理科系の文学誌

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  • 工作舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (411ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784875020653

感想・レビュー・書評

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  • なかなか内容の濃い本でした

  • 古典的SF小説の例を中心に据えながら、当時の科学者・哲学者の思想や論争の歴史の中で、このようなSFがどのようにして描かれるに至ったかが奥深く紹介されている本である。荒俣宏らしく知識が何層にも重なって、層間でもところどころ電気融合が起こっており、著者の自由に任せて編集された本であることが伝わってくる。とにかく細部がいちいち面白く、もちろん大局的に見ても対立の構造などがはっきり分かりやすく紹介されている。

     全編を通して、西欧・アメリカ・旧ソ連・中国・日本の思想世界と文学(紹介される文学の分量比は異なれど)の立場の違いや関わり合いが分かりやすく紹介されており、文学・科学・政治の相互作用の模様が、見たこともない視点でつながっている様を教えられた印象。私にとっては宝物のような本だった。
     なによりも、ある種の小説はただの物語ではなく、その時代における先進的・前衛的なコンセプトをいち早く取り入れて来たる歓迎すべき(または忌避すべき)未来を具体化したり、イデオロギーの主張や美を文学的建築として具体化したりする手段として結晶化させたものだという具体例を知れたのが良かった。

  • 文学

  • wired・科学・第10位

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    【要約】


    【ノート】
    科学は幻想であるという観点から古今のSF・幻想文学を「科学的」に読み解き、文学という「科学的思考」の核心に迫る、アラマタ先生のデビュー作。

  • 7/3 読了。

  • 文学は哲学、博物学、図書館学、生物学そして心理学につながる。・・・伝わる・・・

  • あまりに気に入ったので高校の図書室から借りたのをまだ返してません。
    もう1X年経ってますが時効でしょうか?

  • 荒俣のおっさんがスゴイやつだということがよく分かる。お金が入ったら家に一冊持っておきたくなる本の一つだが、流通してんのかなあ?工作舎は、直販してるんだっけ?

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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