65歳からは検診・薬をやめるに限る! ―高血圧・糖尿病・がんはこわくない
- さくら舎 (2017年4月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865810950
作品紹介・あらすじ
治療をしてもしなくても、人間の寿命は変わらない!
年をとるほど健康への関心は高くなる。国はメタボ健診やがん検診などを推進し、「早期発見・早期治療」のメリットをうたう。だが、EBM(エビデンスに基づく医療)の第一人者である著者は、「65歳を過ぎた人に定期検診は必要ない。むしろ受けると不幸になる」と断言する。検査にはあいまいな判定や間違いもあり、「絶対」といえるものではない。健診・検診が有効かどうかも実はよくわかっていないのだ。むしろ早期発見しないほうがいいがん(甲状腺がん、前立腺がん)を早期発見してしまうと、かえってデメリットがある。
また、薬もやめたほうがいい。高齢になると薬の効きめもあいまいになってくるし、なにより薬の治療効果より副作用というリスクのほうが大きくなってくる。若い現役世代と定年後世代では、医療のあり方が違ってくるのである。実際には、高齢者は薬を飲んでも飲まなくても、寿命に大差はない。ならば、健康を気にして「血圧を下げないと」などとあくせくがんばるより、年をとったら無用な検診・薬はやめて「ほどほど」に生きることがいちばんいい。「健康第一」という思い込みを外すとラクになる。定年になったら医療と生き方をリセットしよう。
感想・レビュー・書評
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少し極端なタイトルかもしれないが、エビデンスに基づき発言されているので面白い。
言いたいことは、長生きが唯一の正解ではないということ。
「健康欲」「長生き欲」は持たない方が幸せではないか。
死ぬ直前10年に不健康な時期がやってくるので、不健康になることを恐れるのではなくてどういきたいか常に考えることが大切なのだと改めて感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
健診を受けても受けなくても65歳からは大差はない。
年代別平均余命のグラフを作る。70歳以上は、変化がない。
検査は、任意型、対策型がある。擬陽性、偽陰性がつきもの。
障害医療費の半分は70歳以降にかかる。不健康寿命は10年程度で変わらない。
甲状腺がん、前立せんがんは進行が遅いので治療しても無駄。ということは検査しても無駄。
がんの過剰診断。生命を脅かさないガンを見つけること。
大腸がん、乳がん、子宮頸がんには検診の意味がある。
胃がん、肺がんは意味がない。
進行の早いガンは検診ではみつからない。
アメリカでは平均余命10年以下の人にはがん検診は不要としている。
ある日気が付いたらいきなりがんの末期、というのはいちばんピンピンコロリに近い。
薬は高齢になるほどデメリットが大きい。無理して血圧を下げなくても、脳卒中の確率は変わらない。
ロキソニンで風邪は治らない。
もっとも有効な治療はワクチン。効果が大きいのは麻疹ワクチン。自分に免疫をつけることのほうが薬の治療より有効。
高齢者は肺炎球菌ワクチンは有用。
医者も手探り。薬が効くかわからない。医者に聞くのも易者に聞くのも同じ。
健康寿命を延ばそうとするのは無益な努力。誰もが老いを受け入れる。 -
読んでいて思い当たる点が多々あった。
薬、見直してみよう! -
1961年生まれ、現在、西国分寺で開業の「家庭医」、名郷直樹(なごう なおき)氏の「65歳からは検診・薬をやめるに限る!」2017.4発行の書です。医療の世界の表と裏、検査の正常・異常の境目のあいまいさ、薬の限定的効果と副作用、薬よりこわいサプリメント・トクホ、高齢ほど薬のデメリットは大、65歳からは健診・検診の卒業など、高齢における医療への取り組み方、更には生き方に対する提言がされています。じっくり読みました!薬はできるだけ飲まないようにしようと思います(これまで通り)。健診結果は数値より変化に注目を。