魔道祖師 1 (ダリアシリーズユニ)

著者 :
  • フロンティアワークス
4.65
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本棚登録 : 1074
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866574127

作品紹介・あらすじ

時を超え待ち続けた、運命の再会。

かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、
すべてを失い非業の死を遂げた。
しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。
それから13年後――別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。
正体を隠し過去と決別しようとするが、
よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、
藍忘機(ラン・ワンジー)と再会してしまう。
自由奔放で快活な魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と、
品行方正で寡黙な藍忘機(ラン・ワンジー)。
前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、
なぜか彼はそばを離れようとせず――。
あの日の旋律が再び二人を巡りあわせる。

感想・レビュー・書評

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  • 『天官賜福』があまりにも面白くて来月発売の2巻まで悶々と待つことに我慢できず、続けて作者・墨香銅臭さんのこの作品を読んでみた。
    墨香銅臭さんの作風が私の好きな感じの“一途さ”でもう夢中なのです。愛しさも憎しみも哀しみもいろんな人の想いが丁寧に描かれ、そこにストーリーの要となる謎や迫力あるアクション、コミカルなシーンなどなど、次々と繰り広げられる展開には先が気になっちゃって気になっちゃって。すっかりファンになってしまった。そんな魅力をちゃんと伝えてくださる訳者さんもすごいんだよね。

    こちらもアニメをやっているので、キャラのビジュアルや人物関係、世界観、仙術や鬼道の形態などなど、ストーリーを彩る部分を映像で知りたくてまず観てみた。『天官賜福』よりはだいぶん骨太の仙侠モノなんだけど、やっぱり面白いわ。とりあえずアニメの感想はまた今度にして、追いかけながら1巻を読んでみた。

    中華BLファンタジーとはいえ『天官賜福』同様、1巻はほのかなブロマンス的な雰囲気くらい。そうそう、華流ドラマ『陳情令』の原作です。私は観ていないのだけど人気がとても高いようなのでご存じの方もおられるかもしれませんね。
    古代中国で仙人となることを目的とする修行者たちの世界は圧倒的なスケールで胸が熱くなるよ。

    ざっとあらすじを。
    この世界では妖魔や邪鬼が人々を脅かしており、それらを修士(仙術を修行する人)が退治していた。修士たちはそれぞれ「仙門百家」に属し、その中でも特に優れた仙門の雲夢江氏(うんむジャンし)、姑蘇藍氏(こそランし)、蘭陵金氏(らんりょうジンし)、清河聶氏(せいかニエし)、岐山温氏(きざんウェンし)が五大世家として世の中を統治している。

    雲夢江氏の宗主・江楓眠の一番弟子・魏無羨(ウェイウーシェン)は聡明で、仙術や武術もずば抜けて優秀だけど自由奔放でいたずら好きな性格のため周囲に迷惑をかけることも多かった。それでも人好きのする彼の周りには笑いが絶えない。
    魏無羨は15歳の頃に3ヶ月だけ姑蘇藍氏へ勉強しに行き、そこで出会った藍氏の公子・藍忘機(ランワンジー)に対しても同じく、ちょっかいばかりかけていた。
    藍忘機は文武両道の美男子。だけど真面目すぎるほどに真面目で無口な彼は孤高の存在で誰もが恐れていた。そんな彼に唯一、気さくに近づいてきたのが魏無羨。性格が真逆なふたりはいつも衝突していた。

    時が経ち、魏無羨は強大で邪悪な鬼道の力を使う“夷陵老祖”として名を広める。
    「悪の道へ堕ちた」と人々に恐れられた彼は「大悪党」として仙門百家により討伐され、戦いの果て息絶えた……との世の中を賑わす噂話から『魔道祖師』のストーリーは始まる。

    それから13年後──
    禁術により別人・莫玄羽の体へ召喚され、思いがけず現世に蘇った魏無羨は、その夜、悪霊による怪事件に出くわし、よりによって藍忘機と再会。魏無羨であることを隠したまま藍忘機とともに悪霊を鎮める。
    そこに莫玄羽の正体は魏無羨ではないかと怪しむ江澄(ジャンチョン)が現れる。邪道を使った魏無羨を憎む江澄から、魏無羨を守ってくれたのはなんと藍忘機で。その後ふたりは怪事件の謎を解くために行動を共にすることになる。

