NHKラジオ深夜便 絶望名言2

  • 飛鳥新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864107242

作品紹介・あらすじ

NHK〈ラジオ深夜便〉の人気コーナー、書籍化第2弾!

病気、事故、災害、あるいは、失恋、挫折、そして孤独……
人生における受け入れがたい現実に直面した時、人は絶望します。
古今東西の文豪・音楽家・芸術家たちもまた、例外ではありません。
絶望に行き当たり、絶望を見つめ、絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。
本書では、そんな「絶望名言」から、
生きるためのヒントを探します。

[登場する文豪・音楽家・芸術家たち]
中島敦
ベートヴェン
向田邦子
川端康成
ゴッホ
黒澤明
古今亭志ん生
遠藤周作


[内容紹介]
絶望したとき、人はひどく孤独になります。
絶望には孤独がもれなくついてきます。
「この気持ちは誰にもわからない」と思うからです。
実際、誰にもわかりません。
自分とまったく同じ体験をした人を探そうとしても無理ですし、
もしいたとしても、感じ方はちがったりします。
でも、絶望の言葉を知ることで、
「ああ、これこそが自分の絶望の気持ちだ……」
と思えることがあります。
そこが名言の力です。
そう思えれば、そこに共感が芽生えます。
このことが孤独を癒します。
そして、だんだんと、その言葉は他の人にもあてはまることに気づいていきます。
絶望から、せめて孤独だけでもひきはがすことができるのです。
完全にではなくても。
(著者/本書「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  • 中島敦、ベートーヴェン、向田邦子など、ネガティブな名言を集め、解説している。
    「絶望名言3」を期待する。

  •  『絶望名言』その2。
    今回は″ミニ″もあり、より多くの人の名言を知ることができた。
     特に、黒澤明やゴッホについては、初めて知ることばかりで興味深く味わった。
     古今亭志ん生の、貧乏は味わうもの。
     向田邦子の、一番欲しいのは「普通」ということである。
    と言うのは、シンプルであり、じわじわ沁みる言葉であった。

  • この本に書いてある名言達に
    どれだけ過去の傷を癒やされただろう。

    よく悩み事を話した時、 あなただけじゃなく皆んな辛い事はあるのよ。 と言われてそんな事を言われたってなんの励ましにもならないからやめてくれと思ってしまうけど、
    この本は優しくその真理を教えてくれる。
    素直に1人じゃないんだと思わせてくれる。

  • 今回はベートーヴェンと、ゴッホの章に胸を打たれた。どちらも芸術の道を歩みながら、到達した先は芸術は心を癒すためにあるのだ。その行き方は2人は正反対であったにしても、同じところにたどり着いたのにはなんか感慨深い。
    また自分の外に籠やら壁があって動けないというのはよくわかる。

  •  少し前に本書の前作を読んだのですが、一味違った視点に感化されました。前作出版後も「NHKラジオ深夜便」の名物コーナーは継続していて、本書は、その内容を第2作目としての採録したものです。
     こちらも、なかなか私一人の頭では考えが及ばないような切り口からの解説で、とても興味深く読みました。

  • 絶望名言2冊目。個人的にはやはり一冊めの方がインパクトのある名言が多かったし、頭木さんや川野さんの絶望体験が語られて共感される様子が面白かった。でも二冊目に取り上げられる作家たちの人生の絶望度合いは、一冊めのよりも壮絶。印象に残ったのは喘息治療を兼ねてパラオに行った中島敦が、向こうでは熱帯の病にやられ日本に戻れば寒さで病のやられ早死してしまうという人生。いやあ、転地を考えるほどの喘息の辛さは想像を絶する。又はほとんどの名曲を失聴してから作ったというベートーヴェンの人生。希望を持たず諦めたことで生きていけたのだろうが、そんな自分の人生を諦めという隠れ家、という言葉で絶望するしかない姿に胸打たれる。

  • 中島敦とその解説が突き刺さり、べートーヴェンに少し救われた。

    本書に出会えてよかった。

  • 『絶望名言』から続けて読んだ感想。
    一冊目に比べると名言そのものだけでは、わかりづらい絶望という印象。物語の前後や筆者の状況などの情報があってこその絶望名言かなと思いました。それでも充分面白いし、興味深く読みたい本も沢山出てきましたが一冊目の名言だけで、ハッとするようなものは少なかったかな。
    中島敦さんの言葉は自分には痛くて、嗚呼…、と落ち込んでから、是非読みたい!となりました。
    本の紹介本としてとても良かったです。

  • 『#絶望名言』

    ほぼ日書評 Day701

    Day695の続編

    若くして潰瘍性大腸炎で13年間闘病生活を送り、医学の進化により、ようやく普通の暮らしができるようになったという著者が、その苦しかった日々にどんな言葉が心に届いたかを振り返りつつ、絶望せざるを得ない環境下にある人々に、少しでも心の救いを…という一冊。

    今作で最も評者の心に響いたのは、遠藤周作(狐狸庵先生)の次の一言。

    "夜中に布団を引っ被っていると、昨日、今日のあるいは過去の、自分のやった'恥ずかしいこと')括弧内、原文は傍点)が一つ一つ突然心に甦って、居てもたってもいられなくなり、「アアッ、アー、アアッ」
    思わず、大声をたてているのです。
    何だ、そんなことか、お思われる人は気の強い奴。気の弱い奴なら、この夜の経験は必ずあるはずだ。
    それがないような奴は、友として語るに足りぬ"

    あるよね!

    同先生の、「音痴」だけの合唱団を作る。何を歌っているのかわからないレベルが好ましい。ある程度、歌える人は「歌が上手すぎる」と入団テストで弾かれる…というのも面白い。が、その集められた人たちは、(失礼ながら)歌っている最中はどんな気持ちでいるのだろうか。

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  • 自分の感じているモヤモヤをスポッときれいな言葉?収まりのいい解りやすい言葉で表現されていた。もうここには居ない人達も同じように言い様のない、どうしょうもないことで悩んでいたと言うことが少し慰めになった。
    特にベートーヴェンについて詳しく知りたいと思った。①もまた探して読みたいと思う。

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著者プロフィール

頭木 弘樹(かしらぎ・ひろき):文学紹介者。筑波大学卒。大学三年の二十歳のときに難病になり、十三年間の闘病生活を送る。そのときにカフカの言葉が救いとなった経験から、2011年『絶望名人カフカの人生論』(飛鳥新社/新潮文庫)を編訳、10万部以上のヒットとなる。さらに『絶望名人カフカ×希望名人ゲーテ 文豪の名言対決』(草思社文庫)、『ミステリー・カット版 カラマーゾフの兄弟』(春秋社)を編訳。著書に『食べることと出すこと』(医学書院)、『落語を聴いてみたけど面白くなかった人へ』(ちくま文庫)、『絶望読書』(河出文庫)、『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』(春秋社)、『自分疲れ』(創元社)。ラジオ番組の書籍化に『NHKラジオ深夜便 絶望名言』(飛鳥新社)。名言集に『366日 文学の名言』(共著、三才ブックス)。編者を務めたアンソロジーに『絶望図書館』『トラウマ文学館』(共にちくま文庫)、『絶望書店 夢をあきらめた9人が出会った物語』(河出書房新社)、『ひきこもり図書館』(毎日新聞出版)がある。NHK「ラジオ深夜便」の『絶望名言』のコーナーに出演中。日本文藝家協会、日本うんこ文化学会会員。

「2023年 『うんこ文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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