アンニョン、エレナ (韓国女性文学シリーズ)

著者 :
  • 書肆侃侃房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852334

作品紹介・あらすじ

【韓国で最も権威ある文学賞、李箱文学賞など数々の賞に輝く金仁淑の日本語版初出版】

遠洋漁船に乗っていた父から港、港にエレナという子どもがいると聞かされた主人公は、その子らの人生が気になり旅に出る友人に自分の姉妹を探してくれるように頼む「アンニョン、エレナ」。生涯自分の取り分を得ることができなかった双子の兄と、何も望むことなく誰の妻になることもなく一人で生きる妹。その間ですべての幸せを手にしたかに見えながらも揺れ動く心情を抱えて生きる女性の物語「ある晴れやかな日の午後に」のほか珠玉の短編、7作品。

感想・レビュー・書評

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  • 「遠洋漁船に乗っていた父から港、港にエレナという子どもがいると聞かされた主人公は、その子らの人生が気になり旅に出る友人に自分の姉妹を探してくれるように頼む「アンニョン、エレナ」。生涯自分の取り分を得ることができなかった双子の兄と、何も望むことなく誰の妻になることもなく一人で生きる妹。その間ですべての幸せを手にしたかに見えながらも揺れ動く心情を抱えて生きる女性の物語「ある晴れやかな日の午後に」のほか珠玉の短編、7作品。」

    「韓国の現代小説はダイナミックで感動的で、どことなく暗いかと思えば人懐っこいユーモアがにじみ、乱暴に読者の心を揺さぶる。短編小説を読む楽しみにあふれた一冊。」

  • 小説の醍醐味がある短編集
    植物のような人びとの物語ばかりだ
    人生を物思うこと多くてもうまく語ることのついにはできなかったひとたち
    明るさは微塵もないが率直で強く、強すぎないひかりがある
    著者あとがきも作品にぴたりとそうようで心打たれた

  • 金仁淑の短編集。「アンニョン・エレナ」、「息ー悪夢」、「ある晴れやかな日の午後に」、「チョ・ドンオク、パビアンヌ」、「その日」、「めまい」、「山の向こうの南村には」。どのお話にも「喪失体験」をもった人が出てくる。この「傷」を持った人は自分と関わりのない人だろうか?心のどこかには、同じようなこの「傷」があるようだ。

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著者プロフィール

1963 年、ソウル生まれ。延世大学新聞放送学科1 年生に在学中の83 年にデビュー。90 年代の新たな文学シーンを創出した作家の一人。初期は主に社会体制に関わる作品を発表したが、次第に孤独と疎外という人間存在に関わる洞察へと世界を広げている。著書に『あの女の自叙伝』『ガラスの靴』『刃と恋』など。現代文学賞、李箱文学賞、大山文学賞を受賞。邦訳に「共にゆく道」「あなた」「鏡にまつわる物語」など。

「2010年 『息、悪夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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