    魏無羨の記憶の中では怒らせてばかりいた藍忘機。だけども再会後の彼は魏無羨のそばを離れようとせず……


    私は魏無羨の最強でまっすぐでおしゃべりなところも好きだけど、藍忘機のほうがもうちょっとだけ好き。魏無羨と再会してからの彼の凛々しさは磨きがかけられ見惚れてしまうのだけど、魏無羨に対しての真面目な素直さがもう可愛すぎて、そのギャップがこそばゆい。つい床をバンバン叩いてしてしまう。
    ペラペラおしゃべりな魏無羨に「うん」とだけ答えるのがね、なんともキュンとするのですよ、私には。「そうだ」とか「ああ」じゃなくて「うん」がね、いいんです、「うん」が。
    お酒に酔ったときなんて、もうダメダメ。「ウサギは好きか?」「好き」だなんて。なんて可愛いのーー。孤高の存在の藍忘機がまん丸いうさぎをギュッとしてるなんてね、ああ倒れそ。

    1巻は謎だらけで先がまったく読めない。
    大きな謎の始まりは莫家に現れた凶悪で残虐な怨霊「左腕」。「左腕」を莫家に放ち、藍忘機と魏無羨にその腕の持ち主を調べさせるように仕向けたのは誰か。反対に調べられたくないものは誰なのか。
    前世の魏無羨が作り上げた悪霊凶霊を従わせることのできる「陰虎符」。彼が死の直前に自ら壊し半欠けとなったそれを、本当にまた作り出すことができたのか。
    “義城”へ魏無羨と藍忘機、そして金凌(ジンリン)や藍思追(ランスージュイ)たち少年たちを導いたのは誰か、そこで出会った人物は……

    そもそも魏無羨を現世に召喚した莫玄羽は、なぜ献舎という禁術を使うことができたのか。
    なぜ、とうの昔に焼き払われ灰になったはずの魏無羨の第一の手下「鬼将軍」が現れたのか。

    私にとって一番気になる謎は藍忘機だね。
    なぜ藍忘機は莫玄羽が魏無羨だとすぐに気づいたのか(これはすごく気になる!)。
    なぜ藍忘機の胸元には魏無羨が過去に焼きつけられたのと同じ烙印があり、背中に30本以上の戒鞭の痕があるのか。あのね戒鞭の痕は一生消えないんだよ。あの優秀な藍忘機がどのような許されない過ちを犯して、そんなに重い罰をうけたのか(烙印はなんとなく分かるけど、でもすごくすごく気になる!!)

    そしてストーリー全体を通して最大の謎は13年前の魏無羨の死を取り巻く真相だよね。
    それにふたりは近づいていく。

    少年時代の魏無羨や藍忘機、そして江楓眠の息子で魏無羨と義兄弟の江澄…、彼らの若く勢いがあった明るい時代を知ってしまうと、なんで魏無羨が悪の道へ墜ちて死ななきゃいけなかったんだろうって気になって仕方ない。でも彼の性格なら、ちょっと分かる気もする。そうしなきゃいけなかったんだろうなって。

    あんなに一緒だったのに背中を向けて別々の道を歩んでいかなきゃいけない。
    ひなたの道から外れて自ら闇のなかへ落ちていかなきゃいけない。
    守りたいもの、守らなきゃいけないもののために切り捨てなきゃいけないものがある。
    信念を貫くこと。これだけは譲れない。それがすべてを失い非業の死を遂げることとなっても。

    伝えたいことが伝わらないまま大切な人を失くしてしまったとき、どれだけ時が経っても忘れることなんてできないよ。
    もしも、もしも、その人と再会できたら。
    今度こそ二度と離れない。
    ちゃんと目と目を合わせて伝えたい……よね。

  • 中国発BL「魔道祖師」が第1位!本屋で今検索されている本ランキング(2021年5月26日~6月1日) | ほんのひきだし
    https://hon-hikidashi.jp/more/131063/

  • いけない、これは…むちゃくちゃに面白すぎる。
    最初名前読み方全く覚えられん…となったので、アニメ数話見て小説よんで、またアニメみて、同人読んで、小説読んで…してたら、登場人物も読み方もすんなり大丈夫でした…ニコ!
    藍忘機、おもしれー男。ダダ漏れすぎなんですよ。感情が…うさ。

  • BL部分がないところも面白い作品。
    霊幻道士見て育ったので、キョンシーでちょっとはしゃいだ。
    主人公が阿呆のふりしなくなってから話が面白くなってきたと感じたな。
    見つけた主人公の手を絶対離さないシーンは13年間でドチャクソ重い執着心が表れててすごくよい。

