西南戦争 民衆の記《大義と破壊》

著者 :
  • 弦書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863291638

作品紹介・あらすじ

西南戦争(明治10年、1877)を、民衆側、特に戦場となり惨禍を被った人々の側から描く。
西南戦争とは何だったのかを民衆側の視点から徹底して問い直す力作。この戦争がいわば見世物であったこと(新聞、錦絵がよく売れて、芝居の題材にもなった)。さまざまな商売が繁盛し戦争バブルが発生したこと。戦争と並行する形で農民一揆が起きたが、その一揆勢は官軍や薩軍には加わっていないということ。戦争で広まった病気(コレラ、天然痘など)が流行したこと――など、戦場のリアル(現実)を克明に描くことで、「戦争」の本質(憎悪、狂気、人的・物的な多大なる損失)を改めてうったえかける。

感想・レビュー・書評

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  • 現場検証的な内乱の実態。
    けっこうエグい。

  • ぼくは西南戦争というと田原坂の戦いと熊本城包囲、城山での西郷の死ということぐらいしか知識がなかった。しかし、戦争は九州の多くの部分に広がる大規模なものであった。その戦争で一番苦労をしたのは西郷軍、政府軍の双方の荷役に使われた一般民衆であった。しかも、かれらは必ずしも報酬を得ていないばかりかつねに死の危険性に面していた。したがって荷役を拒否する民衆もでてきたらしい。本書では、民衆の立場から、近代戦争の悲惨さを描くとともに、西郷に戦略も戦術もなかったことを指摘する。

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著者プロフィール

1960(昭和35)年、熊本県南阿蘇村生まれ。1986(昭和61)年、熊本大学大学院文学研究科史学専攻修了(日本近現代史)。歴史(近現代史)研究家。主要著書 『街道の日本史 五十二 国東・日田と豊前道』(吉川弘文館)『熊本大学日本史研究室からの洞察』(熊本出版文化会館)『緒方町誌』『長陽村史』『竹田市誌』(以上共著)『大分県先哲叢書 堀悌吉(普及版)』(大分県立先哲史料館)『ある村の幕末・明治―「長野内匠日記」でたどる75年』『生類供養と日本人』『放浪・廻遊民と日本の近代』『西南戦争民衆の記―大義と破壊』『川の中の美しい島・輪中―熊本藩豊後鶴崎藩からみた世界』『感染症と日本人』『花山院隊「偽官軍」事件―戊辰戦争下の封印された真相』(以上弦書房)   

「2023年 『新聞からみた1918 《大正期再考》』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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