作品紹介・あらすじ
日本の戦後詩を切り拓いた「荒地」最大の詩人鮎川信夫とは何者だったのか? 戦前モダニズムの洗礼を受け、晩年アメリカ新保守主義を論じたそのひとつの困難な詩的道程を、盟友吉本隆明との交渉とともに描きだす力作評伝。現代詩にとって、そして私たちにとって〈戦後〉とは何だったのか――。
感想・レビュー・書評
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鮎川信夫の道程を初めから最後までおさらいすることができた。直前に橋上の詩学を読んでいたため、こちらの一冊で俯瞰するような視点で鮎川を追えたことは大きい。
こう書きながら、付箋を貼ったところを読み返してみたが、この作者の論よりも、知らなかった鮎川の個人史について関心を抱いた。けれども荒地派の面々や吉本、小林といった文人にも話が及んでいくところには、作家間の繋がりを感じることができて学びになった。
著者プロフィール
1954年生まれ。詩人、文芸評論家。評論集に『ノスタルジック・ポエジー 戦後の詩人たち』『現代詩の星座』『「生きよ」という声 鮎川信夫のモダニズム』『詩的水平線 萩原朔太郎から小林秀雄と西脇順三郎』のほか、詩集『シャーロック・ホームズという名のお店』『ビーグル犬航海記』『ミゼレーレ 沈黙する季節』『都市の詩学』『古都巡礼のカルテット』がある。
「2021年 『1920年代の東京』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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