書評七福神が選ぶ、絶対読み逃せない翻訳ミステリベスト2011-2020
- 書肆侃侃房 (2021年5月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863854628
作品紹介・あらすじ
おれたちはこの翻訳ミステリーが好きなんだ!
翻訳ミステリが好きでたまらない書評家七人によるミステリ好きのための書評本。この本を読めばミステリがもっと好きになる!?
読んでも読んでも読み切れない!
七福神各位の気持ちを勝手に代弁するとそんなことになるのではないかと思う。本当におもしろい作品ばかり出るんだもの。(あとがきより)
スティーヴン・キング、ピエール・ルメートル、ジョー・ネスボ 等521作品収載‼
感想・レビュー・書評
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まず、これはつまらないから積読のではない。ひとまずザっと目を通して、馴染みのない書評家と自分の相性をチェック。更には、複数人が同時に推挙している作品をピックアップ。あと、作品数としてはとても限定的だけど、既読の作品に対する本書内での評価を確認。とりあえずここまでの作業を終えました、という登録。でももう既に、読みたい作品は10点以上に。それらを読みこなしつつ、評価が妥当だと思える作品が多いなら、もっと掘り下げていこうか、と。東西ミステリとかと同様、座右に配したい一冊。
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2011年から2020年までに書評氏7人が選んだミステリ520作品を紹介文とともに収録。本の表紙もけっこう載せてありぱらぱらめくると、ああこの本はこの時期に紹介されていたのか、というのがおもしろい。すでに読んだものを見つけた時もうれしい。それぞれマイベスト作品のページがあるのでそれをもとに目についたものを読んでみたい。
「翻訳ミステリー大賞シンジケート」のなかの「書評七福神の今月の1冊」がもとになっている。
https://honyakumystery.jp/category/review/review8
2021.5.26第1刷 図書館 -
月並みにもピエール・ルメートル「その女アレックス」とアンソニー・ホロヴィッツ「メインテーマは殺人」を読んで翻訳ミステリー沼に片足を突っ込んだのですが、「とは言え、日本国内でも売れた作品以外、他に何読んだらいいかわかんないぞ!」という悩める私をこのブックガイドが思い切り沼の中に引きずり込んでくれました。
おかげさまで読みたい翻訳ミステリーが30冊も増え、「ここから気に入った作家を見つけてその著作に食指を伸ばしたりすれば一年は読む本に困らないぞ!」と一安心です。
中にはミステリーの範囲に入るかはその人次第だなぁといったジャンルの本も選出されたりしていますが、面白ければなんでもいいので問題なしです。
さすがは書評家のみなさんだけあって、ネタバレやシリーズもの(の何作目とか)にも配慮が行き届いているので質、量ともに大満足のブックガイドでした。 -
読んでいる途中で思った。
これはただのブックガイドではない。たっぷりの魅力が詰まっている一冊の本だ、と。
でなければ、紹介されている本520作品を飽きもせずにノートに書き留め続けられるわけがない。
それだけ書評七福神の本の紹介の語り口が上手いのだ。軽快でリズミカルな語り口で読者を更に別の物語へと連れて行ってくれる。ツッコミを入れたり、オネェ口調だったり、命令形だったりと紡ぎだされる様々な言葉の系統で、全ての翻訳ミステリの本を読みたいと思わせる書評七福神の熱量には感服する。
本としての魅力は勿論だが、これは誰かに本を紹介する為の言葉を学ぶ為の最高の一冊にもなりえよう。
翻訳ミステリに踏み込みたい人は是非手に取ってみてほしい。