プロダクトマネジメント ―ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける

  • オライリージャパン
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784873119250

作品紹介・あらすじ

プロダクトマネジメントの原則と考え方、ポイントについて解説!
あらゆる規模の組織に適用できるプロダクトマネジメントの原則についての書籍です。リリースにばかり焦点を当てると、顧客のニーズではなく、スケジュールを重視して不必要な機能を作りだしてしまいます。このような状態を本書では「ビルドトラップ」と呼んでいます。本書では、プロダクトマネジメントの基礎を築くことで、企業がビジネス目標を達成しながら、顧客が必要とする機能をリリースする方法を紹介して、「ビルドトラップ」を避ける方法を解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 予算を弾力的に運用できるとか、そういったことが大企業ではできないってのはその通りで、でもソフトウェアにおける予算はほぼ社員の人数で決まっているから、管理もとても簡単なんだよね。人数かける費用で算出できる以上はかからない。だから全部固定費。で、その中で何をやるのか?ってところまで上部マネージメントが入り込むのはやりすぎ。だから、こんだけの工数を渡すって感じになる。それで、ハードウェア企業だとソフトウェアは間接部門だからビジネスにまつわる投資とかできないわけだよねー。とても合意するところの多い本でした。

  • プロダクトマネジメントの観点がないシステム開発の現場との差が例題を通じて上手く書かれている。
    アウトプット(機能リリース)ではなく、アウトカムにこだわった開発が必要な理由が書かれている。
    プロダクトマネジメントがどういうものかを伝えるのに最適。

    ---
    1章 価値交換システム

    2章 価値交換システムの制約

    3章 プロジェクト / プロダクト / サービス
    プロダクトは顧客やユーザーに価値を届けるもの
    サービスはプロダクトと違って、ユーザーに価値を届けるのに人手を使う。
    デザイン会社、会計事務所。
    自動化することでプロダクト化できる
    プロジェクトは作業の塊。特別な目的を持ったモノ。
    多くの企業はプロジェクトベースの開発サイクルを利用している。実行する作業の範囲を設定し、締め切りやマイルストーンを決めてからチームに作業を依頼する。プロジェクトが終わるとチームは別のプロジェクトに取り掛かる。

    4章 プロダクト主導組織
    4.1 セールス主導
    4.2 ビジョナリー主導
    4.3 テクノロジー主導
    4.4 プロダクト主導

    5章 私たちが知っていること、知らないこと

    第II部 プロダクトマネージャーの役割

    6章 悪いプロダクトマネージャーの典型
    6.1 ミニ CEO
    人に関する権限は持たない
    6.2 ウェイター
    6.3 プロジェクトマネージャーだった人

    7章 優れたプロダクトマネージャー
    7.1 技術の専門家とマーケットの専門家
    7.2 優れたプロダクトマネージャー
    7.3 「なぜ」から始める
    7.4 1つの役割、たくさんの責任

    8章 プロダクトマネージャーのキャリアパス
    8.1 アソシエイトプロダクトマネージャー
    8.2 プロダクトマネージャー
    8.3 シニアプロダクトマネージャー
    8.4 プロダクト担当ディレクター
    8.5 プロダクト担当 VP
    8.6 最高プロダクト責任者(CPO)

    9章 チームを構成する
    9.1 マーケットリーのプロダクトチーム

    第III部 戦略

    10章 戦略とは何か?
    NETflixの例
    1.DVDで収益を上げる
    2.ストリーミングを推進する
    3.世界展開

    11章 戦略のギャップ
    11.1 知識のギャップ
    11.2 アラインメントのギャップ
    11.3 効果のギャップ
    11.4 自律的なチーム

    12章 良い戦略フレームワークを作る
    12.1 戦略展開
    12.2 戦略策定

    13章 企業レベルでのビジョンと戦略的意図
    13.1 企業のビジョン
    13.2 戦略的意図

    14章 プロダクトビジョンとポートフォリオ
    14.1 プロダクトビジョン
    14.2 プロダクトポートフォリオ

    第IV部 プロダクトマネジメントプロセス

    15章 プロダクトのカタ
    15.1 コンテキストがすべて

    16章 方向性の理解と成功指標の設定
    16.1 プロダクトの指標
    16.2 海賊指標
    16.3 HEARTフレームワーク
    16.4 データを使って方向性を決める

    17章 問題の探索
    17.1 問題を理解する
    17.2 ユーザーはアプリケーションを欲しいわけではない
    17.3 思い込みを排除して創造的になる
    17.4 問題を検証する

    18章 ソリューションの探索
    18.1 学習のための実験
    18.1.1 コンシェルジュ
    18.1.2 オズの魔法使い
    18.1.3 コンセプトテスト
    18.2 ちゃんとした実験が不要なとき
    18.3 複雑な業界での実験
    18.4 内部プロダクトでの実験
    18.5 マーケットリーでの適切なソリューションの選択

    19章 ソリューションの構築と最適化
    19.1 プロダクトビジョンを進化させる
    19.2 作業に優先順位をつける
    19.3 実際の完成の定義

    第V部 プロダクト主導組織

    20章 アウトカムに着目したコミュニケーション
    20.1 ケイデンスとコミュニケーション
    20.2 ロードマップとセールスチーム
    20.3 プロダクトオペレーション

