愛書狂の本棚 異能と夢想が生んだ奇書・偽書・稀覯書

制作 : ナショナル ジオグラフィック 
  • 日経ナショナル ジオグラフィック
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本棚登録 : 687
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863134898

作品紹介・あらすじ

「最上級の奇書の棚」に並ぶのはどんな本か? この本は、世界の「奇書」を集めた驚異の本棚だ。



「最上級の奇書を並べた本棚をつくるとしたら、いったいどんな本が選ばれるのか?」

本好きなら時間を忘れて没頭するこの上ないテーマについて、古今東西の奇書を渉猟し、歴史に埋もれていた珍本を発掘し、豊富な図版を集め、古書マニアの本領を発揮してその魅力を縦横無尽に語る。



不可解な事象、奇人変人、世界を欺いた事例など、「奇書」にまつわる珍妙な話や驚くような事件が次々と登場する。ヴォイニッチ手稿や台湾誌といった世界的に有名な奇書から、フォルツァス伯偽目録事件やヴィクトリア朝時代に俗語を収集した人物、中世宗教書の奇抜な事件まで。さらに、人の皮で作った本のブーム、フセインの血のコーラン、国を挙げての大騒動となった宝探しの本、秘密結社の奇抜な規則が書かれた本、非常に美しいでっちあげの図鑑、宗教にまつわる突飛な奇蹟、偽予言者の本、地獄を描いた本、誤った科学を伝えた本、巨大な本、極小の本など。

これまでのシリーズ同様、著者自身の蔵書から紹介する知られざる図版も多数収録。



本を愛する人であれば、人の果てしのない想像力と創作意欲の歴史を大いに楽しめるはずだ。



『世界をまどわせた地図』(4刷/八重洲本大賞受賞)、『世界をおどらせた地図』、『宇宙を回す天使、月を飛び回る怪人』(2刷)の著者による、知的好奇心を満たすシリーズ最新刊。

感想・レビュー・書評

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  • ナショナルジオグラフィックらしい
    図版満載で ものすごく楽しい

    しかし 引き込まれるどころか
    取り込まれそうな気分すら
    しちゃうほどの
    想像力というよりは 妄執

    実際に手元にあれば
    なんだか呪われちゃいそうな
    そんな本たちですので
    図版で見るくらいが
    丁度良いのかも

  • EDWARD BROOKE-HITCHING
    https://www.edwardbrookehitching.com/

    愛書狂の本棚|日経の本 日経BP
    https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/22/G14170/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「愛書狂の本棚」 エドワード・ブルック=ヒッチング著 髙作自子訳|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gend...
      「愛書狂の本棚」 エドワード・ブルック=ヒッチング著 髙作自子訳|日刊ゲンダイDIGITAL
      https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/306928
      2022/06/18
  • 古今東西の珍本を一部は写真付きで紹介した本。

    本書をユニークだと感じたのは、骨や粘土板に文字を刻んだものや、服に文字を書いたもの等も「本」として紹介していることと、本そのものではなくタイプライターまでも紹介しているところ。ここでは、日本の漢字タイプライターも紹介されている。

    日本ついでに言えば、本書では江戸時代に書かれた作者不詳の「屁合戦絵巻」と、国宝絵巻「地獄草紙」、歌川国芳が描いた「南総里見八犬伝」と中国の「水滸伝」の挿絵が紹介されている。

    加えて個人的にうれしかったのは、いまだ解読されていない謎の文字で書かれた「ヴォイニッチ手稿」と、アウトサイダーアートで有名なヘンリー・ダーガーの「非現実の王国で」も紹介されているところ。

    その他にも全編カラーで紹介されているさまざまな「本」が多く紹介され、眺めているだけでも楽しい一冊となっている。
    もっとも、人間の皮で装丁された本の紹介部分はかなりおぞましく感じたが・・・。

