激闘! 闇の帝王 安藤昇

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  • さくら舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865810530

作品紹介・あらすじ

暴力と知力と男力で裏社会を制圧した男の生涯!

安藤昇(1926年~2015年)はヤクザでもなく、チンピラでもなく、新しいタイプのアウトロー「愚連隊」であった。中学生時代から、殴る・斬る・撃つで新宿・渋谷を制圧。美女にやたらともてて、今でいう企業舎弟的存在で、刺青はNO、組長もNOで、あくまで安藤社長であった。

大下氏が、長年の付き合いと取材で、この型破りな男の生涯をを熱く書下ろす!

感想・レビュー・書評

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  • こちらも、歳の近い常連さんと
    昭和話で盛り上がった時に

    「戦後、渋谷の街を仕切ってた
    愚連隊の親分で
    その後、俳優に転身したのが
    安藤昇で、男前だったんだよー」と
    教えてもらってから、興味津々

    丁度、田中角栄関連本を読み終えたばかりだったので
    ココは一つ、昭和括りでいこうかと 笑


    安藤昇 2015年12月16日 没 享年89歳

    翌年の2月28日に
    青山葬儀場で執り行われた「お別れの会」に集まったのは
    錚々たる面々だったという


    故人とは、取材と酒を通じて
    38年来の付き合いだったという著者が
    昭和の異端児である
    安藤昇のルーツから、晩年までを
    丁寧に描いている


    芸者をしていた、父方の祖母から始まり
    道楽者を絵に描いたような、祖父

    同じく、道楽者だった
    母方の祖父は、発明の才能があり
    ニューヨークにまで支店を出すような実業家だった

    その反動か、父は実直なエリートサラリーマン
    唯一、俳句の趣味があり
    同人誌まで出していた

    文学的才能と、破天荒な素質
    自由な発想力、激しい気質などなどは
    見事に隔世遺伝であるようだ

    激しい気質は、早くも幼稚園時代に開花している
    兎に角、喧嘩の毎日

    高校も退学となり、少年院へ

    早く少年院を出たかった安藤は
    予科練に願書を出して、航空隊に試験を受けに行き、合格
    三重海軍航空隊に入隊する

    上官から、不条理な暴行を受けるも
    逆にナイフで切りつけるという…

    その後、悪名高き「伏龍隊」に志願するが
    訓練中に終戦を迎える

    予科練卒特典で、法政大学に進学
    殆ど通うコトなく、新宿、銀座、渋谷を彷徨き
    腕試し三昧

    ファッショナブルで二枚目
    喧嘩も強く、女にモテる上に
    面倒見も良かった安藤の周りには
    みるみる人が集まった

    渋谷に「東興業」を設立
    不動産や興行をしている傍らで
    賭博の開帳も始めたが
    あくまで、暴力団ではなく
    愚連隊「安藤組」の誕生だ


    背広の着用を推奨し
    高価だったスポーツカーを乗り回す
    刺青や指詰めを禁止したことで
    若者達から、絶大な支持を得る

    そんな安藤を一躍有名にしたのが
    横井英樹襲撃事件

    35日の逃亡生活の末
    殺人未遂罪で逮捕され
    その間に弱体化した安藤組は
    安藤の出所と共に解散となった



    元銀幕女優で、作詞家でもあった
    山口洋子を始めとする、愛人の家を
    転々とする逃亡生活は
    後に、「血と掟」という自叙伝を出版
    自ら主演し、映画化された

    その後、数々のヤクザ映画に出演し
    主題歌も歌い
    Vシネの出演
    プロデュースも手がけるようになる



    型破りな生き方をしてきた割には
    意外に長生きだったなぁーというのが
    率直な感想だ

    晩年は、腎臓を患って
    透析しながらだったようだが…

    冒頭の「お別れ会」での弔辞が
    なかなか印象深い

    安藤はよく
    武道などで、よく言われている
    「心・技・体」を文字って
    「信・義・耐」と言っていたと

    信用の「信」
    義理の「義」
    忍耐の「耐」

    その人物が、信用に値するかどうか
    義理は、恩返しのこと
    忍耐は、特に攻める時の忍耐

    なかなか上手いことを言うねぇー


    正直、読み始めた時は
    著者の思入れが強すぎて
    若干、閉口気味だったけど…

    余りの破天荒振りに
    戦後のドサクサで、こんな人が現れたら
    そりゃー神格化するよなぁーと
    妙に納得したりして 笑

    まさに、時代の申し子
    ピッタリハマったんだなぁーと

    現代だったら、完全にアウトな人なだけに
    昭和の豪傑は、ホント面白い





    #安藤昇
    #昭和の豪傑
    #愚連隊
    #指詰め刺青禁止
    #ガチ893俳優
    #型破り過ぎる人生
    #横井英樹襲撃事件
    #Vシネプロデュースまでしてる


  • カープも激闘中!頑張れ!

    ってな事で、大下英治の『激闘!闇の帝王 安藤昇』

    渋谷の伝説、安藤昇の歴史書w
    ヤクザって言うより人思いと言うか、人徳の塊と言うか。

    粋で、ダンディーで、セクシーな社長。

    主演の血と掟を観てみたいな。

    大下英治さんの他の本も読んでみよ。
    中々面白い内容じゃった♪

    2018年84冊目

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著者プロフィール

1944 年6月7日、広島県に生まれる。1968 年3月、広島大学文学部仏文科卒業。1970 年、『週刊文春』の記者となる。記者時代『小説電通』(徳間文庫)を発表し、作家としてデビュー。さらに月刊『文藝春秋』に発表した『三越の女帝・竹久みちの野望と金脈』が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。1983 年、週刊文春を離れ、作家として政財官界から経済、芸能、犯罪まで幅広いジャンルで創作活動をつづけている。
著書は、「十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊」「美空ひばり・時代を歌う」(以上、新潮社)、「闘争! 角栄学校」(講談社)、「トップ屋魂 首輪のない猟犬」(イースト・プレス)など400 冊以上にのぼる。
近著に、「田中角栄秘録」「官房長官秘録」「小泉純一郎・進次郎秘録」「清和会秘録」(イースト・プレス)、「映画女優 吉永小百合」(朝日新聞出版)など。

「2016年 『田中角栄の酒 「喜びの酒」「悲しみの酒」「怒りの酒」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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