経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術

著者 :
  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866802060

作品紹介・あらすじ

「人を見る目」は鍛えられます!人を見抜く力が人生を変える。

100社以上、約5000人のグローバルカンパニーのエグゼクティブの目利きをしてきた超一級ヘッドハンターが、
人物プロファイリングの奥義を初公開!

「誰を選ぶか」で、すべてが決まる。

感想・レビュー・書評

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  • 人事やアドバイザーとして内外から採用に関わる身として、とても参考になる内容が多く記載されていた。

    どの企業と話しても人手不足がついてまわる昨今において、人が採れないが故に「良さそう」という何となくの理由で採用して手痛い失敗をしているケースもそこかしこで発生していそうな気がする。

    特に中途採用では、「これまでの経験・スキル」に何かと目がいきがち(もちろんそれも大事)だが、詰まるところ「その人のポテンシャル」が大事だよなとぼんやり考えていたところだったので、本書を読んで腹落ちした。

    何度も読み返して無意識に実践できるようにしたい。

  • 面接官を何度務めても面接スキルが向上せず、人を見る目に自信がない。それでも面接しなければならない。コンピテンシー面接は取り入れていますが、言語化がうまくできず毎回苦悩しています。
    そのようなときに本書に出会い、非常に助けになりました。人を見ることを諦めない。目の前の人に真摯に向き合う。そして何より、自分自身と向き合い、自分がどういう人間かを知ること。
    「書けないうちは思考ではない」
    これを胸に刻んで尽力していこう。

  • 人を見抜く、人を見たてるテクニックが体系的に学べた。すごい経歴で頭がキレッキレな著者による、読み進めるに連れてどんどん興味が湧いてくるストーリーの上手さ。
    ポテンシャル、(著者が提唱する)ソース・オブ・エナジーを人から感じる能力を、日常で人と接する今からトレーニングしたいと思えた。



  • トップヘッドハンター企業、エゴンゼンダー

    ◯優秀判定は意外と怪しい
    ・偏った特定の評価軸でしかみれていない

    ◯リスク要因を潰すのが本来のマネジメント
    ・ズレた価値観、失言癖、こうしたものがあるから登用を見送る、ということではなく、見越した対策を打つという考え方が大事、でないと候補がいなくなる。

    ◯4つの地下に進む階層で人を捉える
    1. 経験知識スキル: 表面的にわかりやすい、
    2. コンピテンシー: どんなシチュエーションでどんなアクションをとるか
    3. ポテンシャル
    4. ソースオブエナジー

    マネージャークラスを選ぶ上でよく使われるコンピテンシーの三つの行動特性
    1. 成果思考: 目標を超えるのが当たり前、なんとか達成しようとする、難しいと辞めてしまう
    2. 戦略思考: 業界全体、自社全体、自部門の戦略を立てられる
    3. 変革思考:

    相手の意見では無く取った行動ファクトにフォーカスしたエピソードペースインタビューでコンピテンシーを見抜く

    ポテンシャルモデル、見るべきは以下の能力ではなくエネルギー(無意識に沸き起こる熱量)
    1. 優生因子の好奇心: 新しい経験、知識、率直なFBを求めるエネルギーの強さと、学習と変化への開放性。なんでも知りたい吸収×古い知識を瞬時にアップデートできる更新
    2. 洞察力: 新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さ。様々な情報を集めて整理×意味のある情報を繋げ共通項を見出し筋を見出す叡智(地頭力に直結)
    3. 共鳴力: 感情と理論を使って、自分の想いや説得力あるビジョンを伝え、人々と繋がろうとするエネルギーの強さ。結ぶことに強い喜びを感じる×自ら反響して高まっていく(よく笑う)
    4. 胆力: チャレンジを好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力。迷いがありながらも、すっぱり腹決め×自信の一方でまだまだと自分を律する

    四つのポテンシャルを統合して評価すると器の大きさが測れる

    ソースオブエナジー、精神性を構成する、使命感と劣等感


    ◯実践
    ・まずは自分がリラックスすること、アイスブレイクは自分の氷を溶かすこと
    ・お互いにとって良い時間にしようと思う。
    ・エピソードを引き出すことに徹する
    ・相手の言葉を捕まえて論理的に深ぼる時以外は脳をリラックスさせて望むべき。

    ◯落とし穴
    ・志望動機はあって当たり前、問うのはナンセンス、問うのは能力。聞くなら、どういう人生を送りたいかの方がベター
    ・企業カルチャーとは結果的に自然と生まれてくるものであって、変化し続ける。
    ・その中でも絶対的な指標になるのは、評価システム(よしとする姿、給料の払い方)と権限委譲システム(モノの決め方のスタイル)

    ◯evilな人を特定する
    ・罪を犯すわけでもモラルに反してもいない、しかし周りに大きな悪影響を与える無自覚な悪意
    ・直接的な攻撃をするマウント型とナルシスト型
    ・向社会性サイコパスの濃度が起因
    ・突発性EVILのトリガーになるのがプレッシャー

