約束の地、アンダルシア スペインの歴史・風土・芸術を旅する
- アルテスパブリッシング (2020年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865592214
作品紹介・あらすじ
「どの町、どの村を訪ねてみようと、
そこにはアンダルシアならではの青い空、白い壁、紅い花があり、
大気のうちには、たぶん明るすぎるゆえの哀しみなのだろうか、
説明のつかないひとつの哀愁が漂っている」
──本文より
日本を代表する音楽評論家で
スペイン文化研究家の濱田滋郎による待望の新著。
スペイン文化をもっとも色濃くたたえ、
東西の文明の交錯する「秘法の地」──アンダルシア。
その地誌、歴史、民族、そしてその地に花開いた
フラメンコをはじめとする芸能・芸術の魅力を、
美しい写真とともに、かつてないスケールで描いた唯一無二のスペイン文化論。
「愛よりも深いまなざしをスペインに向けておられる濱田先生と、
紀元前から現代までの流れを、アンダルシアを柱に味わう贅沢!
後世に残るべき名著が今ここに生まれました!」
──村治佳織さん(ギタリスト)
「これだけの情報量と深い洞察を
一人の信頼のおける著者の視線と価値観にもとづいて得られるのは、
なんと恵まれていることかと感謝の念を禁じえない」
──解説:川瀬佑介(美術史家、国立西洋美術館主任研究員)
※本書は1999年4月から2001年8月まで『パセオフラメンコ』(パセオ)に連載された「約束の地、アンダルシア」を単行本化したものです。
感想・レビュー・書評
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大きく分けて歴史・芸術に基づいたアンダルシア州史をスペイン文化研究家の筆者が大学の講義っぽくまとめた感じ。芸術でも特にフラメンコ等の音楽関連に明るいためファンでもないと初耳ばかりの踊り手や音楽家の名前が次々飛び出してくる。
それでも一度は行ったことがあり、もっと長く居たいと思ったエリアだったから、写真だけで振り返っても思い出せなかったであろう解説や景色をまざまざと思い出すことができて良い気分転換に。
ページをめくるごとに現れる写真はフィルターなしの撮ったままという印象だけど、筆者の研究成果がにじみ出た文章に合わせるには↑の方がよく釣り合うことに後で気づく。映え写真はガイドブックで充分ってことか。
中盤は戯曲や嘘のようなノンフィクションの話が満載。モーロ人や妖しげなジプシー(別称:ヒターノ)・怪傑ゾロのような山賊(別称:バンドレーロ)などワクワクするけど「ほんまかいな」と言いたくなる。
『詩人の目と心が織りなす幻想の綾は、けっして絵空事と笑い捨てるべきものではなく、そこに秘められた真実を探し当ててこそ吟味すべきものなのだから』
アンダルシアの魅力は何と言っても「人の温かさ」だと筆者は語る。それは居心地の良い文化や芸術を編み出した源で、ジプシー等に対する包容力にもなった。
過去に参加したツアーでは現地の人と交流する時間が一切取れなかった。知ってしまったからには、やっぱり出直したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アトランティスがアンダルシアのどこかにあったのなら
誰か発掘してくれないかな トロイアみたいに