もしも一年後、この世にいないとしたら。

著者 :
  • 文響社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866511467

作品紹介・あらすじ

国立がん研究センターで、がん患者さん3500人以上の方の話を聞いてきた精神科医が
今、生きづらさを感じているすべての人に伝えたいこと。

人生の締切を意識すると、明日が変わる。

「もしも1年後、この世にいないとしたら――」
そう想像したとき、今やろうとしていることを変わらずに続けますか。
それとももっと別のやりたいことをやりますか。

感想・レビュー・書評

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  • がん専門の精神科医による本だけど、がんという病気の枠を超えて、「どう生きるか」をテーマに書かれた本だった。
    健康な時は、「普通」のありがたさにはなかなか気付かないし、自分の気持ちのままに過ごすことも難しい。
    でも、余命宣告を受けていなくとも、誰しも死に向かって一日ずつカウントダウンは始まっているんだよなぁ。
    本のタイトル「もしも一年後、この世にいないとしたら。」を自分に問いかけてみようと思った。

    • ねこさん
      コルベットさん
      おはようございます♪
      最近、「無常」を感じるような出来事が立て続けにあり、色々考えさせられているところです。
      こういう時は、...
      コルベットさん
      おはようございます♪
      最近、「無常」を感じるような出来事が立て続けにあり、色々考えさせられているところです。
      こういう時は、日々を大切に!と強く思うのですが、すぐに日常に流されてしまう自分がいます(笑)
      無駄遣いもある意味、贅沢で大切ですよね!
      と自分に言い聞かせています(^_^)v
      2024/03/23
    • コルベットさん
      ねこさん、おはようございます♪私も三秒くらいで日常に流されます(涙 無駄遣いも大切・・・って、たしかにそうですね。これからもよろしくお願いし...
      ねこさん、おはようございます♪私も三秒くらいで日常に流されます(涙 無駄遣いも大切・・・って、たしかにそうですね。これからもよろしくお願いします_(._.)_
      2024/03/23
    • ねこさん
      コルベットさん
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします(*^_^*)
      コルベットさん
      こちらこそ、これからもよろしくお願いします(*^_^*)
      2024/03/23
  • この本は先日、テレビ番組「スイッチインタビュー 」を見て気になり読んでみた。

    国立がん研究センターの精神腫瘍科医である清水さんが、がんを告知された患者さんとの対話の中から
    学んだこと、感じたこと、死というものとどう向き合っていくべきか、というようなことを綴っている。

    この中で強く印象に残ったのは、
    自分の中に居座る”must” —しなければいけない—を
    少しずつ、”want” —したい—に変えていくことの大切さ。

    人生の終着点(余命)がまだ見えていない人も
    このことを考えてみると少し気持ちが楽に、前向きになれる気がする。

  • がん告知を受けると、それまで当たり前であった「健康で平和な毎日」が続くと思っていた世界が突如変貌する。
    人はどのように、喪失と向き合い、様変わりした現実をどう過ごしたら、そこに意味を見出せるのかを考えることができるようになるのか。

    がん患者に寄り添う精神科医が、がん患者に寄り添い続けて学んだ「今を大切に生きる」ことについて述べられた本。

    ・がん告知後1年以内の自殺率は一般人口の24倍。

    ・今日を大切に過ごすということは、今自分にとって心地よいことをするということ。

    ・Wantの自分が本当の自分と思って大切にしたほうが良い。Mustの自分に反抗しよう。「こうあるべき」で生きると、なんのために生きているのかわからなくなる。

    ・「悲しみ」という感情が苦しみを癒す。

    ・心的外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG)
    苦難を経験することで、病気になる前とは異なる新たなる世界観を見つけていくこと。あるがままに病気と向き合うプロセスの中で自然に生じる次の5つの精神的変化。
    ①人生に対する感謝
    健康はいつか必ず失われるもの メメント・モリ
    今日1日を生きられることの感謝
    ②新たな視点(可能性)
    絶対にやりたいことの準備
    ③他者との関係の変化
    自分はたくさんの人に支えられて今を生きている
    ④人間としての強さ
    案外、思っていたより自分は強い
    ⑤精神性的変容
    人間の力を遥かに超える存在や力に気づく

    ・死を意識しない世界はどこかで破綻する。

    ・科学は「人間は死んだらどうなるのか」と言う問いに対しては納得のいく説明をすることができない。説明ができないことについては「考えることを避ける」と言う方法を多くの人が取るようになった。

    ・人が「死」を恐れるのはなぜか。
    ①死に至るまでの過程に対する恐怖
    ②自分がいなくなることによって生じる現実的な問題
    ③自分が消滅するという恐怖

