約束の地、アンダルシア スペインの歴史・風土・芸術を旅する

著者 :
  • アルテスパブリッシング
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865592214

作品紹介・あらすじ

「どの町、どの村を訪ねてみようと、
そこにはアンダルシアならではの青い空、白い壁、紅い花があり、
大気のうちには、たぶん明るすぎるゆえの哀しみなのだろうか、
説明のつかないひとつの哀愁が漂っている」
──本文より

日本を代表する音楽評論家で
スペイン文化研究家の濱田滋郎による待望の新著。
スペイン文化をもっとも色濃くたたえ、
東西の文明の交錯する「秘法の地」──アンダルシア。
その地誌、歴史、民族、そしてその地に花開いた
フラメンコをはじめとする芸能・芸術の魅力を、
美しい写真とともに、かつてないスケールで描いた唯一無二のスペイン文化論。

「愛よりも深いまなざしをスペインに向けておられる濱田先生と、
紀元前から現代までの流れを、アンダルシアを柱に味わう贅沢!
後世に残るべき名著が今ここに生まれました!」
──村治佳織さん(ギタリスト)

「これだけの情報量と深い洞察を
一人の信頼のおける著者の視線と価値観にもとづいて得られるのは、
なんと恵まれていることかと感謝の念を禁じえない」
──解説:川瀬佑介(美術史家、国立西洋美術館主任研究員)

※本書は1999年4月から2001年8月まで『パセオフラメンコ』(パセオ)に連載された「約束の地、アンダルシア」を単行本化したものです。

感想・レビュー・書評

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  • 大きく分けて歴史・芸術に基づいたアンダルシア州史をスペイン文化研究家の筆者が大学の講義っぽくまとめた感じ。芸術でも特にフラメンコ等の音楽関連に明るいためファンでもないと初耳ばかりの踊り手や音楽家の名前が次々飛び出してくる。

    それでも一度は行ったことがあり、もっと長く居たいと思ったエリアだったから、写真だけで振り返っても思い出せなかったであろう解説や景色をまざまざと思い出すことができて良い気分転換に。

    ページをめくるごとに現れる写真はフィルターなしの撮ったままという印象だけど、筆者の研究成果がにじみ出た文章に合わせるには↑の方がよく釣り合うことに後で気づく。映え写真はガイドブックで充分ってことか。

    中盤は戯曲や嘘のようなノンフィクションの話が満載。モーロ人や妖しげなジプシー(別称:ヒターノ)・怪傑ゾロのような山賊(別称:バンドレーロ)などワクワクするけど「ほんまかいな」と言いたくなる。

    『詩人の目と心が織りなす幻想の綾は、けっして絵空事と笑い捨てるべきものではなく、そこに秘められた真実を探し当ててこそ吟味すべきものなのだから』

    アンダルシアの魅力は何と言っても「人の温かさ」だと筆者は語る。それは居心地の良い文化や芸術を編み出した源で、ジプシー等に対する包容力にもなった。

    過去に参加したツアーでは現地の人と交流する時間が一切取れなかった。知ってしまったからには、やっぱり出直したい。

  • アトランティスがアンダルシアのどこかにあったのなら
    誰か発掘してくれないかな トロイアみたいに


  • アンダルシアの歴史・文化・芸術について、情報を羅列していくだけではなく、情緒ある形で順に知っていけて非常に面白かったです。ただ、良い本なのですが、正直、語り口が自分にはあまり合わず... そのため★3にしました。

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著者プロフィール

1935年東京生まれ、2021年3月没。音楽評論家、スペイン文化研究家。少年時代よりスペイン・中南米の文学、音楽に興味を抱いて研究、1960年ごろより翻訳、雑誌などでの執筆、レコード解説などの仕事に就く。1978年より東京藝術大学、東京外国語大学、立教大学などで非常勤講師をつとめる。主な著書に『約束の地、アンダルシア』(アルテスパブリッシング)、『フラメンコの歴史』『エル・フォルクローレ』(以上晶文社)、『スペイン音楽のたのしみ』(音楽之友社)、訳書にカーノ著『フラメンコ・ギターの歴史』(パセオ)、スビラ著『スペイン音楽』(白水社文庫クセジュ)など。日本フラメンコ協会会長をはじめ各音楽団体の会長、理事などを歴任したほか、1985年より「清里スペイン音楽祭」を総監督として責任開催した。1984年第3回蘆原英了賞受賞。

「2022年 『南の音詩人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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