夢をかなえるゾウ4~ガネーシャと死神<文庫版>

著者 :
  • 文響社
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本棚登録 : 1386
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866515991

作品紹介・あらすじ

妻と娘を何よりも愛する平凡な会社員は、突然医者から「余命三か月」を宣告されることになる。狼狽する彼の元に、ガネーシャが降臨! 家族の将来を守るため三か月で大金を手に入れようと、藁にもすがる思いでガネーシャのアドバイスを聞き始めるが――。夢の「かなえ方」だけでなく「手放し方」も学べる、シリーズ第四弾、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 「夢をかなえるゾウ」シリーズは全て読んでいるつもりだったのに、文庫本になったら買おうと思ってすっかり忘れていた第4弾。先に0を読んでしまっていた。ま、ええわ。

    シリーズの中でこれが一番刺さる!と言う人が多いと噂には聞いていた。聞いてはいたけれど・・・。確かに、刺さる。刺さった!だけど、あえて言いたい。シリーズを初めから読み続けてからの第4弾で、しかもそれが、「死」を意識させられるものだったから、刺さるんだと。未読の方にはぜひ「第1弾から」、読んでいただきたい。

    早々に感想から脱線してしまった。
    気を取り直して。

    今回の主人公は妻も子もいる男性で、突然余命三か月と告げられるところから始まる。本書も読み始めは相変わらずのガネしゃん(ガネーシャ)。

    誰もが自分が死ぬことを考えていない、いつか来るとは思っているけれど、それはまだ先の「いつか」だと思っている。それが、突然、自分の死が現実的になり、実際に死を目前にしたらどう生きたいと思うのか。とても難しいテーマだけれど、健康な人もそうでない人も、主人公と一緒に課題をクリアしていくその過程でみえてくる大事なことがたくさんあったと思う。

    個人的には数か月前に友人を亡くし、その友人のことや「死」が頭の片隅から離れないこともあって、しばらくこの本を手に取れないでいた。どうしても、友人を、残された家族を、考えてしまうだろうと思って。やっと手に取って、シンプルに「今が読むタイミングだな」と思った。

    本書もこれまでのシリーズ同様にガネしゃんから課題が出され、釈迦や、今回は死神も加わり、ボケツッコミが満載なドタバタを経て課題をクリアしていく。「いつもの感じだな」と当初の設定をちょくちょく忘れていたところ、後半、様子が一転。ネタバレになるので詳細は書かないけれど。

    常々思っていることだけれど、全ては「バランス」が大事なんだということをガネしゃんも言っているんだと、複数の課題から感じた。
    たとえば、「経験したことのないサービスを受ける」という課題と「節約を楽しむ」という課題なんて、わかりやすく対照的で、どっちもバランスよく経験してみる必要があるということ。
    「周囲の期待と違う行動を取る」「限界を感じたときにもうひと踏ん張りする」もバランスよくやっていかないと、どうなってしまうかはわかりやすい。
    「夢をかなえる」と「夢を手放す」も結局はバランスなんだと思う。
    バランスをとるためには両方を経験して、自分で考えて行動していかないといけない。

    今回の教えで一番心に残ったものは、「かなえてきた夢を思い出す」。というか、この課題というより、「本書の使い方~最後の課題~」からの数ページはすごく深かった。
    ・「夢を手放す」という「夢」、これもまた人間の「夢」なんだということ
    ・多くの人が夢を追いかけたり、夢が叶わないと嘆いたりするけれど、実はこれまで多くの夢を叶えてきているんだということ
    ・人間はそれまで持っていた何かや、これから期待している未来図などを「奪われる」ことで不幸だと感じるということ
    ・「死」が恐れられているということ

    「うわ~、深い~!」と思いつつ、きちんとメモを取っていないので、かなり自分なりにかみ砕いてしまったけれど、きちんとした文章にはまとめられないほど、色々な教えや示唆がギュッと詰まっていた。

    読んでよかったと心から思える本だった。最後の課題は、もうこの「夢をかなえるゾウ」シリーズの集大成やろ、と思えるほどだったけど、よく考えたら、このあと「0」も出版されてるんだ・・・。

    これだけの教えというか、大事な気づきをシリーズで刊行し、物語としても完成していて、それでいて決して笑いを忘れない。すごいことだと思う。
    本当にどんだけ笑いだとかボケだとかに貪欲なんだ。(←そっち?)

    なかなか時間がないもののシリーズ第1弾からまた再読したくなった。

  •  余命3か月を宣告されたサラリーマンが神様のガネーシャから夢をかなえるための課題を与えられ、次々とその課題を乗り越えていくのだが…。

     今回のテーマは、「夢」とサブタイトルに「死神」が入っているように「生と死」でした。

     それだけに重いテーマになりそうですが、そこはガネーシャ様の神通力でポップでライトな物語が展開しながらも、しっかりと「生と死」を見つめ直すことができました。

     まさに、笑いあり涙ありの読み応え十分な作品でした。

     また、今自分が取り組んでいることとつながる部分が多く、自己啓発の面からも多くの示唆をもらいました。

     特に、自分がこれまでに叶えてきた夢を振り返ることは、とても新鮮な視点のように感じました。

     それを踏まえて自分が本当にやりたいことを実行していこうと思いました。

  • 「運転者」の喜多川泰さんのシリーズや「嫌われる勇気」のように、登場人物の会話を読みながら、大事なことに気づける構成の本です。

    人の「死」という、触れたくないけど必ず訪れる事を目の前にした時に、人はどういう心理状態になるのか?今の健康な自分では曖昧な想像しかできず、リアルでは議論することもあまりないことについて、著者なりの考えを知ることができ、参考になりました。

