マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
- 英治出版 (2017年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862762405
作品紹介・あらすじ
3業界、7企業、26チームへの1万2000の日記調査から、「やりがいのある仕事が進捗するよう支援する」ことでチームやメンバーの創造性と生産性が高まることが判明。しかし、669人のマネジャーへの調査で衝撃の事実が明らかに。「進捗の支援」が大切だと答えた人は、わずか5%だった-。私たちは、マネジメントを誤解してきたのかもしれない。1万超の日誌分析、669人のマネジャー調査…ハーバード教授と心理学者が35年の研究でついに解明。生産性と創造性は、こうすれば高まる。
感想・レビュー・書評
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「進捗」この本が1番伝えたかったのは、進捗の大切さ。
部下のやりがいには「認識(または認知または思考)」「感情(または気分)」「モチベーション(または意欲)」の相互作用="インナーワークライフ"がとても大切であるということが本書の大半で様々な例を元に説明されている。
そしてその「インナーワークライフ」に最も大きなポジティブな影響を与えるのは「進捗」である。
なのでマネージャーは部下に、仕事が前に進む(進捗)を支援する必要があるということが本書を通して学ぶことができた。
内容は良かったが、本の構成が長々としており読みにくさを感じた。
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とても大切なことが書かれている。
ただ、主張への補完のための事例共有が9割で逆に内容が薄れてしまった印象。 -
インナーワークライフという言葉は、今の会社組織で働く上で、絶対に知っておいた方が良い!
自分でも同僚、部下でも感情やモチベーションなどが大きくその日の、その仕事のパフォーマンスに影響するというのは共感出来て、働くのはあくまでも人だからこそ、意識する必要がある。
全然マネージャーでもなんでもないですが、読んでいて正解!と思いました。 -
ワークパーソンの日誌調査という独自の手法とマネジャーへのアンケートを通じて、社員のモチベーションを高める最良の方法を「やりがいのある仕事の進捗をサポートすること」だと説く。
情報ソースに偏りがあることはやや気になるが、非常に実学的で、他マネジメント理論と噛み合わせていくことで有用であると直感する。
いちマネジャーとしては、とるべき行動/とるべきでない行動をチェックリストでまとめてもらえるのはとても有難い。 -
進捗確認の有用さを説いた本。
日誌から傾向を使む話が面白く実際の日誌を数多く読める。
そこから導き出された結論が真に迫っている点が面白い。
特に、長文であればあるほどネガティブな感情に溢れているのは面白い。心当たりがある。
日誌を書いてもらうことで、日々を振り返ると言う考え方もありかもしれない。
この本からわかるとおりで、組織がマネージャーの性格に関係なく、チームの感情やモチベーションに良い変化も悪い変化も与えていることがわかる。
そのためには、進捗をサポートするこがモチベーションにつながるという結論。 -
・メンバーの進捗の管理こそがマネジメントにおいて最も重要
・進捗の管理をするには、インナーワークライフのことを理解してサポートすること。
・インナーワークライフは、職場での出来事に対する反応や状況認識を通じて体験する、認識・感情・モチベーションから成り立つもの。
・一連の仕事の中で自分がした作業の結果がわかるように各工程をデザインすること。
・やりがいのある仕事にするために、大切なのは自分の仕事が何かや誰かにとって価値あるものだと自分自身が認識すること。マネージャーは仕事がどのように役立っているかを伝える必要がある。
・仕事の価値を失くす行動を避けるべき。
やりがいを失わせてしまうきっかけは、
①自分の仕事やアイデアがリーダーや仲間から相手にされないこと。
②自分の仕事から当事者意識ぐ失われること。
