自分を捨てる仕事術-鈴木敏夫が教えた「真似」と「整理整頓」のメソッド-

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  • WAVE出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866210070

作品紹介・あらすじ

「3年間、自分を捨ててオレの真似だけしてろ! どうしても真似できなかったところが君の個性だから」

アニメプロデューサー・石井朋彦。その真摯な仕事の根底にある「自分を捨てる仕事術」とは何か。
「自分のなかには何もない。何かあるとしたら、それは外、つまり他人のなかである」という真実を、強い筆力で伝える1冊。
スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫が若き著者に教えた、会話術、文章術、人身掌握術、トラブル対応ほか、具体的方法論のすべて。

感想・レビュー・書評

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  • 超書 久々にはまりました。
    ノートとペンを離すな、A4に書け
    すぐ議事録を作ってくばれ
    おまえは頭をつかうな
    おまえの自由にアポいれてよいぞ
    ダメな人はそばに置くけど、悪い人は置かない
    などなど、理屈ぬきに共鳴できる箇所が多々ありました

  • 20代30代で現状に不満を持ち、とにかく今の自分を変えてみたいと思う人ならお勧めの本です。
    帯PR曰く・・
    「3年間、自分を捨ててオレの真似だけしてろ!どうしても真似できなかったところが君の個性だから」
    アニメプロデューサー・石井朋彦。その真摯な仕事の根底にある「自分を捨てる仕事術」とは何か。「自分のなかには何もない。何かあるとしたら、それは外、つまり他人のなかである」という真実を、強い筆力で伝える1冊。スタジオジブリの名プロデューサー鈴木敏夫が若き著者に教えた、会話術、文章術、人身掌握術、トラブル対応ほか、具体的方法論のすべて。・・

    何か新しいことを学ぶ(受け入れる)のには、型から入るのが一番です。それは、長年の経験から蓄積されてきたベストな形がその型に凝縮しているからです。
    既に業界で活躍している人であれば、それなりの(成功の)型を持っているはず。そこで自分の仕事の師をみつけたら、とことん自分を捨て、師のやり方を真似てみるのがいいと提言しているのが本書です。
    いわゆる仕事を盗めというやつですが、おそらくここでのポイントは2点ありそうです。
    1つは、ある程度の若さが必要だということ、つまり、40代50代ともなればそれなりの人生哲学や価値観が邪魔して素直に自分を捨てることがむつかしくなるから。
    もう1つは、マネをしても自分にあうあわないが必ずあるということ、自分の流儀に合わないのに無理してストレスをためるのも精神衛生上悪いし、第一、長続きしません。筆者も鈴木敏夫氏とぶつかり合いながらも、納得できたからこそ、ついていけたという単純な事実は重要です。
    あと気になった点もありました。
    本書には若さゆえの意見を全面否定される場面(塩野七生講演会)がありますが、それこそ発言の中身で判断されるべきものでしょう。もちろん、人生経験の浅い若造の言うことなど取るに足りない自己満足の世界である可能性の方が高くても、自分なりに問題にきちんと向き合う姿勢は大事です。(筆者は自分が目立ちたいからという意識しかなかったと反省していますが、それなら相手もそれなりの批判をすればいいわけで全面否定では議論の余地もありません)
    まあ結局、そうした自己流を引きづってしまうことが成長の妨げになることもありえるし、鈴木氏は頭でっかちな筆者にまずくぎを刺しておこうと考えたからなのかもしれません。
    やさしく書かれている本書ですが、自分の置かれている立場や状況によって、様々な気づきを提供してくれる(はず)かなり深い本となっています。

  • 筆者はジブリの名物プロデューサー鈴木さんの下で修業、その後アニメのプロデューサーとなった方。

    鈴木さんの教えを軸にした、ある意味ビジネス本。

    自我をすてて、人の物まねをしてみることが成功への秘訣。
    ただし、それは「単に自分で考える力がなくて、人に迎合する。」というのとは全く逆の考え方であることがミソなのだろう。

