- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864106573
作品紹介・あらすじ
NHK〈ラジオ深夜便〉の人気コーナー、ついに書籍化!
病気、事故、災害、あるいは、失恋、挫折、そして孤独……
人生における受け入れがたい現実に直面した時、人は絶望します。
古今東西の文豪たちもまた、例外ではありません。
絶望に行き当たり、絶望を見つめ、絶望の中で書き留められた珠玉の言葉たち。
本書では、そんな文豪たちの「絶望名言」から、
生きるためのヒントを探します。
[登場する文豪たち]
カフカ
ドストエフスキー
ゲーテ
太宰治
芥川龍之介
シェークスピア
[内容紹介]
『絶望名言』――おかしなタイトルですよね。
『希望名言』なら説明は不要ですが、
『絶望名言』だと
「なんでそんなものを?」と思う人が多いかもしれません。
でも、失恋したときには
失恋ソングにひたりたくなるように、絶望したときには、
絶望の言葉のほうが、心にしみることがあると思うんです。
私自身も、そういう体験をしました。
絶望したときに、救いとなったのは、
明るい言葉ではなく、
絶望の言葉でした。
(著者/本書「はじめに」より)
感想・レビュー・書評
-
またまた体調を崩して、久しぶりにゆっくりゆっくりではあるけどなんとか読書ができました、ゆまちです。
それはさておき。
古今東西の文豪の絶望名言を紹介し、その名言について自身らの体験を踏まえて語る本書。
絶望した時には希望に溢れた言葉より絶望に満ちた言葉の方がすんなり身体に降りてくるというのには同感。本書を体調が悪い中読む事ができたのは、その点があるんだろうなあと。
ああ、だめだ。頭がうまく働かなくて全然感想になってない。
でも「明けない夜もある」など、腑に落ちる名言たちに、救われる。
「不幸はひとりではやってこない。群れをなしてやってくる。」にも同感。
私も一つの症状がやっとマシになったと思ったら新たな症状が出て苦しめられたり。
悪い事が今後必ず起こるよりも、次何が来るのかわからないことの方が恐ろしい的な言葉にも頷く。
正直次はどんな症状が来るんだ!?と楽しく過ごせる日々の中でも不安は絶えないため、そこを拾い上げて言葉にしてくれたことにはありがたさすら感じる。
将来に向かって、つまずき倒れながらいこうと思います。
うん、相変わらず意味不明な文章になってしまった。お許しを。 -
失恋した時は失恋ソングが聴きたくなる。絶望した時には絶望の言葉の方が心に染みる。その通りだと思います。15年前に精神的に大変厳しくて、不謹慎ですが死んでしまいたいと思っていたことがありました。会社の同僚からは「元気出して」とか「がんばれ」とか気持ちが明るくなるような本を読んだらとか映画を観たらとか善意のアドバイスを貰いました。ますます凹みました。そんな時、お世話になっていたメンタルクリニックの先生から、ヴィクトルフランクルの「夜と霧」でした。何度も読みました。気持ちが少し救われました。それが正しかったのかなと実感させてくれる作品でした。良い本です。
-
がんさんをフォローさせて頂いた頃、本棚の最初の方に『夜と霧』があるなあと思っていたら、そんなことがあったんですね。
私も頭木さんのこの本の...がんさんをフォローさせて頂いた頃、本棚の最初の方に『夜と霧』があるなあと思っていたら、そんなことがあったんですね。
私も頭木さんのこの本の元になったラジオ番組を聴いています(最近ご無沙汰)。とても面白いし、救われる部分があって良いですよね。2021/05/06 -
コメントありがとうございます。本当に、何のゆかりもない東京の街に転勤でやって来て、精神的に参ってしまいました。そんな時に救いになってくれたの...コメントありがとうございます。本当に、何のゆかりもない東京の街に転勤でやって来て、精神的に参ってしまいました。そんな時に救いになってくれたのが「夜と霧」でした。絶望名言は、YouTubeでも上がっているようなので聴いてみようかと思っています。ありがとうございます。2021/05/06
-
-
絶望した時に読むためのネガティブな名言集。ネガティブさが突き抜けてて電車で思わず笑ってしまった。弱いこと、繊細なことは短所ではない。敏感だから気づけること、弱いからこその愛おしさ。幸福すら破綻に感じる太宰治。なんとなく先が読めない曖昧さに絶望する芥川龍之介。みんな愛おしい
