史上最強の都市国家ニッポン 逆・日本列島改造論

  • 幸福の科学出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863950832

作品紹介・あらすじ

ついにこの二人が手を組んだ!社会主義との決別こそ日本経済復活の条件だ!都市への人口集中とリニアで前代未聞の経済繁栄を!日本に巣食う悲観論を一蹴。

感想・レビュー・書評

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  • ついにこの二人が手を組んだ!
    日本に巣くう悲観論を一蹴

    社会主義との決別こそ日本経済復活の条件だ!
    都市への人口集中とリニアで前代未聞の経済繁栄を!

    「データ」から見えてくる「真実」がある。
    日本経済の進むべき道とは―

  • 例の2ちゃん経済評論家兼参議院議員候補の三橋さんの著作。
    ・日本は都市だけになっちゃえばいい
    ・都市交通をもっと充実させるために東京都の高速・環状線の充実化、リニアの早期実現を目指せ

    という本ですね。

    コンクリートジャングルだからこそ東京は楽しい、みたいな言説には賛成だったのだった。

  • 経済関係の本を読むことは多いのですが、今ではだいたい5人の識者が出される本は目を通すことにしています。

    この本はそのうちの二人(増田氏・三橋氏)による対談及び、お互いが独立して章を担当して書いた本です。増田氏の主張は、日本の強さは都市文明、鉄道にある、というもので、三橋氏は、日本の強みは資本財、生産財における製造業と、輸出に依存していない日本経済の底堅さであると理解しています。

    この二人によって、財政破綻が今にも起きそうな本が出回る中で、読んでいて元気のでる本でした。特に、「若者は田舎で豊かに暮らして、高齢者は都会で便利に暮らすべき(p182)」という考え方は良いと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ギリシアに貸し込んでいる国は、表面的にはフランスが最も多いが、ポルトガルやスペインもかなり貸し込んでいる、やっかいなのは、イギリスから低金利で借りて貸していること(p12)

    ・ユーロは、借金をし続けたい国は永遠に借り続けることができ、物を売りたい国は永遠に売ることができる仕組みであった(p14)

    ・不動産バブルが崩壊したときに「緊縮財政」を受け入れてしまったアイルランドは、財政赤字がGDP比較14%となってしまったのは、マイナス7%成長となったため(p16)

    ・アメリカの個人会計の借金が減っているのは返済のためもあるが、住宅の差し押さえによるものが大きい(p26)

    ・2010年8月の日本の輸出は、金額及び数量指数でも、伸びていて9ヶ月連続の増加、円高は問題になっていない(p35)

    ・消費者が貯蓄を増やせば、その分だけ生産財の価格が安くなる必要があるが、そうならないのは、産業構造がガリバー型寡占だから(p41)

    ・借金の価値が目減りすることで得をするのは、商売で借金をできる、国や地方自治体や大企業のみ(p50)

    ・鉄道(地下鉄と私鉄)の相互乗り入れという発想は日本にしかない(p64)

    ・日本の路面を走っている車の3割が業務用車両、欧州だと1割、アメリカだと5%(p73)

    ・アメリカは鉄道を捨てて自動車で通勤するスタイルにしたので没落、鉄道を捨てなかった東京・大阪圏は、都市のキャパシティに余裕がある(p93)

    ・アメリカで延滞率が一番急激に上昇しているのは、実はプライム層(p108)

    ・日本はアメリカと異なり、親の年収と子供のパフォーマンスは、殆ど相関関係はないということ、アメリカではそのようなことはない(p121)

    ・日本が高いエネルギー効率を維持できた理由として、1)3大都市圏への人口と経済集中度が高い、2)鉄道に対する依存度が高い、3)鉄道乗り入れによりネットワーク化、がある(p124)

    ・人口密度が700人を超えると、規模の経済が働く(p131)

    ・ニューヨークの都市圏が大きくなれないのは、一人分の雇用を増やすと、その人間が必要とする執務スペースの3~4倍の道路と駐車場が必要になるため(p132)

    ・荷物が日本において車で運ばれる理由は、日本の国土は細長く、どんな場所でも3時間程度で港に行けるので(p160)

    ・オランダ、イギリス、アメリカは、例外なく製造業が世界最強になったときに覇権を握り、弱体化したときに、それを失っている(p165)

    ・工業等制限法が撤廃されてから、大阪圏は製造業の拡大において、名古屋や東京圏よりも伸びが著しい(p166)

    ・今後の日本のあるべき姿は、若者は田舎で豊かに暮らして、高齢者は都会で便利に暮らすべき(p182)

    ・天下りの問題は、天下り自体にあるのではなく、天下り時の退職金である(p188)

    ・日本中の原発が使っているウランは年間8000トン程度、500万トンを超えるウランが毎年、黒潮にのって運ばれてくる(p200)

    ・円安に誘導するためにドルを買うのではなく、財政出動すべき、円を供給することで円安にできるはず(p225)

    ・日本の輸出依存度はせいぜいGDP比較で10%、中国は24%、ドイツ:33%、韓国:44%、アメリカ:7%(p287)

    2010/12/29作成

  • ともにここ最近注目を集めている論客同士の対談。二人とも東京・大阪などの都市圏を中心とした日本再興を主張しており、お互いの立場を尊重しつつ話を進めているような印象です。
    東京は人が多すぎて効率が悪いというステレオタイプなイメージを持っている人にとっては衝撃的な本だと思います。ただ、増田氏の濃い(そしてやや攻撃的な)本を読んだ後だと少し薄味に感じる部分もあります。デフレの可否や政府の役割など、ふたりの主張が正反対の箇所もあるのですが、激しい議論にはならずさらっと流しているのもそう思ってしまう一因かもしれません。

    (ちなみに本書には特定の宗教を褒め称えているような箇所はまったくありません)

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著者プロフィール

1949年東京都生まれ。一橋大学大学院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大学大学院で歴史学・経済学の修士号取得、博士課程単位修得退学。ニューヨーク州立大学バッファロー校助教授を経て帰国。HSBC証券、JPモルガン等の外資系証券会社で建設・住宅・不動産担当アナリストなどを務めたのち、著述業に専念。経済アナリスト・文明評論家。主著に『クルマ社会・七つの大罪』、『奇跡の日本史――花づな列島の恵みを言祝ぐ』、(ともにPHP研究所)、『デフレ救国論――本当は恐ろしいアベノミクスの正体』、『戦争とインフレが終わり激変する世界経済と日本』(ともに徳間書店)、『投資はするな! なぜ2027年まで大不況は続くのか』、『日本経済2020 恐怖の三重底から日本は異次元急上昇』、『新型コロナウイルスは世界をどう変えたか』(3冊ともビジネス社)、『米中貿易戦争 アメリカの真の狙いは日本』(コスミック出版)などがある。

「2021年 『日本人が知らないトランプ後の世界を本当に動かす人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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