂肪分ゼロ」に踊らされない
     長寿者の食が長寿食ではない
     健康は作れないから守るという食育

    第三章 〈伝統〉のウソをつたえる食育 093
     昔は○○だったを鑑識する
     鯨食は伝統食なのか?
     コナモンと伝統食の食育
     教科書が教えない代表的和食=さしみの近現代史
     「日本人の食肉習慣は明治維新から」はホント?
     ジビエは気休め論
     牛乳が和食にデビューしたころ
     「身土不二」と昔から言われて……いません

    第四章 〈旬〉と〈鮮度〉を考える食育 153
     「旬のもの」食育の大勘違い
     保存食の食育
     鮮度ばかり重視する食育でいいのか?
     「賞味期限」に向き合う
     料理教室は食育に役立つか?

    第五章 〈食べる〉を考える食育 189
     食の支え合いを学ぶ
     お手軽食と危険ドラッグに関する食育
     口は病気の防波堤
     食事弱者を思いやる食育
     何を食べるか? どう食べるか?の食育
     食の安全性は「質」と「量」
     食育の実効性と到達点


    あとがき [229-234]

  • 「食育」と聞くと、体にいいものを積極的に
    食べるようにするとか、肉と野菜をバランス
    よく食べるとか、添加物は悪、みたいな内容
    が叫ばれていることが連想されます。

    さらに和食こそ食育の根幹を成していて、
    歴史的に日本人が食べてきたことを学ぼう、
    という風潮もあります。

    これらは決して間違いではないが、正解でも
    ないと著者は言います。

    「食育とはこれだ」とは一言では言い表せ
    ない歴史にも経験にも学ぶことができない
    難しさがあります。

    そんな難しい命題の答えに少しだけ近づく
    ことができる一冊です。

  • 第1章 “生きのびる”ための食育
    第2章 “体にいい”を科学する食育
    第3章 “伝統”のウソをつたえる食育
    第4章 “旬”と“鮮度”を考える食育
    第5章 “食べる”を考える食育

  • 世にはびこる食にまつわるあれこれを精査し、食力を身につけましょうと訴える内容。

    絶対的に良い食品なんてものはないのと同様、絶対的に悪い食品もありません。食べ方次第で、良くも悪くもなるから、その使い方=食べ方を教えるのが食育のはずです。

    というくだり、強く共感。

    魚柄さんの本を読むと、いつも自分がいかに、調理の技術、食べる知恵や工夫に乏しいかを痛感します。

  • 著者の思いが所々強く、お手軽食からやがて危険ドラッグへのところとかはクレイジーな論な気がするけど、

    歴史背景や昔の食事については大変参考になった
    全体的に読みごたえがあって良書

  • プロが書いた食に関するエッセイのよう内容。「伝統的な和食は素晴らしい」みたない昨今の風潮に対して、”和食”って一体何だよ、というところを食のプロとして検証してくれています。最近の食育にダメだしすることとか、その検証がメインというよりは、素人に役立つ料理情報がいろいろと紹介されている料理本と思った方がよさそう。食育批判部分は、本を売るための戦略的な部分もありそうです。100均やコンビニで調達できる保存可能な食材で料理を作る方法なんかは、単にお弁当やお惣菜を買って食べるよりははるかに役立ちそう。ただ、江戸っ子が会話しているような文章は若干読みにくくて頂けない。

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著者プロフィール

1956年、福岡県生まれ。食文化研究家。著書に『国民食の履歴書――カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』『刺し身とジンギスカン――捏造と熱望の日本食』『台所に敗戦はなかった――戦前・戦後をつなぐ日本食』『昭和珍道具図鑑――便利生活への欲望』(いずれも青弓社)、『食育のウソとホント――捏造される「和食の伝統」』『食のリテラシー』(ともにこぶし書房)、『食べかた上手だった日本人――よみがえる昭和モダン時代の知恵』『食ベ物の声を聴け!』(ともに岩波書店)、『冷蔵庫で食品を腐らす日本人――日本の食文化激変の50年史』(朝日新聞社)など。

「2023年 『幻の麺料理 再現100品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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