    夢をかなえることだけでなく、時には夢を手放す方法も知っておくことの大事さに気づくことができました。

  • 今回は"死"がテーマ。
    「人間は必ず死ぬ存在だ」という現実に向き合うことが出来ました。

    自分に置き換えてみたら、読むのが怖くなったけど、相変わらずガネーシャ達神様が自由で騒がしくて笑。
    スベりまくるお笑いに救われました。

    課題のひとつ、「死ぬ前にやりたいことリスト」を考えてみたのだけど、私は殆ど思い付かず。後半からの夢を手放す課題の方が今の自分にはしっくり来ました。
    中でも、「叶えた夢を思い出す」は、周りから見たら小さな事だけど、叶えた夢がある事に気付いて幸せな気持ちになったし自己肯定感に繋がりました。
    更に死神の言葉がすごくリアルで真っ当で、忘れないように時々読み返したいです。

    後悔しない生き方を学んだけど、やっぱり死ぬのは怖いし、大切な人が亡くなるのも嫌だ。多分私も逃れようと抵抗してしまいそうです…。

    でも、頭の片隅に死を意識することで、生き方のヒントになると思いました。
    苦手な人との付き合い方や嫌な事への向き合い方に対して、ただひたすら我慢し続けず、変えてみようと努力するきっかけに出来るのでは、と思います。
    そして、健康には気を付けたい。自分も家族のカラダも大切にしようと思いました。

  • 2と3をとばして、4を読んでみた。
    今の私に1番向いているメッセージを感じた。
    変わらず、この本を読んでいると登場人物達と一緒にいるようで孤独感がなかった。
    とても、良かった。

  • シリーズ4作目、ここ数日の激重ミステリと違ってライトな読み味
    今作は死がテーマで、自分が同じ立場ならどうだ?
    などと想像しながら読み終えました。
    4作目まで読んだ中では、やっぱ3作目が一番好きだなぁ…

  • 「夢をかなえるゾウ」シリーズは今までも読んだ事があり、今回のテーマが「死」ということで、興味があり購入しました。
    作中に出てくる「人間が死に際に後悔する十のこと」は、今自分が死に直面したとしたら後悔するであろう事だったので、早く知る事ができてよかったです。後悔をできるだけ少なくできるように、今から一つ一つ取り組んでいきたいです。
    「死ぬまでにやりたいことリスト」も今直ぐ作ろうと思います。自分が何をしたいのかを文字に起こす事で、新しく自分を再認識できるし、リストを作る事で、達成しようと行動に移す事もできるようになるからです。
    まだ読んでないシリーズもあるので、読みたいと思います。

  • 夢をかなえるゾウの第4弾。死と向き合うことを通して夢のかなえ方と手放し方について考えることがテーマの今作品。
    余命3ヶ月を宣告された主人公が、残された時間を家族のために過ごそうと決意することから物語が始まります。

    今回の主人公とその家族はお互いを思い合う素敵な家族だったので、近くで見守る感覚で読み進めました。相変わらず自分大好き、承認欲求の塊のガネーシャは健在でしたが、死という重いテーマだけに、死神に噛みついたり、閻魔大王に直談判したりと、ガネーシャの必死な姿も印象的でした。(ブログのアクセス数を自分で増やしてるところが、個人的にツボです。)

    夢を持つことは素晴らしい、という言葉に偽りはないけど、夢は幸せになるための一つの手段であり、夢を叶えなければ幸せになれないというわけではない。手にすることができない未来(=夢)に縛られ、囚われることで「今」を苦しんでいるのであれば、立ち止まって夢を手放し、現実を受け入れることも時には必要。
    そのための課題で、心に残ったのは、叶えてきた夢を思い出し自分の幸せに気づくこと。できなかったことではなく、できたことに目を向けるだけで、見える世界は変わっていくものだと感じました。もう一つは、自分と世界のつながりを意識すること。自分と他者の境界線があいまいになり、こだわりや苦しみから解放されていく…。概念的ですべてを理解するのは難しいですが。

    シリーズの中で今作が一番心に響きました。また時間を置いて読みたい作品です。まずは、死ぬまでにやりたいことリストを作ろうかな。

  • 裏切らないガネーシャ様!
    相変わらずおもしろい神様と人間のアレコレ
    心にしみた言葉もあった
    ただ題材が命なので今までの作品で1番重さがあった。。

  • 人生は有限。自分が日常を生きている中でとても当たり前で、でも忘れがちなこと。忘れたいけど忘れたらダメなこと。自分がいつ死ぬかなんて分かり得ないことを受け入れ、そして進む。最高の人生最後を迎えるために何ができるのか。夢の叶え方、夢の手放し方。なんとなくやらなくちゃいけないと分かっていたけど目を逸らしていたことを正面から突きつけられた。自分が死ぬまで絶対に忘れたくないことがたくさん詰まっていた本。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。著書に『夢をかなえるゾウ』シリーズほか、『雨の日も、晴れ男』『顔ニモマケズ』『運命の恋をかなえるスタンダール』『四つ話のクローバー』、共著に『人生はニャンとかなる!』『最近、地球が暑くてクマってます。』『サラリーマン大喜利』『ウケる技術』など。また、画・鉄拳の絵本に『それでも僕は夢を見る』『あなたの物語』『もしも悩みがなかったら』、恋愛体育教師・水野愛也として『LOVE理論』『スパルタ婚活塾』、映像作品ではDVD『温厚な上司の怒らせ方』の企画・脚本、映画『イン・ザ・ヒーロー』の脚本を手掛けるなど活動は多岐にわたる。

「2023年 『夢をかなえるゾウ4(文庫版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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