水屋・水塚-水防の知恵と住まい- (LIXIL BOOKLET)
- LIXIL出版 (2016年6月10日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (84ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864805148
感想・レビュー・書評
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農耕や物流に便利な平野・低地に住むことは水害との戦いの連続である。その工夫振りに驚かされる。そして、今、災害が多く発生するからこその新しい知恵を持ちたいものだと。
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とてもよかった。
木曽三川の水屋には、「赤坂石」とよばれる丸石が使われていて、「ごんぼ積み」と称されるというが、この、石積みに表れる地域性は面白いと思った(板張りなのは伊吹下ろし対策とも言う)。
木曽三川の輪中の撮影を続けてきたという、河合孝氏の文章と写真も良かった(堀田、上げ舟…)。
また、関東荒川も霞堤(開口部)との関係の中で水屋ができたようだが、自然堤防の高さの違いからか、水屋の地盤(比高)もやや低いようなのが興味深い。
ともあれ、こうした水屋(水塚)の残る家には洪水経験(のある老人)が残されており、洪水時に生き延びる術、秘策を備えているものだろうという語りも本質的。
淀川の段蔵や、吉野川の城構えの家の石垣は立派で、ステータスを誇示しているかのよう。いつか見に行きたいものだ。
揖保川の畳堤もいわずもがな(市が畳堤を1300枚確保したというのはすごい!)。
木曽川の川島地区の住民ヒアリングなどふくめ、全体的に取材がしっかりしていて好感をもった。
高橋裕先生が、「堤防が切れるとは思わなかったという住民の声にびっくりした」と話しているのも印象的。
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