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- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865280036
感想・レビュー・書評
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大詩人の日常の中にひょっと入り込んでいた方の思い出話。けっこう大変な話もあるのだけど、風が吹き抜けるような不思議な透明感あふれる文章。鎌倉という土地柄のせいなのか、この方のもって生まれたものなのか。
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田村夫妻の関係性、癖にささるわ。
「いちべついらい」と「珈琲とエクレアと詩人」含めて全て良い。この次は橋口さん自身のエッセイも読んでみたい。 -
《単純なわたしは、毎日毎日パジャマを着てベッドに寝転がっていても食べていけることが不思議だった。
悪いことに、なんだかそんな風にしていても食べていけるとだと錯覚を起こしそうになるのだった。積極的に働かなくてはいけないという気がうせていった。
隣にはそういう田村さんがいる。壁のこちら側で一字何銭かで根気強く校正の仕事をしている自分がいる。この大きなギャップを若いわたしはうまく消化しきれなかった。》(p.31)
《和子さんに、「まじめにお供えしているのね」と見てきたことを話すと、「だって、田村の頼みだもの」とサラリと答えた。
わたしはそんな単純な答えができる和子さんに感心してしまった。そしてなにごとも単純でいいなあと思った。》(p.97-98)
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