③自分が従事している従事は日の目を見ないのではないかと疑念を抱かせること。
④頼まれた作業に対して、自分にはもっと能力があるのにと感じてしまうとき。
・やりがいのある仕事にするため、そして、やりがいのある仕事の進捗をマネジメントするためにチェックリストを用意する。
・その日一日の出来事を考えて日誌に記入することで、絶えず自分のプロジェクトへの貢献を思い出すことができる。
・要するに、マネージャーはメンバーにやりがいのある仕事だと感じてもらうこと、そして、そのやりがいのある仕事が前に進むように支援すること、そのためにインナーワークライフのサポートができる進捗の管理が大切だと言うこと。そして管理する方法として日誌が効果的であるということ。 -
この本の問題意識は「何がチームのパフォーマンスに影響を与えるか、そのためにマネジャーは何をするべきか」ということだった。
著者の2人が240人の13000の日記から「日々の良い出来事」が「インナーワークライフ(仕事そのものから得られる個人的職務体験)」に影響を与えパフォーマンスが向上することを明らかにした。「日々の良い出来事」には、以下の3つの要素がある。
・やりがいのある仕事が進捗している状態である「進捗の法則」
・仕事への直接的なサポートである「触媒ファクター」
・尊重、励まし、慰めなど感情的なサポートである「栄養ファクター」
マネジャーは
「進捗の法則」として、「やりがいのある仕事が前に進むよう支援すること」
「触媒ファクター」として、「仕事に関する情報の収集」「決断へのチームメンバーの参加」「チーム街の人々との関係構築」
「栄養ファクター」として、「部下の仕事の尊重」「評価」「感情的サポート」「チームの仲間意識を育む機会を造る」
ことが必要と述べている。
ケーススタディを学ぶための参考文献として読んだ。 -
スマホのゲームに必ずと言っていいくらい存在する、進捗を示すマーク。
実は達成感と目標感を高めるモチベーションになっている。
仕事も同じで、進捗しているとの実感が、モチベーションを高めることに繋がる。
なるほど! -
20230815
パフォーマンスに影響を与える3つの要素
・感情や気分
・捉え方や解釈や意義(自分・仕事・チーム・組織に対し)
・モチベーション
この3つの要素の相互作用がインナーワークライフ。
このインナーワークライフを向上させることが、強い組織づくりや生産性向上に効果的。
そのインナーワークライフを高めるためにマネージャーにとって必要なのが、「チームや部下にとってやりがいのある仕事が毎日少しずつでも進捗するよう支援をすること」
組織に欠かせない貴重な人材だと感じさせること
雰囲気が楽しく明るい
達成感
達成が評価される
自主性を持たされている
問題が解決されそう
周囲が力を貸してくれる
経営や上位層がサポートしてくれる
やりがいある仕事が進捗する
激励を受ける
重要な情報を発見できる
必要なリソースが得られる
やりがい=自分の仕事が何かや誰かにとって価値のあるものだと自分が認識すること
・誰かを責めるのでなくメンバーを信頼してメンバーを巻き込み、アイデアを尊重しポジティブな風土を形成する
・毎日アンテナ張り、常にオープン
・的を絞ったサポート
・上からでなく内からチェック ×なのはマイクロマネジメント
「自分がしたことを理解している限り、問題ない」
ミスを叱責せずに、仕事自体と、そこから何を学べるかに話を絞る
自分自身のインナーワークライフを充実させる
(どれほど些細なものであっても自分が達成できた物事に目を向ける) -
マネジメント(管理)というぼんやりとした責任範囲について、ひとつ明快な指針を示していて、じゅうぶん納得できる本。
複数のチーム、複数のメンバーの、実際の日報を回帰分析したという手法もいいなと思う。帰納的な検討ゆえか、完全にロジカルに統合されていない(ようにみえる)感じがリアルで良いし、解釈の余地があるように感じた。
以下の話が興味深かった。
・時間のプレッシャーがあると基本的に創造性が減る
・外発的な要因について5分考えるだけで詩人の創造性が損なわれる
・ネガティブな感情的反応はポジティブな反応と脳の部分が異なり、日報が長くなる