交通誘導員ヨレヨレ日記――当年73歳、本日も炎天下、朝っぱらから現場に立ちます
- フォレスト出版 (2019年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784866809045
作品紹介・あらすじ
2019年10月25日 日本経済新聞の広告で話題!
「警備員ならどっちのエレベーターが止まっているか教えろってんだよ!
俺たちの金で警備してんだろ !!! 」
通行人にクレーム入れられ、現場監督に怒鳴られ、警察に注意され …… 。
「誰でもなれる」「最底辺の職業」と警備員自身が自嘲する
〝交通誘導員〞の実態を、笑いと涙で描き出す快作
喜びも笑いも涙もすべて路上にあり!
全国 60 万人の警備員の 40 %を占める「交通誘導員」を克明に描いた初めての作品
(警備員の小説はいくつかあります)。
同僚の多くは 70 代、超高齢化社会に進む現代ニッポンの縮図がここに。
感想・レビュー・書評
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内容は面白いのに、なぜかあまり面白いと感じなかった!
淡々としているからか?
暑さ寒さの中、立ちっぱなしで交通誘導なんて、お疲れ様ですよ。現場の同僚に恵まれないことや、ドライバーや歩行者、近隣住民の相手をすることを想像しただけで...大変すぎる。
普段警備員さんに注目していなかったので、明日から気をつけて見てみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
交通誘導員ヨレヨレ日記
この題名を本屋で見かけて電子書籍で購入しました。
自分の全く知らない業界のことへの興味です。
交通誘導員さんを道路で見かけることはありますが、その世界をディープに知ることができました。
仕事の苦悩が中心でしたが作者が出版業界と交通誘導員という珍しい二足わらじであり、本当に赤裸々に想いや心情が記されていたのがおもしろい理由の一つだったと思います。
真夏の炎天下でも、真冬の寒空の下でも交通誘導してくださる皆さんがいるおかげで事故に遭っていない、そのように思えました。
いつもありがとうございます。
このように自分の知らない業界の一面を垣間見ることができる本は面白いですね。 -
とてもリアルな「交通誘導員」の現実が、丁寧にかかれていました。
作家生活が長い著者自身の経験を、リアルに書いた本なので、とても熱量が感じられて良かったです。
ぜひぜひ読んでみてください! -
話題になっていたので、図書館で予約待ちしたのだが…
意外と読み進めるのに時間がかかった。
奥さまとのやりとり、あとがき、はちょっと面白かったかな。
著者本人もあとがきで書いているように、「ちょっといい話」的なものが何もなかったので、ただ「大変そうだなぁ」という印象。 -
よく見かけるこのシリーズの一作目、だと思う。
なんとなく手に取ってみた。
しかし、どうも期待と違っていた。
タイトルや表紙から想像していたものより、愚痴や文句の多い内容にちょっと残念な気持ちになった。
高齢者も多い交通誘導員のあれこれ裏話ではあるのだけど、著者の考え(私とあまり合わない…)が表に出すぎていて、ちょっと疲れてしまった。
なんだろう、この齟齬は、と考えながら読み終える。著者の妻の描かれ方もなんだか失礼に思えるけど。 -
交通誘導員の仕事をしている著者が
実際にあったことを 書いています。
毎日外に出れば必ずと言っていいくらい
工事現場は見かけますよね。
その現場にはかなりの高齢の方も
立っています。
私は トイレがとても近いので
外の仕事はできないと思って
皆さん凄い人達だと 感心して見ています。
読んでみて
これまた私にはできないと思いました。
ひどい現場だと トイレ休憩が1回とか
お昼取れなかったとか。。。。
本来ならば もう少し多い人数が必要なのに
足りない人数での現場とか。
パワハラなど 沢山書かれてあって
改めて 絶対に私はできないと 思いましたし
そういう劣悪な環境+厳しい天候の中で
事故のないように誘導してくださる
誘導員の方に感謝ですね。
そして 今まで 疑問に思っていたんですけど
誘導員さんがいるのに
車が詰まっちゃっているのになんで 誘導してくれないんだろうと思ったら
まず 突っ込んできちゃった人は 誘導員の制止を無視してそういう細い所に入っちゃった可能性があるという事。
それと 知らなかったのですが 誘導員さんは 実際の交通整理の権限がないのですって。。。。
だから 万が一その交通整理をした時に何かあったら 大変だというので 手を出さないという事だそうです。
