親鸞への接近

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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875024958

作品紹介・あらすじ

親鸞論が絶筆となった三木清、伝記映画を監督制作した三國連太郎、
親鸞の晩年について集中的に論じた吉本隆明…。
日本の知識人は、なぜ生涯のある時点で親鸞と出逢うのか—。

著者は宗教学を学んだ学生時代、世俗を選んだ親鸞の生き方を認めたくなかった。ところが後年、戦地と占領地で現実の苛酷さを前にしたとき、著者の前に再び親鸞が立ち現われてきた。自分の意志で手にとったのではなく、親鸞が接近してきたのだ。
『歎異抄』『教行信証』を独自の視点で読み解くとともに、三木清、三國連太郎、吉本隆明を通して、親鸞思想の現代的意味を問う、渾身の書下し!

感想・レビュー・書評

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  • 親鸞の教えは難しい。いや、シンプルなのだ。誰にでも分かるように開かれている。だが、そのシンプルさを良く読み込んでいくと奥が深いように見受けられる。その奥の深さを四方田犬彦は、テクスト・クリティークの視点から読み解いてみせる。その手つきは鮮やかで、私自身読めていない『歎異抄』のようなテクストを読んでみたくさせられた。三木清・三國連太郎・吉本隆明を論じたところも読み応えあり。個人的にはしかし、何故か加藤周一を読んでみたくさせられてしまった。なかなか侮れない一冊だ。分厚さに見合った内容の濃さは格闘するに耐え得る

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著者プロフィール

四方田 犬彦(よもた・いぬひこ):1953年生れ。批評家・エッセイスト・詩人。著作に『見ることの塩』(河出文庫)、翻訳に『パゾリーニ詩集』(みすず書房)がある。

「2024年 『パレスチナ詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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