消えた「四島返還」 安倍政権 日ロ交渉2800日を追う

制作 : 北海道新聞社 
  • 北海道新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784867210383

作品紹介・あらすじ

四島返還から2島返還へ。2018年、安倍晋三首相はプーチン大統領との首脳会談で、北方領土交渉について「日ソ共同宣言を基礎に」2島返還への方針転換を打ち出した。交渉の舞台裏で何が起きていたのか。2012年の第2次安倍政権発足時にさかのぼって、取材班が追いかけてきた日ロ交渉の全貌を1万6千件の取材メモをもとに解き明かす。そこには官邸主導で進められてきた外交と、プーチン政権の厚い壁があった。

感想・レビュー・書評

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  • 安倍官邸の対ロ交渉失敗 解明に挑む [評]岩下明裕(北大スラブ・ユーラシア研究センター教授)
    <書評>消えた「四島返還」:北海道新聞 どうしん電子版
    https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/article/593336?rct=s_books

    消えた「四島返還」 安倍政権 日ロ交渉2800日を追う:北海道新聞 どうしん電子版
    https://www.hokkaido-np.co.jp/sp/abe2800

    北海道新聞社の本 / 消えた「四島返還」 安倍政権 日ロ交渉2800日を追う
    https://shopping.hokkaido-np.co.jp/book/products/detail.php?product_id=848

    北方領土、沖縄米軍基地、北朝鮮拉致問題、東京オリンピック等、、、悪政極まれり。

  • ウクライナ問題を機に読んでみた。二島返還を旗印に行われた安倍元総理とプーチンとの交渉の経緯をまとめられている。今回のウクライナ問題と四島返還を合わせて考えると、ロシアの領土に関する考えから四島返還は、なかなか進まないだろう。

  • 第2次以降の安倍政権の7年8か月にわたる北方領土問題を巡る日ロ交渉を、北海道新聞の日ロ取材班により積み重ねられた取材をもとに総括。
    北海道新聞の北方領土問題にかける思いと取材力を感じさせられた。
    外交は相手のあることだし、事態打開のための試行錯誤の結果で仕方がない面はあると思うところはありつつ、この間の日ロ交渉は外交的失敗だったと言わざるを得ないと感じた。教訓の1つは、外交において楽観論や希望的観測は禁物ということだと思う。

  • 【日本政府高官は「ロシアは大統領のプーチンと話せば、全てが決まるというのは間違いだった」と漏らした。政府高官の言葉は、2012年から対ロ外交に膨大な政治エネルギーを注ぎ込んできた安倍政権が、ようやく現実を直視したことを物語っていた】(文中より引用)

    安倍政権による外交の中でも、注ぎ込まれた政治的エネルギーが極めて大きかった対ロシア外交。新たな構想と陣容で臨んだプーチン大統領との駆け引きは、なぜ奏功しない結果に終わってしまったのか。北海道新聞社が丹念な取材を基にその内幕を描いた一冊です。

    日本人相手だったら通じるかもしれない「貸し借り」という考え方を、外交というパワーゲームに当てはめようとして脆くも失敗した例と言えるのではないかと思います。外交にせよビジネスにせよ、信頼関係というのはあくまで必要条件であり、成功に導く十分条件ではないことがよくわかりました。

    これは執念の作品と言って良いのではないかと☆5つ

  • 安倍政権下の北方領土交渉の舞台裏を、北海道新聞社が丁寧な取材で余すところなく描き出した。元島民への思いに寄り添った視点はさすがである。

  • 2018年11月、日露首脳会談で安倍総理は、これまでの日本政府の統一された立場だった四島返還から、二島のみ返還へと舵を切った。しかも、その決定は殆ど周りに知らされなかったーー。そこに行き着くまで、そしてその後安倍政権までの退陣を追った北海道新聞のルポ。
    地元紙ならではの熱意と微細な情報収集が圧巻。日本側が「プーチン大統領と仲良くなれば」「プーチンは親日だから」と、プーチンに対する信頼を根拠に情に訴えて、見たいものだけ見ている一方でのロシアの対応。「北方領土の帰属は第二次大戦の(正当な)結果」「日米同盟が北方領土に適応されることは懸念」…今まさに我々が目にしているウクライナに対する立場と同じことを言っているよ、ロシア…。
    本来の主管省庁であるべき外務省を差し置いての官邸主導に対しても疑問が浮かぶ語り口であった。
    北方領土に関する日露(日ソ)間の国際約束だったりステートメントだったりというのも、解説がしっかりされていて勉強になった。

  • 第二次安倍政権の北方領土交渉を追ったルポです。
    2800日と長きにわたって、密着しただけのことはあり、読み応えのある内容になっています。

    四島返還から二島返還に舵を切り直したのには、さまざまな理由があります。
    本書を読む限り、もっとも大きいのはロシア側が「日ソ共同宣言」の有効性を認めたことです。

    日ソ共同宣言では、その条文に二国間の平和条約が締結した暁には、北方四島のうち、二島の明け渡しが明記されていました。
    それを糸口にして、日本政府は北方領土でのロシアとの共同経済活動を立ち上げ、二島返還、さらには四島返還を目指すというのが、描かれた青写真だったのです。

    ところが、思うようにはことが運ばず、特に大きな進展もないまま安倍政権は幕引き、ロシアとの交渉は事実上、凍結状態となっています。

    こう書くとあっさりした内容に感じるかもしれませんが、そこに至るまでには様々な事象が複雑に絡み合っているのが実態です。
    今、ウクライナ危機で戦争状態になりつつあるロシアがどのような国なのか知るのにも、いい教材だと思います。

    ウクライナ危機も決して対岸の火事ではありません。領土問題は日本にとって、今後、ますます重要な問題になっていくでしょう。

  • 東2法経図・6F開架:319.1A/H82k//K

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