難民高校生----絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル

著者 :
  • 英治出版
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本棚登録 : 272
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761552

作品紹介・あらすじ

家庭・学校のつながりを失い、渋谷を彷徨っていた中高時代。やりたいことも夢も失くし、学校を中退。妊娠、中絶、DV、リストカット、自殺未遂…。私の周りには、そんな子がたくさんいた-ギャル・ヤンキー・引きこもり…。かき消されてきた、それぞれの声。

感想・レビュー・書評

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  • 今どきの若者は、という前に自分を見つめ直してみよう。果たして我々は「まともな大人」なのだろうか。
    ここには「助けて」という声や「ここにいる」という声がある。彼女たちの体験談はリアルで時に身を切るように痛くて、悲しみや切なさに溢れている。
    では、だからといって本書がエンタメ小説のように「泣ける〜」と消費される本であるかと問われると答えはNOだ。
    問題行動を起こす子には背景に何らかの問題や原因があり、それらに目を向けてあげなくてはならない。

  • 仁藤さんの有名な著書。なのにまだ読んだことが無かったことに気づき、図書館で借りた。

    仁藤さんの生い立ち、経験、corabo創設までの流れが述べられていた。この経験があるから今の仁藤さんがあるということがわかった。

    これからも仁藤さんを応援していきたい。

  • 家庭に居場所がなく実際に渋谷ギャルだった仁藤夢乃さん。
    彼女がどんな世界を生きて、そしてどんな世界を見てきたのか。

    メイドカフェでの勤務。
    「生きるため」にこうした仕事をしていた10代の女の子たち。

    湯浅誠『貧困襲来』より引用
    「貧困」というのは「溜め」のない状態のことだ
    貧困に陥らないためには「金銭的な溜め」や「人間関係の溜め」そして「精神的な溜め」が必要。

    貯蓄や親や友人とのつながり、そして自信やゆとり。
    こうした溜めが我々を支えている。

  • 前半と後半で全然話が違う。難民高校生の話は前半のみ。
    高校を中退し、河合塾コスモに入って農業体験をする中で著者は
    成長していくのだが、その過程をもっと書いて欲しかったと思う。

  • 恵まれている環境なのに全てが嫌で反抗してしまう女子高生達に昔の自分を重ねて読みました。大人達は私達の事は分かってくれないと思っていました。今なら大人の気持ちも考えられますが、当時は鬱陶しいだけでした。著者が書いているように、高校生や学生に関わる大人達にも読んで欲しいです。読んだ後に少しはお互いの距離が縮まれば、その事で彼女達が自分を傷つける事が減り、精神的蓄えが生まれると思います。著者は高校を辞めた事で、結果的に世界が広がり一歩が踏み出せたので、悩んでいる子達に高校だけが全てではないと知って欲しいです。

  • 家庭や学校、他のどこにも居場所がないと感じている高校生。彼らを見守る大人のいない状態で生活するようになると、危ない誘惑がたくさん待っている。精神的な「溜め」もなく、他の選択肢も知らず貧困な大人になってしまう。

    渋谷という居場所が、若者を食い物にしている場所でもあったわけで。一人で生きていくしかない思いつめるのが思春期、その心理を当事者として語ったこと。

  • 難民高校生(学校にまともにいかない、行き場所を失いぐれている高校生)だった著者の体験記。

    学校にもあまりいかず、家族ともコミュニケーションをとらず(とれず)、いわゆるグレて昼夜が逆転した生活だった著者がある農園ゼミに参加することにより少しずつ自分を変えていく生活。

    前半はいわゆる難民高校生だったことの著者のぐれた生活、後半は更生(といっていいかわからないが)してからの著者の活動。

    伝えたいメッセージとしては「居場所がない子供たちの心の叫びを聞いてほしい」ってことだと思う。

    思ったのは人間いきなりではなく、外部の環境や本人の考え方が相互作用を起こしながら少しずつ変わっていくということ。

    ドラマと違って人間変わろうとおもっていきなり変わることは少ない。

    外部の刺激や行動が変わり考え方が変わり、そうすると刺激や行動の捉え方が少しずつかわり、またその相乗効果で考え方も変わる・・・そういったプロセスを経て思考や行動がかわっていくのだと思う。

    この本も多分に脚色や編集はあるだろうけど。

    著者にも農園ゼミに参加してある日突然変わったわけではなくて、その人たちとの接触頻度があがることで少しずつ行動が変わり、考え方が変化していったんだということ。

    著者やその活動に興味はないけどそのことに興味はあったんでそういう意味ではよかったかも。

    関係ないがAKBのメンバーの姉だったらしいがそのことは著者では一切ふれていない。

  • このひとはテレビで見たことがある。内容は前半が希望を見出せずもがく若者たちの姿で、後半はやりたいことが見つかった筆者のその後の行動力溢れるさまが描かれていた。学校でうまくいってない子は、大きな潜在能力を持っているから、それを最大限引き出す手助けをしたいと再認識した。!また英治出版か!

  • 金銭的・関係性貧困状態にある高校生などの支援をしている仁藤さんの本。
    仁藤さん自身のことや周りの同じような境遇だった人について、今の活動に至る経緯が書かれていた。

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著者プロフィール

一般社団法人Colabo代表理事。おもな著書に『難民高校生』(筑摩書房)など。

「2022年 『性売買のブラックホール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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