優雅な読書が最高の復讐である 山崎まどか書評エッセイ集

著者 :
  • DU BOOKS
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本棚登録 : 449
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866470665

作品紹介・あらすじ

贅沢な時間をすごすための150冊+α。

海外文学における少女探偵、新乙女クラシック、昭和のロマンティックコメディの再発見、
ミランダ・ジュライと比肩する本谷有希子の女たちの「リアル」…など。

著者待望の14年ぶりの、愛おしい本にまつわるエッセイ・ブックガイド。
伝説のRomantic au go! go!や、積読日記、気まぐれな本棚ほか、読書日記も収録。

感想・レビュー・書評

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  • トムキンズの『優雅な生活が最高の復讐である』をもじっており、コラムニストの著者が過去に読んできた本のレビュー本となっている。(本書を先に知ったので、本家本元は日を改めて読んでみようと思います汗)

    ブクログも含め、レビューを読むのが好き。
    関心のなかったジャンルの作品でも、レビューを読むことで「これなら読みたい!」とワクワクしてくる。本書も例外ではなく、読みたい作品が出てくるたびにリストに書き込んでいた。(その数計21点!読むものには当分困らんだろう笑)
    知っていたのが『夜は短し歩けよ乙女』くらいしかなく、心細い思いをしていたのが今では嘘のよう!

    その秘密は、紹介しすぎないところにある。
    軽いあらすじ紹介と面白いと思ったポイントの分析を一通り終えてから、同じ手順で関連本に踏み込んでいく。似た毛色の作品を挟むことで、退屈することなくレビューを楽しめるのだ。
    読んだ人にしか分からないネタを披露されたり、そのせいでアウェー感に陥ることも一切ない。「これが読みやすいレビューの一例か!」と、大変参考になった。

    紹介といえば、彼女が訪問した世界の本屋さんルポ「ザ・ワールド・イズ・マイ・ブックストア」や翻訳家 岸本佐知子氏との対談も夢中になって読んだ。
    国内外旅行において現地の本屋さんを訪れるのはかねてからの夢だったから、このルポは大いに興奮した笑(本だけでなく店のトートバッグを買い求めるところとか、まさに理想の買い物…!)
    対談の方は各々が読んだ作品をシェアしていく構成。女子会めいていて、カフェのテーブルに本を並べながら会話に花を咲かせる図が思い浮かんだ。
    一旦スイッチが入ると、周囲(ここでは読者)を気にせずとことんプレゼンしちゃうんだよなー笑

    他に特徴を挙げるとすれば、非日常感だろうか。
    特に途中の読書日記では、著者の優雅な読書体験が顕著に現れている。マンハッタンのエースホテルでチェックインを待つ間や、紅茶にウィスキーを落としながらクラシックをBGMにして本を開く…。
    どちらかと言うと自分も余裕がある時に読書することが多いから、何者にも邪魔されないという点ではめちゃくちゃ共感できるし、彼女の優雅タイムも追体験してみたい!笑

    最後に、タイトルの「復讐」とは何か。
    著者の場合、昨今の情報過多社会においてふと自分のペースで本を読んでみると、世間の流れから外れて解放された気分になるという。そのちょっとした反骨心が彼女の「復讐」である。
    一方、自分の読書には失敗談が多い。
    内容が期待外れで断念したり、読了しても自分の中に浸透していなかったり。しかしそれらを凌ぐような良作に出会えた時には「良い読書をした」という多幸感に満ち、出会えたことへの優越感にも浸る。
    それが自分にとっての「復讐」で、今まさにその状態にある。



    Best User Awardとても嬉しいです!!改めて、いつもいいねやコメント有難うございます。
    本書の山崎まどか氏を見習い、自分の感想を最高のかたちで言語化できるようこれからも日々これ精進で励んでいきます。
    今後ともどうぞ宜しくお願いします(o^^o)

    • まことさん
      ahddamsさん。こんばんは♪

      ブックガイドとか、書評が大好きなので、本棚登録はさせていただきましたが、絶版のようですね。
      残念です。
      ...
      ahddamsさん。こんばんは♪

      ブックガイドとか、書評が大好きなので、本棚登録はさせていただきましたが、絶版のようですね。
      残念です。
      古書か、図書館で見つかったら嬉しいのつ
      2023/01/26
    • まことさん
      ahddamsさん♪

      手元が狂って途中で、コメントが切れました。
      図書館で見つかったら嬉しいのですが、と打とうとしました。
      m(_ _)m
      ahddamsさん♪

      手元が狂って途中で、コメントが切れました。
      図書館で見つかったら嬉しいのですが、と打とうとしました。
      m(_ _)m
      2023/01/26
    • ahddamsさん
      まことさん♪こんばんは。
      コメント・本棚登録有難うございます^ ^