    21章 報酬とインセンティブ

    22章 安全と学習

    23章 予算編成

    24章 顧客中心主義

    25章 マーケットリー:プロダクト主導企業

    おわりに:ビルドトラップから抜け出してプロダクト主導になる

    付録A 企業がプロダクト主導かどうかを判断する6つの質問

  • 2024年1月28日読了。自社製品の開発、「プロダクトマネジメント」において陥りがちな「ビルドトラップ」=プロダクトアウトの思考のありがちな例・避けるための心構え・取り組みなどをサンプルケースを基に説明する本。常識的な内容ではあるのだが、自分を振り返ってみてもともすれば仕事はタスク志向で手を動かすところに集中しがちで、「何のために?どんな価値を出す?どう優先順位をつける?」といった要素は十分に議論されず「惰性でなんとなく」になりがちな気もする。チームが目指すべき「ノース・スター」を常に見えるところにおいてそこに立ち戻る、という取り組みが重要なのだろう。

  • 本書の副題に集結される。
    アウトプットではなくアウトカムに向き合えばビルドトラップに陥らない。

  • アウトプットではなくアウトカムに注力するプロダクト主導を目指すために、役割、戦略、プロセス、組織の階層に分けてそれぞれ解説がされる。

    示唆に富んだ記述も多く、参考になる。
    一方で、マーケットリーという架空の企業を想定した説明であること、事例に挙げられている企業の例が少ないこと(Netflix が例に挙げられる章が多い)、後半はコンサルの理想論を聞いている気持ちになり人を選ぶであろうことなどが気になった。


    本書は5部25章の構成になっている。

    第Ⅰ部 ビルドトラップ
     1章 価値交換システム、2章 価値交換システムの制約、3章 プロジェクト / プロダクト / サービス、4章 プロダクト主導組織、5章 私たちが知っていること、知らないこと
    第Ⅱ部 プロダクトマネージャーの役割
     6章 悪いプロダクトマネージャーの典型、7章 優れたプロダクトマネージャー、8章 プロダクトマネージャーのキャリアパス、9章 チームを構成する
    第Ⅲ部 戦略
     10章 戦略とは何か?、11章 戦略のギャップ、12章 良い戦略フレームワークを作る、13章 企業レベルでのビジョンと戦略的意図、14章 プロダクトビジョンとポートフォリオ
    第Ⅳ部 プロダクトマネジメントプロセス
     15章 プロダクトのカタ、16章 方向性の理解と成功指標の設定、17章 問題の探索、18章 ソリューションの探索、19章 ソリューションの構築と最適化
    第Ⅴ部 プロダクト主導組織
     20章 アウトカムに注目したコミュニケーション、21章 報酬とインセンティブ、22章 安全と学習、23章 予算編成、24章 顧客中心主義、25章 マーケットリー:プロダクト主導企業

    本書では、機能のリリース(アウトプット)に注力してアウトカムを見れていない状態を「ビルドトラップ」と称し、階層ごとに説明がされている。

    「役割」では、プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーの違いや、求められる能力について書かれていて、実際はどうあれ共感はできる内容だと思う。

    > プロジェクトマネージャーは「いつ」に責任を持ちます。...プロダクトマネージャーは「なぜ」に責任を持ちます。なぜこれを作るのか?どうやって顧客に価値を届けるのか?ビジネス目標を達成する上でどう役に立つのか?このようなことに責任を持ちます。(p.32 悪いプロダクトマネージャーの典型)

    > プロダクトマネージャーに技術の素養は必要ですが、精通している必要はありません。つまり、開発者を会話したりトレードオフの決定を下したりできるくらいに技術を理解していれば構いません。機能や改善の複雑性を理解して開発者に正しい質問ができればよいのです。(p.32 優れたプロダクトマネージャー)

    「戦略」は少々漠然としている。会社のビジョンなど個人にコントロールできる要素が少なく、実践が難しい。

    続く「プロセス」は業務の方法論に近い表現が多く、参考になる記述もある。

    > 『リーン・スタートアップ』が出版されてからというもの、企業は実験のテクニックを取り入れてきましたが、多くの企業は間違った理由で取り入れています。みんな理想的なMVP(Minimum Viable Product)を作ろうとしています。MVPは同書の中で実験として取り上げられているにも関わらずです。(p.133 ソリューションの探索)

    本書を通じて、ビルドトラップという単語が示す状態は理解することができ、プロダクト開発の方向性や手段などでアウトカムに繋がりづらい動きを変えるきっかけにはなるだろうと感じた。

  • ビルドトラップの提唱者によるビルドトラップによる問題とその対処方法を学習できる本。
    ビルドトラップとは、製品/機能のリリースに注力するあまり、顧客への価値提供が疎かになる状態を指す。
    顧客へ価値を提供し続けるためには、ビルドトラップを認識し、適切な対策が必要となる。

    ビルドトラップの主な 特徴/リスク は以下の通りと理解。

    ・機能中心思考
    ・短期的な成功指標に偏重
    ・継続的なビルドのループ

    ビルドトラップを回避する推奨事項は以下の通りと理解。

    ・アウトカム指向
    ・顧客との接触
    ・長期的なビジョンの策定
    ・学びを重視する文化の育成

  • 「プロダクトマネジメント」とは何か?どうあるべきか?の入門書として読んでみました。

    ・アウトプットではなくアウトカムが大切である。
    ・アウトカムとは、私たちが機能を届けて顧客の問題を解決したという結果のこと。

    というのはわかりましたが、全体的には具体性に乏しく、浅い印象でした。

  • ビジネス書。内容はタイトルの通り。製品開発のための手法を広く浅くまとめてある。内容も平易。ネットで推薦されていたので買ってみた。ある程度、製品開発のリーダー的な実務をこなしてきた人が、振り返り・知識の整理・古くなった部分のアップデート、などの目的で読むと良いと思う。

  • とりあえず雑に一周読んだ

  • ビルドトラップを提唱している本。機能を増やすことが全てではないし、むしろ負債になるケースの方が多いので、何を作るのかに関心を向けよう。あと、使われていない機能を閉じる努力をしよう。

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