    筆者自身が本来自己主張がかなり強く、自分の考えを持とうとするタイプだからこそ、あえて自分を消して、人を観察する、人の物まねをする、ことで、自分のことが客観的に見えて(自分の強み弱みが把握できて)、人の良いところも吸収できる。

    ・自分がどう思うではなく、自分は人にどう思われいているかをきちんと考える(社会性が大事)
    ・話をしたい内容を3つに分ける。
    などなど
    確かになーということも多々。

    また、クリエイティブだからこそなのかな?という普通の会社と違いそうな部分も多々ありました。

    宮崎さんも、高畑さんも、頼まれたからこそやっているだけであって、どちらも監督になんてなりたくなかった。
    というフレーズがあり、ええ、そうなの?と思ってしまいました。
    そんな受動的な感じなのかと思うとびっくりです。
    言葉尻の問題であって、アニメをきちんと作りたいという核があるからこそ、ここまでなれているのでしょうが。

  • 良本。

    ・自分にこだわると、スランプにはまる
    ・劣等感を刺激する人に近づく。自分の中身を一度空っぽにして、その人の中身を入れてみる。
    ・本来の自分をさらけだす方が「得」

    まさに「これからわたしはどうすべきか」と心がザワザワ状態な今、これを突破するための具体的な次の行動が見えた。
    自分のオリジナリティを見つけようとベクトルを自分の中に向けても、そこに答えはない。すでに輝いている人のやり方を真似て自分に取り入れてみる。完コピしようとして、それでも真似できなかった部分が自分らしさ、自分の核になる部分だ。

    あの人を、完コピしよう。

  • スタジオジブリでアニメーション映画のプロデューサーとして仕事を行う著者が、宮崎駿監督や鈴木敏夫氏などとの交流を通して学んだ自分を捨てて真似る仕事術について書いた東大読書で紹介されていた一冊。

    真似をして自分を捨てることによって仕事力を高める方法を鈴木氏や宮崎氏と何度も近い位置で仕事をしてきた著者だからこそ書ける内容が多く、勉強になりました。
    宮崎氏や鈴木氏には人とは違う目線があることを読んでいて何度も感じました。
    それを著者がプロデューサーという仕事も活かしてうまく表現されており勉強になりました
    鈴木敏夫氏とのらエピソードが多く、氏の人柄を知ることができました。
    また、会議の席順やメールの分類法や相手の話をメモすることなど実践的な内容も多くて参考になりました。
    10段階怒りや余白などといった考え方も鈴木氏独特のものですが、取り入れることによって人生の幅が広がるとも感じました。

    そんな本書の中でも話し方についての部分は、場面によって使い分けることの重要性も学ぶことができ印象に残りました。
    あとは、人が見ている自分を意識することの大切さも学ぶことも出来ました。

    本書を読んで自分が他者に必要とされる存在になるのと同時に関わる人の核を見出して個々が能力を最大限に発揮できるような組織を構築できるように自分を捨てることの大切さを感じさせらました。

