モノリスからマイクロサービスへ ―モノリスを進化させる実践移行ガイド
- オライリージャパン (2020年12月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784873119311
作品紹介・あらすじ
マイクロサービスアーキテクチャへの実践的な移行ガイド!
モノリシックなシステムのもつれを解きほぐして、マイクロサービスアーキテクチャへと移行するにはどうしたらよいか、またビジネスを続けながら各サービスをメンテナンスするにはどうするかなど、マイクロサービスアーキテクチャへの移行について解説する書籍です。マイクロサービスを選択した場合のトレードオフや変更コストなどマイクロサービスの特性を再確認し、モノリスの分割と変更の方法、機能を移行しながら振る舞いを変える方法などを学びます。
感想・レビュー・書評
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マイクロサービスを新しいもの、無条件に良いものと捉えず、そのデメリットや採用判断条件を示し、既存システムを捨ててゼロから書き直すのではなく段階的に移行していく手段を示した誠実さが際立つ名著です。問題は何なのかを明確化してから、モノリスをマイクロサービスに分解していく様々な手法や手順を記しています。コードの分割だけでなく、最も難しい問題であるデータベースの分割手法に取り組んでいる点も高く評価できます。
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まだマイクロサービス化を目指すわけではないが頭の片隅に計画があるため心構えしておく。
この本で学んだことの概要は、十分な余裕を持って適切な情報を集めつつ後からの変更を受け入れること、段階的な導入を試みて都度適応していくこと。
「マイクロサービス=善でモノリス=悪」ではないこと、移行方法は何パターンかあること、DBは可能であれば一元管理すること。
198冊目読了。
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モノリスからマイクロサービスへ
マイクロサービスを中心に活動しているエンジニア、サム・ニューマン氏の著書です。
既存のモノリスシステムから、マイクロサービスへの移行に焦点をあてた本です。
具体的に移行パターンを示し、メリット・デメリットが解説されています。
【本書で学べること・考えること】
- マイクロサービスとは
- モノリスとは
- マイクロサービスを選択する理由
- マイクロサービスに向かないケース
- 移行の方法
- データベースの分割
- マイクロサービスの運用面での注意点
読んでみての感想です。
概念的、抽象的なアーキテクチャーの話なので、ある程度経験を積んだエンジニア向けの本です。
マイクロサービスへの移行をメインにしているのに、中身としては「本当にマイクロサービスを使うべきか?」という問いがメインになっているような感じです。
マイクロサービスは万能ではなく、使用するケースを選ぶ構成であり、間違えると高いコストを払うことになるというのがわかります。
マイクロサービスの条件として、データベースを共有しないという条件が厳しいなと思いました。
実際の移行パターンについては、使うケースやメリット、デメリットが書かれていてわかりやすいです。
図が多いのも理解を助けます。
データベースの分割については、あまり取り組みたい感じにはなりません。
かなり苦労しそうです。 -
「独立デプロイ可能性」をマイクロサービスの主たる特徴として捉え、モノリスからマイクロサービスへ移行する際に考えなきゃいけないポイントを解説してる本。かなり技術的な内容によっているので、一読しただけではほとんど中身は読み込めないが、参考資料として立ち返るには有用な本。マイクロサービス至上主義というスタンスではなく、メリデメを踏まえた判断が必要ということも強調しているので、納得感は得やすい。
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"本書はあくまでも「モノリスからマイクロサービス」への旅のガイドに過ぎません。実際に旅をするのは、読者であるみなさんと、みなさんの組織です。旅の成否は、誰が(そして誰と)旅をするのかにかかっています。
本書が、自分たちの進む方向を見極めるのに役立つ一冊となってくれていたら、訳者としてこれ以上の喜びはありません。"
「訳者あとがき」より抜粋
本書の内容もさることながら、訳者あとがきのメッセージも良い。 -
モノリスシステムをマイクロサービス化するメリット・意義の理解とシステム構造の違いに対する解像度を上げるため1,2,5章を読了。特に2章のマイクロサービスアーキテクチャを採用する際のよくある理由と並んで、それぞれの理由に対するモノリスシステムでの代替手段が書かれていたのがとても良かった。
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資料ID :82000744
請求記号 : 007.63||N
配置場所:工枚ITエンジニア大賞
(※配置場所は、レビュー投稿時のものです。)
☆特集展示「ITエンジニア本大賞」☆ -
実践値。
モノリスをレガシーと捉えずあるべき姿の合理性を解いた上でマイクロサービスのメリットを享受する方法。
データベースの話が特に興味深くつまずきどころとしてACIDのあり方を再考する必要があることを知る。
実際に移行するにあたってどうすれば良いかイメージが湧きやすく共通認識をはかりやすい。
良書。 -
『マイクロサービスアーキテクチャ』本の著者の続編です。
前著はマイクロサービスアーキテクチャの一般的なガイドだった一方で、こちらの本では既存のモノリスなシステムをどのようにマイクロサービスアーキテクチャに移行していくかについて書かれています。
この本ではマイクロサービスアーキテクチャは銀の弾丸ではないということを繰り返し書かれています。
そして、どういうときにマイクロサービスアーキテクチャへの移行を選択するべきか、代替となる手段としてなにがあるか、といったことがとてもよく整理されています。
その上で、組織にどのように働きかけるか、どこからマイクロサービスに切り出していくか、一番厄介なデータの整合性の問題をどうするか、といった内容を教えてくれます。
モノリスからマイクロサービスへ移行することを検討している開発者にはぜひおすすめの一冊です。
また、チームで読むことでマイクロサービスについての共通認識を作ることができるでしょう。 -
題名の通りの書籍。
モノリスからマイクロサービスへ移行する際の注意点や移行パターンをいくつか紹介している。
そもそもとしてモノリスは悪という訳ではなく、全てのシステムをマイクロサービスへとするべきではないということを著者は強調していた。
また、失敗しても直ぐにやり直しがやりやすいように段階的に進めていくことを強く推奨している。
このあたりのことがテクニックよりも重要なのだなということが分かった1冊であった。