  • ナショナルジオグラフィック社編纂による古今東西の奇書・偽書・稀覯書を集め、「本ではない本」「血肉の書」「暗号の書」「偽りの書」「驚異の収集本」「神秘の書」「宗教にまつわる奇書」「科学の奇書」「並外れたスケ-ルの本」「変わった書名」の10のテーマに分けて紹介された本書こそが「稀覯書」と呼べる驚異の出版物 (原題 The Madman's Library)。 自伝を縫いこんだ服、毒薬箱を仕込んだ空洞本、簡易トイレ本、チ-ズを綴じた本、ヘビ皮装丁の本、祈りを書いた頭蓋骨、青森県のキリストの墓 ?!・・・

  • 電子書籍では得られない、紙(ではないものもあるが)の本の醍醐味を味わえる一冊。個々の説明はさほど長くないが、図版も楽しく、ページをめくっている間はずっと幸せな気分だった。いつか現物を見てみたい……。

  • 美麗な写本、世にも奇妙な稀覯書、巨大すぎる本、小さすぎる本… 本の博物館にいるかのような錯覚に陥ります。愛書家にうってつけの素晴らしい本。フルカラーでこの値段なら安いでしょう。

  • 人皮で装幀された本、巨大な本、極小の本などフィジカル的な意味での奇書から、存在しない本のオークションカタログ、オカルトの魔術書などメンタル的な意味での奇書まで、豊富なヴィジュアルと共に紹介。


    本文で触れられているのはわりと有名な話が多い。人皮装幀本の章は筆がノりすぎて、本とは関係ないことまで口走ってる。でも人皮本(とされている)の写真をこんなにまとめて見たのは初めてかも。死者の皮膚を使った装幀が凶悪犯を死刑のあとも苦しめるという目的と、愛する人の形見にする目的のどちらにも使われるのがヴィクトリア朝っぽい。
    一番グッときたのは、アグネス・リヒターという26年精神病院にいた女性が自分の人生を刺繍したジャケット。コンセプトも見た目もめちゃくちゃ今っぽく、どっかのハイブランドのイメージソースになってそう。本人の気持ちを思うと、こういうのまでアウトサイダーアートと呼んでしまっていいのか困るけど。本の形にしてなかをくりぬいた木に葉や種子などを収めた木材標本室[キシリウム]の本も、今の科学博物館の展示なんかに繋がってる感じで面白かった。
    英米の図書館目録ルールでは、霊媒師が作家の霊を降ろして書いた本の場合、霊媒ではなく作家の名前で本を登録する規則だというのは笑ってしまった。騙り得じゃん。

  • 人皮装丁の書籍や、ヴォイニッチ手稿のような読めない本、サルマナザールの「台湾誌」に代表されるような偽書(日本の竹内文書も取り上げられてる!)、博物図譜や解剖図に地獄図、魔道書や錬金術の本、さらには小さすぎる本から大きすぎる本まで、古今東西の奇書を集めたブックガイド。
    一冊あたりの紙幅はそれほどなくて駆け足ではあるけれど、図版も豊富で目で見ても楽しめる。電書化が進み、紙の本の行く末はこういう方向にあるのではないかと思う。

  • 本は広大な「時間の海」に建てられた灯台である
    「本」ではない本ー本は神でできているとは限らない
    血肉の書ー生き物が素材の本
    暗号の書ー暗号を使って伝えたかったことは何か
    偽りの書ー人はなぜ欺くために本を書くのか
    驚異の収集本ー何を集めようと本の世界では自由
    神秘の書ーいつの世も人は「魔」に取り憑かれる
    宗教にまつわる奇書ー正史ではわからない真面目で愉快な宗教本
    科学の奇書ー科学の進歩を裏側から見ると
    並外れたスケールの本ー本のサイズや長さに作者の執着が見える
    変わった書名ータイトルはエンターテインメント
    主な参考文献/索引

  • 重いわ読みにくいわで大変だけども、内容はすこぶる面白い。
    重量感が癖になりつつも、より煮詰めて複数巻にわけてくれても面白かったかなぁ。ともあれ、本好きなら楽しめる一冊だろう。

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