傷魂─忘れられない従軍の体験

著者 :
  • 冨山房インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784866000794

作品紹介・あらすじ

太平洋戦争でフィリピンに従軍した一等兵の記録。爆撃で傷つき、治療もできぬまま密林に置き去られ、死の直前に奇跡的に救われて生還した体験が切々と語られる。「戦争」とはどういうものか、忘れられていく戦争の真相を子どもたちに語り継ぐ書。
敗戦直後の昭和21年出版の復刻で、現代の子どもたちにも分かりやすい表現にし、ルビも付す。

読者対象:小学校高学年から大人まで

感想・レビュー・書評

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  • 昭和の音楽評論家・宮澤縦一の戦争体験記です。
    階級がモノをいう世界。階級が低いというだけで、四十近い年配の教養ある紳士が二十歳前後の野卑文盲の徒輩に顔が変形するほどに痛めつけられる。
    宮澤氏は一等兵として従軍するが、地獄船、奴隷船といわれた輸送船での生き地獄の様子、マニラからミンダナオ島へ向かい、受傷し捕虜になるまでを詳細に記している。
    戦死者の多くは弾丸で華々しく倒れる死に方ではなく、病死や餓死というみじめな死に方をした。戦場の悲惨さが良く伝わってくる。ルビがつけられて小学生でも読めるが、内容は大人の方がより理解できる。

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著者プロフィール

宮澤 縱一(みやざわ じゅういち) 
1908(明治41)年、東京生まれ。音楽評論家。京都帝国大学法学部卒。在学中にマヌエル・メッテルの指導を受ける。武蔵野音楽大学教授。1968年に放送文化賞、1972年に紫綬褒章を受章。2000(平成12)年、死去。

「2020年 『傷魂 忘れられない従軍の体験』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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