これからは 今まで以上に
大変なお仕事だなぁと 思って見れますね。
日記形式で ショート区切りでしたので 飽きる事なく楽しく読めました。 -
・内容もけっこうヨレヨレ
・表紙のイラストの人が愚痴にならないように愚痴を言っているような感じもした
払ってもいい金額:200円
貼った付箋の数:2 -
知らない世界を覗くのは楽しい。実際働いている人目線で中のことが書いてある。いろんな決まりがあるんだなぁ。
できる人できない人はどの業界も同じ。 -
70近くになって4社の警備会社で数年間交通誘導をする警備員として働いてきた著者によるエッセイ。様々な工事現場で、クセのある人間たち(親方、作業員、同僚、ドライバー、通行人…)が色んな騒動を巻き起こし、たいていの場合は著者が巻き込まれる、という事態を描いたもの。
この前読んだ『気がつけば警備員になっていた』は、施設警備の人の話で、年齢はおれと一緒だったが、本書は年齢は全然違うし、施設警備と仕事内容はだいぶ違うんじゃないだろうかと思った。施設警備の本も色んな状況判断が求められる大変な仕事、というのは分かったけど、同じ施設で同じ人間と働くという状況があると思う。一方で交通誘導の方は、毎回場所が変わる(ってことは家を出る時間も交通手段も毎回変わるだろうから惰性で出勤することができなくなるし)、何よりも現場にどんな人がいるのか(同僚すらどんな人かよく分からない状況)、どんな交通量のどんな場所で適切な人数が配置されている現場なのかどうかもよく分からない、ということで毎回ドキドキしないといけないというのは、結構精神的に負担だなあと思う。あとは、施設警備の施設によるのだろうけど、少なくとも前の本の著者が働いていた「高層オフィスビル」で働いた場合とかショッピングモールなんかもそうだろうけど、工事現場の作業員の職人気質の人と恒常的に接する割合が全然違うだろうから、やっぱり職人、みたいな人への免疫がある人じゃないと交通誘導員は勤まらないのだろうなあと思う。咄嗟の状況判断とかだいぶん高度だから、やっぱりあれをテキパキこなせる人って体力以外に知力もある人なんじゃないかと思った。
色んな人が出てくるのだけど、だいたい理不尽な人が多い気がするが、そういうものなんだろうなと思う。一応、おれも理不尽に免疫がある?つもりなので、もう怒鳴られたらひたすら頭を下げて謝るという術は身に付けているつもりなのだけど。ただこれはどの世界にもいるはず、というのは「承認欲求の強い人」。「仕事ができて当たり前の人には承認欲求はそれほど強いものはないかもしれない。むしろボーダーライン上にいる人の方が強いかもしれない。それが充たされない警備員は屈折して作業員や同僚の陰口を言ったりする。」(p.121)ということだそうだ。出来る人も結構承認欲求強い人いるけどな??と思うけど、確かに出来ない人程、ここまで認められなかった人程、というのはあるのかもしれない。もう一つ、「できる警備員、できない警備員」の話で、「10人必要なら10人揃えることが会社の力量であり信用なのだ。警備員も適材適所で配置すれば、力量のばらつきはある程度は解消される。そこがこの仕事が高齢者にも向いているところと言えよう。」(p.185)の部分。そもそもできる、できない、と分類するのは…、というのはキレイゴト、ということにして、今の仕事でも、あんまり具体的には言えないけれど、全体でバランスをとって全体としてはマイナスにならないパフォーマンスを出すようにする、というのはあるかもな、と思う。というかみんなが同じ勢いで同じ内容の仕事ができる訳じゃないのだから、同じ職場でも適材適所、で色んな場を作ることが大事、ということがこの警備の仕事の話からも分かった。
警備員の人の苦労が分かって、街中の警備員の人たちを見る目が良い意味で変わりそうではあるけど、この前の施設警備の本もそうだけど、結局この人もギャンブルにはまったり、興した会社の2500万円の税金未払いを放置しているとか、拾ったカバンの中の通帳と印鑑を見て本当に盗んでやろうかと思ったとか、んー、人間臭いしそれが人間の本当の姿だと言われればそうだろうから、おれに免疫がないというかうぶなのだろうけど、やっぱり本に書く話としては…、と思ってしまった。でもたぶん俺も含めてそういうダメなところがあるのが自然なのだし、この「~日記」シリーズは他にもあるみたいだから、こういう本を読むのもいいかなと思った。良い話が少ない、というのもある意味現実的かもしれない。タイトルは自嘲気味だけど、本文はそんな感じがせず、そんなに笑える感じになってない、という点でも現実的。(23/09/18)