わたしたちの体は寄生虫を欲している (ポピュラ-サイエンス)

制作 : 瀬名秀明 
  • 飛鳥新社
3.79
  • (5)
  • (16)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 134
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864102599

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人は腸内細菌によって、カロリーの吸収が最大30%増えている。ダイエットの天敵でも、生き物としては喜ばしいこと。このまま人口が増えれば確実に食料は足りなくなるから。ロブ・ダンの著書は全部、こどもの頃に知りたかったことの宝庫なので教科書になればいいのに

  • 肉体としての人間、精神としての人間。疑うことのなかったその存在自体が揺らぐ。

  • サイエンス

  • 現代病は、人間が自然から切り離されてしまったがために発病するという仮説に基づいて検証していった本。

    ・寄生虫がいないから、免疫システムが暴走している。
    ・盲腸は、コレラなどの伝染病で、腸内細菌が全滅してしまった時に使う、細菌の避難場所である。(だから切除しても特に問題は起きない。けれど、昔は、腸内細菌が無いと少量の食べ物から多くのカロリーを得ることができなかったために、必要だった。)
    ・現代社会に自然をうまく組み込んでいくためには、何が必要なのか。

    人をサルと進化の過程から読み解いているので、面白かった。

    ただ、べびぃケアを知っている身としては、各種の現代病は、赤ちゃんの時から、人間の発達を無視して育ってしまったから起きているものだと思う…。
    寄生虫がいない地域に多いのは、文明が発達して、アメリカの一部メーカーの提案する子育て方法が定着している地域だからっていう要因も絶対あると思う。
    逆に、寄生虫がいる、文明の発達していない地域で見られないのは、サルから発達したの頃からの昔ながらの自然に沿った育児をしているからだと思うんだけど。

  • タイトルは寄生虫だが、人間が進化するには捕食者や、寄生虫、細菌などの圧力があるという幅広い話。
    虫垂の役割とか、ラクターゼ、視覚が発達した理由、体毛が消えた理由など、面白い話が次から次へととびだしてくる。

  • 邦題は寄生虫を全面に押していますが、原題の通りヒトの身体が自然環境の中でどのように形作られたのか、機能形成されたのか、自然とどのように共生しているのか、について書かれています。

    寄生虫とヒトの関係や現代病・蔓延する疾病についての話は特に面白かったです。ヒトは過去に積み上げたものをすべて捨てて、間違った方向に進みすぎてるなと感じました。進化学について興味が湧いてくる本です。

  • 盲腸の役割、腸の味蕾、都市型垂直農園など興味深い。

  • 469.2-ダン
    300450913
    【2015年度池上喜久夫先生(CT)】
    私たち人類は、多様な生命と共存し、繁栄してきました。同時に、人体に有害な生き物、不快な生き物を殺し続けてきました。そして、殺すべき生物がいなくなったとき、人の体で、本来持っている野生が目覚め始めるのです。人類の将来を予見させる一冊です。

  • この地球上における生物の進化と密接に相互作用する人類の歴史と未来に対して、広範で興味深い示唆に富んだ内容。

    ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』と同じぐらい、人間というものを広い視点で捉えるための重要な一冊になった。

  • 乳牛は10億頭くらいいて、総重量では人を上回る。人類が危機に陥った時、牛乳を飲める人類は生き残り、人類とパートナーとなった牛も生き残った。とか、蜂の巣を発見すると人間を呼びに行くミツオシエという鳥だとか、蛇に対する嫌悪はプログラムされているとか。基本的にはエコシステムに関しての話。面白い。ちょっとセンセーショナルに振りすぎてないか?って感じもするけど。嗜好は進化的にプログラムされて環境が変わってもあまり変わらない。そして資本主義は嗜好を満足させるために環境を変え続ける。自然をそのままのこすためには合理的な判断が必要とかもうなんだかまさに本末転倒だよね。嗜好をプログラミングしてしまえ!って結論になったりするとこれまたまずいよね。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ノースカロライナ州立大学応用生態学部教授、コペンハーゲン大学進化ホロゲノミクス・センター教授。著書に『家は生態系』(白揚社)、『世界からバナナがなくなるまえに』『心臓の科学史』(以上、青土社)、『わたしたちの体は寄生虫を欲している』(飛鳥新社)、『アリの背中に乗った甲虫を探して』(ウェッジ)がある。ノースカロライナ州ローリー在住。

「2023年 『ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ロブ・ダンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
クリス・アンダー...
シーナ・アイエン...
J・モーティマー...
ウォルター・アイ...
リチャード・ドー...
笹山 雄一
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×