川はゆく

著者 :
  • 赤々舎
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本棚登録 : 21
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865410648

感想・レビュー・書評

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  • 月日は川の流れのように緩急をつけながらも着実に流れていく。それを思い知らせてくれる写真集でした。

    写真集全体の雰囲気は穏やかですが、時々シンボリックでアイロニカルな被写体も登場します。
    解体予定と思われるスターハウス写真(高度成長期さえも終わった日本)、原爆ドーム+鯉党の男の子+ヤンキース帽子写真(共存)、路面電車内写真(原爆投下からわずか3日後に稼働した、女学生が運転した路面電車の行く末)、折り鶴ブース(祈りも交互に消化される)など。

    でも、原爆を知らない中年青年が広島を思い思いに過ごす写真見ると、未来に希望が持てるような気がしました。ヒロシマという単語は、かなしみだけではなく、未来の羅針盤にもなるのだと教えてくれたような気がします。

    私の祖母は長崎の被爆者です。長崎も、投下地には川が流れています。路面電車も通っています。歩道の下に亡くなった方々の亡骸が眠っているだろうと思いながら、歩みを踏みしめます。
    よくよく考えると、地球の歴史も長いわけで、世界中のどんな場所でも、地下に故人が眠っているのかもしれません。

    ヒロシマナガサキを知ることは、今の自分の立ち位置を知ることにもつながるように感じました。

    ずっと手に入れたかった写真集なのでこれからも大切にしたいと思います。

  • 広島が題材。現在の広島の人、風景に、原爆投下時の記憶が時折差し込まれ。アメリカの国務長官の談話。原爆の語り部。高校生たちの日常。折り重なり今があり。

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