  • この本を20代のときに読みたかったナ――。
    内容はスタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーが若き日の石井プロデューサーに教えた仕事の奥義の数々。冒頭、自分の意見を捨てろ!から始まる。逆説的に言っているのかと思えばそうでもない。文字通りまず意見を捨てろ!なのだ。とても刺激的な本。(※ 以下、わたしが面白いところを抜粋したり意図的に繋いでます)
    著者石井プロデューサーが22歳の時、51歳の鈴木敏夫プロデューサーに叩き込まれた。鈴木敏夫いわく「若いということのほんとうの意味は、何もないってことなんだ」いわく「宮崎駿という人は、高畑勲という人の下で20年間、真似をし続けた人なんだ。考え方や立ち振る舞い、話し方、字まで真似たんだよ」いわく「これから3年間、おれの真似をしな。自分の意見を捨てて、くもりなき眼で世界を観ること。それを3年間続けて、どうしても真似できないと思ったところが、君の個性ということになるから」etc.
    これまでの自分の全否定から入り、自分を消してゆく作業に見えて、実はそうではない。ひとときの感情や感覚に左右されず、ひたすら目の前の師匠のすべてを徹底して真似ないと、もともと自分に無い能力を自分の中で増やすことなんてできないという話だ。(ううむ、そうかもしれないな、なんとなく思い当たる節もあり納得)
    著者は、いったん自分を空にして他者を取り込んでみる、という仏教でいう「空」や、禅における「無」という状態を指すのかもしれないと書いている。その過程で自分の中に残るものだけを必要なものだと判断し、なじまなかったものはきっぱりと捨てた結果、本来自分が持っている「核」を自覚し、新たな一歩を踏み出せるのだという。(そうなのか!やってみたい気がする、今更だけど)
    【目次】他人の意見だけノートに取る/怒りを10段階にコントロールする/人の特技を言語化する/「悪い人」をそばにおかない/自分のために謝るな/会議は席順が命/自分にこだわるとスランプにはまる/人の力をどんどん借りる/情報を正確に伝えるだけで問題は解決する

  • じんわり静かに心に訴えかけてくる良書。
    こういったタイトルの本は過激な内容で読み疲れるものが多いなか、本書は、あぁなるほど、とすんなり入ってくる内容だった。

    著者は石井さんも師の鈴木さんもかっこいい。

    自分用メモ
    ・議事録も企画書も主観は一切排除、客観
    ・観察、観察、ひたすら観察
    ・利己的に真似る、教わる
    ・型から入る、思考は後からついてくる
    ・相手が言ったことを言う、相手が言ったことにする
    ・急がなくていいことほど早くやれ
    ・自分のために謝るな

  • アニメスタジオの仕事風景はあまり知る機会が無いので、本で読めることはありがたいです。
    しかもプロデューサー。

    仕事内容よりも「仕事への考え方」が主の本ですが、プロデューサーという仕事の鱗片を知れた気がします。

    あの宮崎駿氏が高畑勲氏の筆跡まで真似ていたとは……そこまで自分を捨てれるのか、と 次元の違いに驚きです。

    ですが、他の著者の本でも「若者は自分の意見を捨てた方が良い」という意見を目にしますが、年配の方が若者を洗脳したいが為、の言動にも思えてしまいますね…。

  • 【きょうの一冊】

    『自分を捨てる仕事術』
     石井朋彦/WAVE出版

    「若いときにしかできない仕事というものがある。
     それは、自分の意見を持たないこと」

    「何か言おう、言おうって思っていると、人の話が聞けなくなる。
     君は自分の意見ばかり考えて、人の話を聞けていない」

    「これから3年間、おれの真似をしな。
     自分の意見を捨てて、くもりなき眼で世界を観ること」

    ジブリの鈴木敏夫のもとで修業した著者による体験的仕事術

    鈴木の教えに従った石井の働き方も
    石井の目を通した鈴木の生き方も
    どちらもカッコいい

  • 第1章 自分を捨てて他者を真似る(他人の意見だけを、書く、まとめる、読み返す/苦しいときほど「自分を捨てる」ことで救われる/「教わる素質」とは何か ほか)/第2章 「実践編」鈴木敏夫が教えたエゴを手放す仕事のメソッド(伝わる文章の書き方/怒りのコントロール法/余白をつくる ほか)/第3章 「実践編」自分を捨てると人が見える(人間関係のトラブルをどう解決するか/謝り方で「信頼」を勝ち取る/事実をそのまま伝える大切さ ほか)

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著者プロフィール

1977年生まれ。アニメーション映画プロデューサー。1999年スタジオジブリ入社。『千と千尋の神隠し』からプロデューサー補として、鈴木敏夫氏のもとで仕事を学ぶ。ジブリ退社後、多数のアニメーション作品を企画・プロデュース。現在は、株式会社スティーブンスティーブン/クラフター取締役プロデューサー。本書が初めての著書となる。

「2016年 『自分を捨てる仕事術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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