夢を売る百貨店 本日も完売御礼でございます

  • 文響社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866515458

作品紹介・あらすじ

ここは、眠っているときにしか訪れることができない<ドルグート夢百貨店>。
どこかに存在するこの不思議な街の住人・ペニーは、そんな憧れの百貨店に就職したばかり。
店主ドルグート、個性豊かなマネージャーたち、作品を生み出す夢師、不思議な生き物ノクチルカや妖精たちに囲まれながら、さまざまな夢を買いにくる客たちと出会う。
気になるあの⼈の夢、家族の帰りを待ちわびる⽼⽝がみる夢、繰り返す悪夢、夢追い人がみる夢、いまは亡き⼈との再会——

「<夢>はこんなにもリアルなのに、自分の無意識が作り出した幻に過ぎないなんてホントなんだろうか」。
著者のそんなふとした疑問から生まれた、やさしい連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 夢をテーマにした作品はいくつか浮かぶけど、まさか夢を売る側・作る側のストーリーは初めてかも。
    設定もキャラクターも和気藹々として面白かった!一緒に働いたらため息が出るかもと思うキャラはいても、悪意で相手を貶めるようなキャラが登場しないのがまた良い。
    愛すべき人物がとても多いのも魅力的!

    「五 . 夢師の定期総会」と「六 . 今月のベストセラー賞」の項目が特に好き。作り手の" 五人の伝説の夢師 "の関係性や性格が垣間見える気がした。

    所々に勇気づけられる言葉が散りばめられている、気がする!肩にそっと手を置いて、大丈夫だよって言ってくれているような。

    軍隊にいた時のことに恐れを感じていた男は、「悪夢」の夢を買ってその日に夢に見る。何度も見続けて、こんな夢に動揺する必要などない。と吹っ切れて言い切るのももはや才能なのでは。
    気の持ちよう、転換の発想、とても素敵!
    文章の中の、『〜〜そして、兵役についていた二年間はもう自分を苦しめるものではなく、輝かしい思い出の一部なのだと気づくのにそう時間はかからなかった』も良い!!それから彼は二度と軍隊に戻る夢を見ることはなかったんだって!

  • 読後感を訳者の方が訳者あとがきですべて書いてくださっていました。
    「本書を読んだ後は、まるで自分自身もこの物語の一部に思えてくるから不思議だ。」
    「読者の皆さんも、本書を読んだ後で、夢を見て目覚めた日には、その夢がどんな夢であれ、きっとわたしと同じことを思うだろう。自分はドルグート夢百貨店で夢を買ったに違いないと。」
    全体的にわりと賑やかに話は進むが、第9章の「匿名で贈られる夢」でこの作品に完全に心をもっていかれる。
    今朝自分が見た夢からも、夢値がドルグートに届けられたのかな、と読後も世界に浸れます。

  • まだ読み始めではありますが楽しい雰囲気がプンプンと。
    現実に疲れた時やファンタジーの世界が好きな人には楽しい世界が広がっている。。

    寝る前に読み、寝る直前にどんな夢を買おうかなと想像しながら寝るようになった(笑)
    夢見が良くなっているのか夢をほとんど覚えてないタイプだけど、寝起きに疲れてると思うことがなくなり思わぬメリットが!
    今度は頑張って韓国語版を読み進めていこうと思います。

  • 不思議な世界観で、初めのうちはどんな仕組みで成り立っている世界なのか、何を言っているのか理解できなかった。
    しかし、読み進めていくうちに自然と、物語の世界を理解していった。
    読みやすく、独特な世界観で面白かった。

  • 色んな感情や思いが生まれる素敵な作品!!
    初めて洋書を小説を読み終えた作品でもあります。
    寝る前に読むと、昨日の夢はドルグート百貨店で自分が選んだものなのか?とか物語に入り込みながらあっという間に読み終わりました。

  • ドルグート夢百貨店、絶対常連だわ!私は「恐れに打ち勝つための夢」返品せずにいられるだろうか。毎日夢値を何で払ってるかな~と思って楽しくなった。

  • Dreamが「睡眠時に見るもの」と「将来の夢というように、理想や願いを反映するもの」2つの意味を指すように、両方の意味で捉えられる話だった。始めはただの睡眠時に見る夢の話か、と思ったが、読み進めていくうちに睡眠時の夢が現実の自分にも良い影響を与えてるかもしれないと思えた。
    悪夢にも意味があり、自分が睡眠時に見る夢もこの「夢を売る百貨店」で買ってみている物なのかも?と少し面白く捉えられるようになった。
    夢は起きた時に忘れるから良いという儚さと、無意識に作用している重要さを感じられる読みやすく面白い作品だった。

  • 題名と表紙で手に取ったけど、内容も最高だった。暖かく、明るく、優しく、まるで真綿に包まれる夢のような話だった。洋書を読めるようになってよかった。

  • フィクションでありながらも、どこか現実味を感じる作品であった。

    ある1人の女性が、夢に興味を持ち、夢を売る百貨店の大企業「ドルグート夢百貨店」に入社する。そこで多種多様なお客様と接しながらも夢を作る「夢師」について興味を持つと、ドルグートの紹介で有名な夢師と出会うこととなる。夢師にはそれぞれ特徴があり、作品(夢)に反映されることを知る。そして、その夢がどんな夢で誰が必要とするかをドルグートと共に考えたり、享受してもらったりする。そして、読者にも夢について、興味深い発見を与えてくれる。

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著者プロフィール

韓国釜山生まれ。釜山大学で材料工学を専攻し、半導体エンジニアとしての経歴を持つ。クラウドファンディングプロジェクト『お探しの夢は売り切れです(現・
夢を売る百貨店)』にてデビュー作を発表し、支援者からの熱烈な支持を受けてファンディングを成功裏に収めた。
夢にみたことをよく覚えている方。好きなことは 8 時間ぐっすり寝てから働くこと。嫌いなことは寝る時間も取れずに徹夜で働くこと。

「2022年 『夢を売る百貨店』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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