燈火 (銀河叢書)

著者 :
  • 幻戯書房
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本棚登録 : 10
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864881067

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス書ばかり読んでいると、どうも疲れる、しんどくなる。そんな前ばかりは向いておられんよ、となる。

    そんな時は小説を読むことにしている。
    ああしろこうしろ言われないのがいいのかもしれない(笑)
    しかも三浦哲郎の小説は、前向きに生きていこうよということも言ってこない。

    国語の教科書に載っていた、三浦哲郎の小説を、ふいと思い出して、本を集めだしてから、この作家の本が大好きになった。子どものころでは、良さが分からなかった。
    日常に入り込んでいる死の暗さ、その良さなんて分からない。その影があるから、三浦哲郎の描く日常に引き込まれる。ハラハラする。特に何が起きるでもないし、起きたとしても私たちも経験するような普通のことなのに、だ。

    なんて思いながら解説を読んでびっくり。三浦哲郎自身、「日常の些細な風景の中にある翳り」を描こうとしていたのだと当人が話していたのだ。よかった、私はその翳りを感じていた(読解力がないので不安だった…)

    日々疲れたときに読み返すような本。また読みたい。

  • 三浦哲郎といえば「白夜を旅する人々」で衝撃を受けたのを覚えてるくらいだけど。
    この未完の作品は、上品なホームドラマを観てるような私小説だ
    スリリングで凝った小説を読んだあとに
    ほっこりした

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著者プロフィール

三浦哲郎

一九三一(昭和六)年、青森県八戸市生まれ。早稲田大学文学部仏文科を卒業。在学中より井伏鱒二に師事した。五五年「十五歳の周囲」で新潮同人雑誌賞、六一年「忍ぶ川」で芥川賞、七六年『拳銃と十五の短篇』で野間文芸賞、八三年『少年讃歌』で日本文学大賞、八五年『白夜を旅する人々』で大佛次郎賞、九一年『みちづれ』で伊藤整文学賞を受賞。短篇小説の名手として知られ、優れた短篇作品に贈られる川端康成文学賞を、九〇年に「じねんじょ」、九五年に「みのむし」で二度にわたり受賞。他の著作に『ユタとふしぎな仲間たち』『おろおろ草紙』『三浦哲郎自選全集』(全十三巻)などがある。二〇一〇(平成二十二)年死去。

「2020年 『盆土産と十七の短篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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