ゲームさんぽ 専門家と歩くゲームの世界

著者 :
  • 白夜書房
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864943093

感想・レビュー・書評

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  • 教養は尊くて、この本で言ってる教養はボトムアップの教養でYouTubeの感じを本にしようとした結果、失敗してる。多分。
    題材になってるゲームはおじさんには新しすぎてわからないけど楽しそうで羨ましい。

  • YouTubeのおすすめでたまたま知ったゲームさんぽ。特にシシン先生のアサクリと名越先生のデトロイトの回がすごく面白く個人的にお気に入りだが、本書を読んでさらに好奇心を掻き立てられた。

    同じゲームでも人それぞれ捉え方や着眼点が異なり、「なるほどそういう見方もあるのか」と気づかせてくれるだけでなく、その違いを面白いと思わせてくれるのが、ゲームさんぽの本当に素晴らしいところ。ゲームをきっかけに新しいことにも興味を持たせ、新たな視点を与えてくれる。

    また、ゲームという媒体を通して専門家の方々のディープでマニアックなお話を聞けるのは非常に有り難く、もっと知りたいという知識欲がどんどん湧いてくる。楽しみながら学ぶきっかけをくれるまさに優良教育コンテンツだと思う。


    本書は、単に動画の内容がまとめられただけのものではなく、さらに深い対話型議論が繰り広げられており、動画未視聴であっても楽しめると思う。

    時折難しい話もあったが、補足もしっかりついているので、それが助けとなり勉強にもなった。おすすめ書籍などの紹介も多く、あれもこれも読んでみたいと思わせられた。最後まで好奇心を刺激してくれる一冊。

  • 「ゲームさんぽ」というYouTubeチャンネルを単に説明する本ではなく、この活動の本意や目論み、「学び」の根幹とは何かという点にまで、学術的分野の話を取り入れ言及していてとても刺激的だった。専門家の方々の、動画内以上に専門性の高いお話も楽しい。ゲームを遊ぶことで浮かび上がる各専門分野の特徴、宿命、面白さを読むことができる。

  • 知識がこれ程までに面白く語られるものなのか、とずっとわくわくニコニコしながら読むことができた。
    ゲストの方もそうだが、なむさんいいださんの知識量やそれを引き出すタイミングの凄いこと。これが学びや教育、勉強の結果なのかな。良い本を読むことができて嬉しい。

  • 本書を一言でいうならば、対話型鑑賞のアイデアを導入することによって、ゲームをめぐる言説空間を拡張・変容させようという本だと言えるかもしれない。
    そのような意味で、対話型鑑賞の研究・実践に関わる人たちにも、ゲーム批評・ゲーム研究に関わる人たちにもぜひ読んでみてほしい。これまで「ゲームさんぽ」をまったく観たことがなく、本書のタイトルではじめて知った、という人にとっても十分楽しめるし、示唆が得られる内容になっていると思う。

    むしろ、本書のタイトルや概要を見ただけだと、「これまでの『ゲームさんぽ』動画の書き起こしが掲載されているのかな?」というくらいのイメージしか沸かないと思われるところが、とても残念。
    本書は「ゲームさんぽ」そのものを伝えたり説明したりする本ではない。
    もちろん、「ゲームさんぽ」とい「遊び」のOSが生まれる基本的なコンセプトを語り、その文化論的・美術史的な位置づけを試みたりするものである章もあるが(第1章)、それですら、美術史的な文脈、美術教育的な根言説によって「ゲーム」を語るための言説を拡張しようとする試みのように読める。
    さらに第2章・第3章では、「ゲームさんぽ」の意義を語るという文脈を用意し、そのなかで、ゲームにおけるさまざまな要素を地域研究や建築史、心理学、法学などの既存の学問領域・専門分野における言説を借りて対話的に語る場を創出することによって、ゲームを語る言説を拡張しようとしている(第2・3章)。
    そのような意味で、本書は、現代日本における「ゲーム」の言説を考えるうえで、とても重要な意味をもつものになるだろうという予感がしている。