  • ハロー効果(一部の特徴的な印象に引きずられて全体を評価してしまう)
    確証バイアス(無意識のうちに自分の意見や仮説を支持する情報を優先的に探す)

    一階 経験知識スキル
    地下一階 コンピテンシー 
    地下二階 ポテンシャル
    地下三階 ソースオブエナジー

    ●コンピテンシー 好業績者の行動特性
    どんなシチュエーションでどういうアクションを取りがちか
    変革志向、成果志向、戦略志向
    顧客志向、市場洞察、多様性対応、協働、人材育成、チーム運営
    意見でなく事実を聞く(エピソードベース、意見は無意味)
    結果に至った背景と行動を掘り下げる

    ●ポテンシャル 器 伸びしろ
    自身でもコントロール不能なエネルギー
    いくつになっても自分自身を変革でき、根本的な考えを変えられ、力強く成長することができる
    ①好奇心(赤) 吸収、更新
    新しい経験、知識、率直なフィードバックを求めるエネルギーの強さと、学習と変化の解放性
    ②洞察力(青)集める、繋げる
    新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さ
    ③共鳴力(黄色)結ぶ、響く
    感情と論理を使って、自身の想いや説得力のあるビジョンを伝え、人々とつながろうとするエネルギーの強さ
    ④胆力(黒)腹ぎめと律する
    大きなチャレンジのある課題を好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力を持つこと

    ●ソースオブエナジー(エネルギーの源泉)
    使命感(ミッション)
    愛、臨死、守護、憐憫、共同体意識、ルーツ、圧倒的頭脳
    劣等感(コンプレックス)
    貧乏、国籍、外見、異性、父母、兄弟姉妹、学歴、運動音痴、放置、いじめ

    稲森さん
    人生と仕事の結果は、考え方×熱意×能力

    脳がベストな状態で活動するために重要なのはデフォルトモードネットワーク(リラックスした状態の時にもっとも活性化される)→問題解決モードのみで人を見るのは危険
    息を吐く、リラックスしやすい体の姿勢をつくる、目の焦点を広げる

    イービルの典型的なタイプは、マウント型とナルシスト型(自意識過剰で自分の欲求を満たすために周りを巻き込んでゲンナリさせる)

    ●突発性イービル
    目指すべき目標に向かうことに意識が強い→他者を操縦して問題を起こす(マウント)
    より良い人間関係を築くことに意識が強い→他者に依存して問題を起こす(かまってちゃん、放棄)
    あるべき姿を目指すことに意識が強い→自己を防御して問題を起こす(距離を置く、攻撃的になる)

    ワイルドな採用

  • 全体的に著者の熱量が高く、楽しみながら読み進めることができた。
    人を4つの階層で見るところや、EVILな人を見分けるべき、というところは他の書籍でも断片的に感じるところがあり、納得がいく。
    人を選ぶためには、自己分析が前提としてあることやフレームを持っていたほうがいいことは、あらゆる人間関係に活かせそう。

  • 著者のレポートが緻密で驚き。
    本を読んだところで到底身につくものではないと思った。

  • 『感想』
    〇人を選ぶ技術、自分には関係ないなんてとんでもない。新人の採用とか社長を誰にするかとか、そんなレベルだけでなく、自分の身近にいる人の長所を知ることにもつながるし、評価する下地ともなる。まあちょっと上から目線入ってしまうけれど。

    〇仕事で考えたとき、上に立って下を引き上げるのも大事なこと。その時全員を引き上げるわけにはいかないから、ならばできる人を選びたいし、それを客観的事実で周囲に示したい。

    〇自分の感情が簡単に相手に伝播するのは実感するところ。相手の感情を積極的に変えることはできないが、自分の感情の影響から少しでも良い方向に変化させられたらいいな。

    〇選ばれるほうからすると、選ぶ人間の見る目がないと思ったりもしてきた。でもキャリアを重ねて選ぶ立場になってみるとわかることもある。選ぶほうは選ばれるほうよりも遥かに経験・知識・スキルがあり、正解を導き出す可能性は高い。だから選ぶ立場にいるんだから。

    〇これだけ考えている著者でも人を選ぶことに100%成功しないというのだから恐ろしくもある。人の才能を見抜けても会社やポストに対しての見立ての部分でうまくいかないとか難しい。

    〇本を読んでいくと、人の能力の本質的な部分は大人になってからじゃ習得できないと言われているように感じる。かといって、子どものころから先を見据えて計画的に熱量を上げることや使命感・劣等感を自分に向けてエネルギーに変えるとかできないよ。結局はセンスもしくは運なのだろうか。

    『フレーズ』
    ・スタートアップでものを言ったのは、信じたらやりきる力と、周りからどう言われても動じない力だ。(p.58)

    ・まずはある程度の「型」を体に入れておくことが近道となる。(略)人を見るための思考の枠組みとなるフレームワークを持ってはじめて、なりゆき任せではない、意思を込めた試行錯誤が可能となり、習得が進むのである。(略)日々のトレーニングにセンスは要らない。(p.76)