  • アニメ見ていてよく分からない部分が多かったので原作小説読んでみました。
    小説買ってからBLだと言う事に気付く。1巻はBL感無かったけど…。
    大好きな設定古代中国ファンタジー♡久しぶりに2段組の厚めの本を読みましたがあっという間に読めました。ツボにハマった。面白い。
    訳者さんの力量が凄いと思う。読み易い訳。人名にふりがなしてあるし日本に無い風習とか説明もしてくれているし。
    戦闘シーンや呪術、呪具宝器の説明もわかりやすい。
    あっという間に全巻読破しそう。

  • 義城冒頭まで! 座学時代と現在の流れが自然で、要所要所がカッコいい。藍忘機目線での描写も少しはあったのが期待してなかっただけに嬉しい!

  • 評価の高いBL作品として以前より楽しみにして、アニメ・ドラマ版は敢えて履修せずに翻訳書籍を待っていた。普通に最初から中華ファンタジークライマックスな小説で良い意味で裏切られた。1巻のみ読了だが、とにかく最高の予感しかしない。
    翻訳の妙もあるだろうが、とにかくひとつひとつの描写が好き。グルメなロバを歩かせるために林檎を前に吊るしたら駿馬より速く走ったとか、林檎を一口だけいいよってあげたら手食われるくらいがっついたから自分は反対側を二口だけ食べた、とか。ちょっとした仕草など、ひとつひとつの描写が非常にいい……。
    紙書籍で久々にこんな時間かかるものを読んだ気がする……。

    この巻は、全体的にBLというより中華大乱闘ゾンビ無双って感じでした。主人公は死んで他の人間の身体に喚ばれて生き返っている状態だし、彼は邪法である死人や死体を操る術に秀でているし、敵もそうなので。BL要素は1巻だと「おや……まさか?」という程度とからかいや揶揄の表現としてください出るのみでした。2巻以降はあるらしいけど1巻には濡れ場どころかBL要素はオマケ程度にしかない。
    ガッツリ目の中華ファンタジー読みたいっておもって取り掛かった方がハマるとおもう。キスもセックスも皆無です。ゴリッゴリのエンターテインメント、武侠小説です。これにBL要素というプラスが今後追加されるなら、そりゃあ面白いに決まっている。
    1巻と同時発売した2巻は取り寄せ、3・4巻も予約をしました。続きが待ち遠しいです。

  • かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、すべてを失い非業の死を遂げた。
    それから13年後――別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。
    正体を隠し過去と決別しようとするが、よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、藍忘機(ラン・ワンジー)と再会してしまい――。

    超悪名高い存在だった主人公が殺されて、13年後に召喚されて別人の身体で復活するところから始まる時点でもう面白い。1回逃げたのに、藍忘機と再会してからがまたさらに面白いし。BL覚悟してましたけど、1巻はそこはかとなくって感じでまだ全然抵抗なく読めます。藍忘機は主人公のことすごい好きなんだろうな、というのはすでに伝わってきているけれども(笑)
    また主人公の性格が面白いよなぁと。悪者として殺された割には、悪いことしないでみんなを助けてくれるいいお兄さんというか(笑)
    確かに言動が突飛なところがあるけれども、根は悪い奴じゃないよなぁと思う。なんだかんだ言って、金凌とか藍景儀とか助けてあげてるし。邪道なんだろうけど、その力のおかげでみんなを守ってくれる。
    だからむしろなぜ過去は悪者として殺されてしまったのか、彼に何があったのかが気になる。
    あとすべての始まりの片腕兄さんの正体もすごい気になる。1巻ですでに大分集まってきたけど、これから一波乱ありそうなところで終わってしまった…。
    続きも楽しみ。

  • 中国語の勉強始めるほどにはハマった

  • アニメ見てどハマりして原作を読んだ。ちなみに原作を読むのは3周目(アニメは2周してBlu-ray買った)笑 アニメ、実写、原作と全部見てそれぞれ面白いが省略されている部分も多いためBLが大丈夫な人は絶対に原作を読んでもらいたい。藍湛の一途さたまらない。

    • 満和子(みわこ)さん
      きなさん、こんにちは。コメント失礼します。
      私もアニメからハマって原作とドラマを見ました。何周しても飽きるどころかどんどん好きになるって、す...
      きなさん、こんにちは。コメント失礼します。
      私もアニメからハマって原作とドラマを見ました。何周しても飽きるどころかどんどん好きになるって、すごいですよね。
      らんじゃんの一途さ、思いの深さ、たまりません
      2023/06/11
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