    一方で、本書の帯「これは世界の見方を変える遊び」にあるように、本書が「ゲームさんぽ」を、閉じられたメディアコンテンツではなく、よりオープンな「遊び」として提示している点も面白い。これについては以下のブログに記載したので、こちらのブログ記事を参照してほしい。
    https://kimilab.hateblo.jp/entry/lyricasanpo

  • まなぶってなーんだ。
    おもしろいってなーんだ。
    interestingな喜びというものに触れるために教養本やいっそ雑学を調べたりもするけれど、それは即物的で砂糖菓子のようにすぐ溶ける。
    この本も動画で得た専門的な知識をより吸収しようと読み始めたけれどむしろこれは知識を得たその先を語るものだった。あるいは知識を得る行為のその手前について。
    勿論知識についても沢山得られる。注釈が沢山ついているし写真がカラーなのも嬉しい。巻末のおすすめの本一覧もいい。ただ紹介されている本が古いもの(名著なので)が多くて今手に入るか若干不安。
    まなびの先のそこから考えることへの熱心なラブコールの本だった気もするしなんでまなびたいのかこっそり問いかけてくるような本でもあった。
    長持ちするガムのように噛み続けられそうな議題を沢山得た。昨今動画や配信が隆盛となり配信する人、視聴する人の関係性におもしろみを感じていた身としてはありがたい視点が多かった。このガムはもろもろになるまで噛みたい。
    第2段がもしあるのなら少額ながらクラウドファンディングに参加してみたい。
    とても満足しました。おもしろかったです。

  • 2023年上半期のベスト。

    もともとyoutubeのコンテンツであるゲームさんぽを書籍化したもの。
    「ゲームさんぽ」とは、各種TVゲームを多様な専門家と共にプレイし、
    専門家の知見からの解説やよもやま話を聞く、教養コンテンツである。

    動画によっては100万回再生もされている人気コンテンツなのだが、
    そのコンテンツについての説明、
    及び実際に登場した専門家との対談が収録されている。

    ゲームさんぽ自体がかなりゆるいコンテンツで、
    ゆったりと見られる動画になっているのだが、
    この書籍になるとその奥深さが明確に伝わってくる。

    専門家の知見や職業観に始まり、
    ネットコンテンツでのPVを取るための努力といったお仕事エッセイの要素を含みつつ、
    ゲームというデジタルコンテンツにおけるリアルとの違いと、それによって生まれる価値であったり、
    そもそもゲーム(遊ぶ)ということはどういったことを指し示すのか、というところまで踏み込んでいく。

    まさにゲームの世界への「さんぽ」のための1冊なのだ。

    わかりやすさと面白さ(興味深さ)が完全に両立している、
    教養書籍としては稀有な本。
    元々のコンテンツをご存知の方はぜひ読んでいただきたいし、
    ご存知でない、またはデジタルゲームに興味がないという方も、
    知見を広げられるとても素敵な本に仕上がっている。

  • これは名著だ。遊びであり、学びであり、趣味であり、教育であり…
    いま仕事で抱えている課題の解決法がたくさん書かれていた。
    何度でも読み直そう。何度でもさんぽしよう。

  • YouTubeで人気の『ゲームさんぽ』シリーズが書籍化。
    今まで遊んで楽しむだけだったゲームの世界を、専門家の見方を知る事で、新たな
    おもしろさを発見できる。
    「あのゲームの表現はこんな意味が!」
    「制作にはこんな所意識しているんだ!?」
    新たな学びが、ゲームをもっと楽しむ「きっかけ」となるそんな一冊です。
    (ゲーマー Mさんのおすすめコメント)

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00606749

  • 学生(らいすた)ミニコメント
    ゲームの世界を多角的な視点から見て学ぶことができるところです。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/658282

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著者プロフィール

いいだ
編集者。1989年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科表象・メディア論コース修了。美術科教科書の編集を経て、ライブドアニュースのYouTubeチャンネルにて「ゲームさんぽ」をシリーズ化。動画の企画・編集・ディレクションをするほか、特集記事の執筆や広告制作なども行う。
https://twitter.com/UraIida

「2022年 『ゲームさんぽ 専門家と歩くゲームの世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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