      2018年刊なのに、絶版なのですね…!楽天をよく利用するのですが、そち...
      まことさん♪こんばんは。
      コメント・本棚登録有難うございます^ ^

      2018年刊なのに、絶版なのですね…!楽天をよく利用するのですが、そちらではまだ購入可能っぽいです汗 今回は図書館で借りてきましたが、もしかすると取り寄せてくれるやもしれません…
      書評は著者の好み(ミステリーやロマンス)が中心でしたが普段読まないジャンルな分、尚更惹かれました!1つのコラムで何冊も関連本を紹介してくれるのも嬉しいです。
      一日でも早く入手できると良いですね!
      2023/01/26
  • やばい、またまた読みたい本がてんこ盛りだ。
    ぎゅっと詰まった文章もサラサラ読めちゃう不思議感。

    洋画も好きなんで原作本とか読みたいし、
    でもって海外文学ももっと知りたいとなったら、この本を読みながらメモ書きがいっぱいになった。

    出会えて良かった1冊。山崎さんの本もっと読みたい!

  • 2004年以降の、エッセイや書評、ブログ記事などを集めたもの。ブログ記事とかは読んだことあるものもいくつかあったんだけど、ティナ・フェイの話は何度読んでもすごく好きだ。
    海外作家とかまったく知らない作家や本も多くて付箋貼りながら検索しながら読んで、いろいろとても勉強になった気がする。山崎まどかさんて青山南さんみたいだなあと。独自の調査というかさがし方というか興味の追い方で、メジャーとか流行りでもないんだけどいいものを掘り出して教えてくれる。ただ、わたしが教養がなさすぎるというか頭悪すぎてついていけないなーって思うのも似てる(笑)。
    翻訳されてないもので読みたいと思うものもたくさんあって、でもたぶん英語で読むのは難しそうで、翻訳が出ればいいのにと何度も思ったり。
    今わたしが十代だったら将来こういうふうになれたらいいなと山崎さんに憧れたかもしれない。日記部分を読むとまさに優雅すぎて、ときどきいろいろ、ハイクラスすぎる、わたしとはそもそも階級が違う!、と思わされたりもするんだけど。

  • 興味を持った本は本棚に登録した。徐々に読んで行こうと思う。こうやって読みたい本が増えるのは贅沢な気分。「タイムアウト・ニューヨークのブック・コーナー」で書店におすすめ本をヒアリングする企画の紹介(65頁)。こういうお題にパッと適切な回答を出せるくらい、読書したい。

  • 14年振りなの?

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    贅沢な時間をすごすための150冊+α。

    海外文学における少女探偵、新乙女クラシック、昭和のロマンティックコメディの再発見、
    ミランダ・ジュライと比肩する本谷有希子の女たちの「リアル」…など。

    著者待望の14年ぶりの、愛おしい本にまつわるエッセイ・ブックガイド。
    伝説のRomantic au go! go!や、積読日記、気まぐれな本棚ほか、読書日記も収録。
    http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK207

  • ビーチリーディング!好きなことをやってみる20代!生活の余剰、優雅な読書!

  • この本を読まなかったら自発的に手に取らなかったであろうジャンルの作品がたくさん紹介されていて参考になった。もっと海外文学を読んでみたいな。著者の読書感想文も読み応えがあります。

  • あとがきに書かれていた、編集者の言葉に納得。「山崎さんの書いていることって、何の役にも立たないじゃないですか。実生活の足しにはならない〜」この編集者さんすごいな。なるほどなるほど。嗜好品。
    乙女趣味やオリーブにも当てはまるのだな。

  • この中で紹介されている数々の本を読みたくなる。知らない海外文学だらけだけど『バーナクル家の分類学』は読んでみたい。一誰も死なない 『ヴァージン・スーサイズ』というかガーリーな『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』ーだな
    んて面白いに決まってる

  • 著者の得意分野っぽい「アメリカのティーンの女の子」に入れ込んでるワケではないけど、洋書のレビューを日本語で書いてくれる数少ない情報ソースとして、大いに参考にさせてもらった。付箋を挟んだ箇所多数。岸本佐知子さんとの対談も収録されていて、お得感。もっとたくさん読むぞー!と、(一時的に)気合いが入った。

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著者プロフィール

コラムニスト・翻訳家。著書に『オリーブ少女ライフ』(河出書房新社)、『女子とニューヨーク』(メディア総合研究所)、『優雅な読書が最高の復讐である』(DU BOOKS)、共著に『ヤング・アダルトU.S.A.』(DU BOOKS)、訳書に『愛を返品した男』(B・J・ノヴァク、早川書房)、『ありがちな女じゃない』(レナ・ダナム、河出書房新社)、『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』(サリー・ルーニー、早川書房)などがある。

「2022年 『真似のできない女たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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