    人生とは1回限りの旅である。そして、今日一日をこのように過ごせることは当たり前ではない。だからこそ、自分に真に心地いいことをして生きよう。

  • 帯に引かれて購入。

    「普通の日の連続が幸せ」
    「こうあるべきよりこうしたいの自分を大切にする」
    「本当は皆、いつ何が起きるかわからない世界を生きている」

    本当にそう思う。
    でも実際はそれを叶えたり、守るのは難しい。

    精神腫瘍医とがん患者との出会いを書かれています。
    その中の1人のがん患者さんは「心が窒息したままで人生が終わることには耐えられない」と話され病気がきっかけになり変わっていかれます。

    色々と考えさせられる本です。

  • 母をおくり、父を送り、愛犬を送ったので、次は自分の番だと思って、日々を元気良く生きています。

    それで良いって、太鼓判を押された気持ちになりました‼️

  • 生涯においてがんになる確率は
    男性では62%、女性では47%

    自分ががんになる確率は高いし
    周りの人ががんになるのは決して他人事ではない

    3人に1人は
    15〜64歳で発症する

    5年生存率は62.1%


    苦難を経験することで、以前とは異なる、新たな世界観を見つける。

    心理学の領域では、このことを心的外傷後成長(Posttraumatic Growth: PTG)と言う。


    「今与えられている健康は永遠に続くものではない」

    そう思えるようになって
    毎日を大切にできるようになった。



    もし10年先がないとしたら
    何のために今を生きますか?

    「健康はいつ失われるかわからないもの」であるし、
    「いつかは必ず失われるもの」



    適当に就職して、誰かと結婚してぬくぬくと生活していけたらOKなんて思っていた時もあったけど

    実際ぬくぬく生活してみたら
    そんなんじゃ、何も得られないし満足できない自分に気づいた。



    せっかくの人生、やりたい事を探し続ける人生でありたい。


    自分の人生何も良い事がなかったで
    終わらせてたまるか!

  • 看護師をしていた頃に出会った患者さんの顔が浮かんだ。
    家族にも甘えずに辛い最期を迎える患者さんも居て、ずっとどうしてか分からなかったけど、本を読んで分かった気がした。強い自分であるべき、家族には弱みを見せたくないと思っていたのかな、と。そしてわたしはその人の気持ちを全然分かっていなかった。もっと心に寄り添えたら良かったなぁ。

    自分のことを振り返る機会にもなった。限りある時間を、自分のしたいこと大切なことに使っていきたいと思う。



  • 生きることの意味を考えるきっかけをくれる、素敵な1冊でした。
    今を生きている人の多くの心の中に、mustを訴える自分がいて、それに振り回されてwant-本当にやりたいことを見失ってしまっている。もちろん私も含めて。
    がんになったことで人生の期限に対面し、これまでの自分を振り返り本当に成し遂げたいことと向き合う過程が描かれています。

    今、少しでも生きにくさを感じている人へ。こうするべきだと考える自分に支配されてしまう人へ。
    これまでの自分を振り返り肯定しながら、生きやすい自分になるためのヒントが詰まっている1冊だと思います。

  • もしも一年後、この世にいないとしたら。。清水研先生の著書。精神科医・医学博士である清水研先生。死を意識して日々暮らせば、自分勝手で自己中心的な自分を捨てられるかもしれないし、自分勝手で自己中心的な他人に対しても優しくなれるかもしれない。傲慢な気持ちは捨てて、謙虚に生きるきっかけがもらえる一冊。

  • 別に病気になったわけでもないのだけれども、折り返しは過ぎたし、やりたいことを手加減せずにやれるのは無事に行ってもあと20年だろう(お花見、紅葉狩り、お正月があと20回)、ということで。著者の清水さんが仕事柄なんだろうけれどとても優しい/易しい話し方をしてくれるので、すいっと読んでしまった。友だちとのご飯会に清水さんが来ていて、ひとしきりお話してもらったみたいな感じ。

    人生が、自分の思い描いていたとおりに進まない・途中で終わってしまうのはがんが原因でなくても起きることなので、突然の方針転換を迫られて混乱している人は、怒りのフェーズが過ぎたら役に立つことが書いてあると思う。悲しみが苦しみを癒すって本当にそのとおりだ。

    余談:清水さんが「自分の人生だから自分のしたいことをしよう!」と決意してまず最初にやったことが、気の進まない集まりに行かずにターシャ・テューダーの映画を見に行くことだったの、お疲れだったんですねというのと、でも好きなものわかってたんですねっていうので、ほろりとしてしまった。自己開示のネタとしては最高なのでは。

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著者プロフィール

がん研究会有明病院・腫瘍精神科部長。精神科医・医学博士。1971年生まれ。金沢大学卒業。2003年、国立がんセンター東病院精神腫瘍科レジデント以降、一貫してがん患者およびその家族の診療を担当している。国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科長を経て、現職。

「2022年 『がん患者のこころをささえる言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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