    ・人を見るにあたっては、人間を建築物のように、階層として捉えてみてほしい。イメージは地下深くにつくられた建物だ。地上1階が「経験・知識・スキル」、地下1階が「コンピテンシー」、地下2階が「ポテンシャル」、そしてもっとも最下層の地下3階が「ソース・オブ・エナジー」だ。(略)浅いほう、つまり地上に出ているものほど他人から見えやすく、わかりやすく、そして変わりやすい。一方、地下に潜れば潜るほど見えにくく、わかりにくく、変わりにくい。(p.79)

    ・コンピテンシーとは、その人が”どんなシチュエーションで、どういうアクションを取りがちか”という、固有の行動のパターンだと理解していただきたい。

    ・大きな三つの行動特性(p.86)
     ①成果志向 ②戦略志向 ③変革志向

    ・人類の人選びの歴史(p.96)
    身体的能力評価の時代 → IQ評価の時代 → コンピテンシーとEQの時代 → ポテンシャル・モデルの時代

    ・ポテンシャル因子とそれぞれのサブセット(部分集合)(p.98)
    P「好奇心」 新しい経験、知識、率直なフィードバックを求めるエネルギーの強さと、学習と変化への開放性
    S1「吸収」 とにかく知りたい、なんでも吸収したいという方向の好奇心
    S2「更新」 古い考えをサッと捨てられる好奇心

    P「洞察力」 新しい可能性を示唆する情報を収集し、理解するエネルギーの強さ
    S1「集める」 さまざまな情報を集め、整理し、意味を理解することにワクワクするタイプ
    S2「つなげる」 

    P「共鳴力」 感情と論理を使って、自身の想いや説得力のあるビジョンを伝え、人々とつながろうとするエネルギーの強さ
    S1「結ぶ」 相手とのつながりポイントを無意識に探し、その結びつきボタンをしっかり押さえながら、自らのビジョンやアイデアを伝える。そこから新たな物語が展開されたりすることに、強い喜びを感じたりする。
    S2「響く」 エネルギーの交換を無意識に求め、それがわずかな時間の間に、どんどん高まっていくようなタイプ

    P「胆力」 大きなチャレンジがある課題を好み、困難な目標に向かって戦うことに強いエネルギーを得て、逆境から素早く立ち直る力を持つこと
    S1「腹決め」 迷いがありながらも、それらをすっぱり断ち切って、覚悟を決める
    S2「律する」 自分なら絶対にできると信じている半面、自分はまだまだ。水準を満たしていない。自分自身を律しないといけないと考え、その壁を越えていくチャレンジにエネルギーの高まりを感じる人たち

    ・ここで言う「エネルギー」とは、本人からすると無意識で、時に無自覚に、自然と湧き起こる「熱量」のようなものだという理解がポイントとなる。(p.101)

    ・ソース・オブ・エナジー、言い換えるとそれは、その人の精神性だ。(略)ヒリヒリするような頑張りを生む力。それは、「使命感」であり、また、「劣等感」だと考える。(略)使命感は、ちょっとやそっとのことでは揺るがない強固な精神性を、その人物に授ける働きがある。(略)人の成長という観点において、劣等感も使命感と同じく、その人の人生の発展にプラスに働く、ポジティブなものだと考えている。(p.120)

    ・どんなに知識や経験を重ね、コンピテンシーを磨き、生まれ持ったポテンシャルが高くても、事をなす人となるには、行動の源泉である「使命感」や「劣等感」の強さと、矢印を他人や環境ではなく、自分に向けられるか否かにかかっているのだ。(p.128)

    ・人間の感情は案外たやすく他人に伝播する。(略)こちらから積極的に”和らぐ”こと、そして、よい波動を生むことが、特に初対面時には大事なのである。(p.141)

    ・他人を完璧にジャッジすることなどできない。どんなにつぶさに見抜いたと思っても、読み違いや見逃しはあるし、バイアスを完全になくすことは不可能だ。(p.285)

  • エゴンゼンダーのノウハウが書かれた面白い本。
    人の性格がここまでキレイに分類できるとは思わないが、何事も突き詰めて考えるとここまでキッチリ考えるんだなと感じさせられた一冊。
    プロは類型化や面接レポート記述などの細かい努力を地道に重ねることで、面接スキルを上げているのだなというのが印象に残った。

    うまく「見抜いて見立てた」打率はプロでも良くてせいぜい7割であり完璧ではく、人のリスクや傾向を見抜くのが仕事というのは面白い点。

    日本企業の採用は減点法なので経歴重視であり、経歴よりもより根幹の部分を見ないのが問題という指摘は面白い。そして見抜く力、見立てる力をつけ、ワイルドな採用(未熟だけど自社にフィットする人材をリスクを取って採用する)を推奨しているのがいいなと思った。

    面接スキルの向上にもう少しこだわり、ワイルドな採用ができるようになろうと思わされた

  • たまにはこういう本を斜め読みでもして自分の仕事への取り組みを振り返るのも良い。

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