-
NHK〈ラジオ深夜便〉のコーナーをまとめた一冊。
午前四時、夜の底でこのラジオに耳を澄ませているところを想像したらなんだかとても神聖な気がした。
絶望を味わう。絶望を抱きしめる。気が滅入っているときほど、人は不思議と絶望に癒されるのだ。
この絶望名言は、その境地にたどり着くまでの悲しみに併走してくれる。
なんにせよ素敵な一冊でした。文豪が残してきたそれぞれの絶望に触れつつ教養も深まる。
太宰がやっぱ良いですね。プロの絶望人。生きることそのものがもう息もたえだえの大事業。常に疲労によろめいている彼と、でもだからこそ「心中しよう」って約束ができたらそれはちゃんとした二人の希望になるんだと思う。
あとはシェイクスピアのマクベス。実はまだ読んだことなかったのだけど、ものすごく興味が湧きました。
明けない夜はある。人生は歩き回る影法師、あわれな役者だ。出番が終わればそれっきり。 -
先日読んだ『変身』の作者、カフカの言葉について書かれていたので手に取った。
ラジオ番組のひとつのコーナーを、そのまま書き起こしていて、さらさらと読みやすい。
しかし書かれていることは、絶望を体験しなければ気がつくことない言葉ばかりで、心に響く。
カフカだけでなく、太宰治や芥川龍之介などの作品も紹介されており、かつて読んだ時に受けた言葉の印象は、今違う捉え方に変わったことに気づいた。
その時々で、心に寄り添ってくれる言葉は変わる。
その違いを知り、生きていく杖となる言葉を心に留めたいと思った。 -
悩んで辛い時には、明るいものよりも暗く苦悩しているものを読む方が救われる。なるほどな、わかる気がする。ぼんやりそう思いながら読んでいましたが、次のように説明してあって唸りました。
「文学を読むと、本当に暗い心とか辛い心とか、とことん描いてあるじゃないですか。普通に生活していると、会話でそこまで心のうちを見せる人っていませんし、やっぱり辛いことは見せないようにしていることが多いですからね。
世の中に普通に語られることって、成功体験が多いじゃないですか。苦労話もありますけれど、結局、乗り越えた人の話なんですよね。乗り越えなかった人の話って、なかなか出て来ないじゃないですか。だけど、文学だけは、そういう話を書いてくれるわけですよね。」 -
カフカに始まりシェークスピアまで6人の名言が頭木さんの書評のように語られている。どちらかと言えばネガティヴ思考の私に刺さるものがある。2も読みたい。
-
自分にはまだまだ出会うのが早い絶望名言の数々だったと思う。自分が共感しにくいこともあったけれど、辛い時には支えてくれる名言もあった。
この本は読む際の私のコンディションによって星の数が変わってくるので3つ!
そして、何よりカフカ、ゲーテ、シェイクスピアなどの著作に触れ、その人たちの生い立ちや考え方に触れることができてよかった。
当人はどう考えているのかわかりませんが、納豆をやめられないおじさんの話が面白すぎた。逆にこういう人を尊敬してしまう。人間味溢れてて素敵な人だなと感じた。 -
絶望したときには、絶望の言葉のほうが、こころに沁みることがある。
興味をひかれて読んでみると面白いことがたくさん書いてあった。
つまづくことしかできず、たおれたままとか。
成功した人の話は世の中にあふれているが文学の中には挫折や失敗がたくさんあるとか。
駄目さを否定せずに共感して笑うとか。
弱さには弱さの価値があるのだ。
この本、今わたしも少しずつ読んでいるのですよ。
基本低空飛行なので、いつ読んでも沁みます。
つまずき倒れながら〜...
この本、今わたしも少しずつ読んでいるのですよ。
基本低空飛行なので、いつ読んでも沁みます。
つまずき倒れながら〜ってカフカですね。
カフカは私の心の友人のひとりです。(妄想友人笑)
全然意味不明な文章じゃないですよ。
ゆまちさんのレビューが読めてよかったです。
5552さんも本書を読まれているのですね。仲間ですね(?)。
私も常に低空飛行なので、本書のような本やカフカに...
5552さんも本書を読まれているのですね。仲間ですね(?)。
私も常に低空飛行なので、本書のような本やカフカに支えられる気持ちがなんだかわかります。
私はカフカとはまだ心の友と言えるほど仲良くないのですが、唯一読んだ変身はとても好きです。
そう言ってもらえたら、ぼんやりした頭でも感想書いて良かったなぁと思います。ありがとうございます。倒れながらずるずるいきましょう〜