- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864106450
作品紹介・あらすじ
売れ続けるロングセラーが待望の文庫化! !
武田鉄矢さんがラジオで絶賛し、ニュースサイトBLOGOSでも大反響を呼んだ
驚きの「日本語論」とは?
言語学の大家、慶應大学名誉教授 鈴木孝夫先生も推薦
「この本を読んで、生きていてよかったと思いました」
私たちが学校で学んだ日本語は間違っている!
英文法的な説明をあてはめられ、歪んでしまった日本語教育。
しかし、カナダで25年間、日本語を教えて著者は、
「大発見」をしました。
「日本語は、最も平和志向の、ロマンチックで幸せな、美しい言葉だと
自信をもって言うことができます」
ただの思い込みではなく、著者はそれを言語学的見地から、
さまざまな論拠を用いて客観的に証明して見せます。
日常表現、人名・地名、話すときの声と視線、愛の告白、道の聞き方、文法
――英語と徹底比較すると、初めて見えてくる日本語の真の姿とは?
中学生からビジネスマン、国語の先生まで
必読の1冊です!
感想・レビュー・書評
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父が、ラジオで紹介されていて面白そうだった、と語るので購入した一冊。
読み終わってから、先日読んだ『日本語と西洋語』の人じゃん!と気付く。
文章の感じが全然違っていたので、同じ人が書いたと思わなかったけど、川端康成の冒頭文や、三上章や水村美苗のくだりで、ん?なんか似てるな?と。
「日本語が世界を平和にする」理由が提示された内容かと言われると、沈黙。
先程挙げた『日本語と西洋語』より、かなり易しく書かれている(対象は中学生向けらしい)ので、日本語に興味がある方にはオススメ。
筆者は日本語は共視の言葉で、英語は自己主張の言葉だと述べる。
前に読んだ、虫の視点と神の視点から少し異なった言い方ではあるが、日本語は人とも環境とも和して同じていく流れがあって、英語はそこを明確に分ける流れがあるということだろう。
人が言葉を生み出し、言葉は人を作る。
社会的立場によって言葉を使い分けるくらいなのだから、使う言葉によって民族の気質が違うという主張には同意する。
ちょっと驚いたのは、周波数の違い。
日本語が低いのに対し、中国語や英語は高い。
そのため、同じ場所にいると気になるのだという。(反対に日本語は弱いとも言える)
よく、英語でやり取りしている人を見て、テンション高いなぁと思っていたのだけど(笑)納得。
あと、父の名前に「ソン」を付ける、も初めて知って面白かった。
ハーレー・ダビットソンは、デビッドさんの息子だったのかああ……!知らんけどー!(笑)
これは日本語でも、父の漢字一字を受け継ぐに似ているなと思う。結局、公的に表されるのは父と息子の絆なのであって、女子の不遇よ……。
話が逸れました。
水村美苗の『日本語が亡びるとき』を挙げ、日本語は亡びないと述べるが、個人的にはそうであって欲しいけど、結構危機ではあると思う。
少子高齢化に、日本がどんな対応を進めていくかにもよるけれど、母語話者として日本語を話せる人の数は恐らくどんどん減っていく。
国の進める海外進出計画が成功したとして、海外で活躍する人たちは自分の子ども達に何語を教えるんだろう。
若い海外の人たちが日本に働き手としてやって来たとして、私たちはそのことをどんな風に受け入れるんだろう。
また、日本語の視点が協調、共感であることが、あのナショナリズムに陥った要因の一つになるのだとすれば、それを単純に「平和にする」と言って喜べないとも思う。
そろそろ水村美苗、再読するかなー(笑)弱気。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読
1回目の感想ーーー本が手元に届いてから知ったことだが、背側の帯に「このを読んで、生きていてよかったと思いました」という鈴木孝夫先生の惹句があり、読む前から盛り上がった。
初めて読む金谷氏の著書、中学生に読んでほしいとのことだが十二分に面白かった!英語話者との視点と立ち位置の違いとか、述語のみで文が成立することの説明などがひとつひとつ腑に落ちてすっきりした。たまたま最近読んだ、「驚くべき日本語」とか「英文法をこわす」とリンクする部分があって読書を続けているとこうして複数の本の内容がカチッと組み合わさるような気がすることがある。これって快感。 -
日本語の共視、共感の描写の仕方が好きだ。あえて余白を作るのは共にあろうとするから。風呂敷で包むようなと書いてあったけど、包容する力がある。國分先生の中動態にも通じる。するでも、されるでもなく、そこにあるということ。確かに日本のソフトパワーが今求められてるように思う。
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すぐ読み終えることができた作品だった。
英語を詳しく学習していると、日本語の奥深さに気づく。 -
日本語は「共感」のことば。
相手と心を通わせるとき、相手と同じ方向を向く=共視
自分の気持ちを伝えるというより、事象として伝える。
英語は「主張」のことば。
誰の言葉かが常に明確で、文に人が存在する。
メモ
日本語の構造と外国語の構造は180度違う。
それを理解しながら話すように心がければ、何か少し突破できそう……
主語を言わない習慣が染みついてるから、とりあえず何か英語で話すとき(事象を伝えるときでも)、I(アイ)と言い始めてみる。という訓練をしてみよう