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- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864789455
感想・レビュー・書評
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啄木の歌から北海道シリーズを拾い上げると・・・
潮かをる北の浜辺の
砂山のかの浜薔薇よ
今年も咲けるや
函館の床屋の弟子を
おもひ出でぬ
耳剃らせるがこころよかりし
船に酔ひてやさしくなれる
いもうとの眼見ゆ
津軽の海を思へば
函館の青柳町こそかなしけれ
友の恋歌
矢ぐるまの花
しらなみの寄せて騒げる
函館の大森浜に
思ひしことども
函館の臥牛の山の半腹の
碑の唐詩も
なかば忘れぬ
真夜中の
倶知安駅に下りゆきし
女の鬢の古き痍あと
札幌に
かの秋われの持てゆきし
しかして今も持てるかなしみ
わが宿の姉と妹のいさかひに
初夜すぎゆきし
札幌の雨
石狩の美国といへる停車馬の
柵に乾してありし
赤き布片かな
かなしきは小樽の町よ
歌ふことなき人人の
声の荒さよ
みぞれ降る
石狩の野の汽車に読みし
ツルゲエネフの物語かな
空知川雪に埋れて
鳥も見えず
岸辺の林に人ひとりゐき
しらしらと氷かがやき
千鳥なく
釧路の海の冬の月かな
神のごと
遠く姿をあらはせる
阿寒の山の雪のあけぼの
函館のかの焼跡を去りし夜の
こころ残りを
今も残しつつ
石狩の都の外の
君が家
林檎の花の散りてやあらむ詳細をみるコメント0件をすべて表示
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