- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760869
作品紹介・あらすじ
売られる少女、焼かれる妻、見捨てられる母…私たちの時代にはびこる驚愕の「不正義」の真実と、あきらめない人々の強さと美しさ、そして希望を描いた全米ベストセラー。現代最大の「不正義」と変化と再生の物語。
感想・レビュー・書評
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ニューヨークタイムズの海外特派員の二人によって書かれた、壮絶な性奴隷の実態に呆然とする。怖気が走る。
この世にもう男は要らないのではないか!くらいに思ってしまう。ここに出てくるような男たちとは真反対の尊敬すべき、愛すべき男たちを多勢知っているにも関わらず…。
まずは知ること。
私は瘻(ろう)という外傷を知らなかった。
しかも、それが珍しい状態ではないということも。
さほど良い国ではないが、日本でぬくぬくと差別に鈍感でいることが恥ずかしいと思える本だ。
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同じ女性として、外国の女性の多数が直面する人権問題に胸が痛い。でも知ることができて良かった。グローバルギビングまたはKivaウェブサイトでアカウント開設しよう。KIVAはこれを通じて、マイクロファイナンスに参加できる。借り手候補者を検索して誰に貸すか決められる。まずはポラリスプロジェクトについて検索してみようと思う。
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全世界で見ると、女性の大半は二級市民。出産期女性の死因は交通事故や戦争・病死より暴力の方が多い。貧しい国の少女は売られ騙され、奴隷として売春させられる。難産で傷害。女性に教育、医療をすることによる経済効果がどれほど大きいか。
特殊な国の話のように思っていたけれど、現在も世界の大半で、という衝撃の事実。不正義感覚がないから、経済的効果を訴えているのか。 -
衝撃的で、読むのが辛くて、一度読むのをやめた作品。
でも希望を感じるのは、彼女たちが女性として、人間としての誇りをもっているからなのでしょう。 -
先日読んだ日本の最貧困女子との差にもやっとした。
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ブログでの紹介文を受けて読んだ。
第11~13章飛ばし読み。
想像を絶する、世界のどこかで今も起きている女性への暴行、蔑視。
女性であるがゆえに奪われる命、だと。
・奴隷
人身売買
強姦することで女性、その家族の名誉を傷つけ、自殺に追いやったり汚い小屋で食べ物もろくにとらずにひっそりと生きているかもわからなすような人生を送らせる
・売春
強制されて始めるものと、そうでないもの、と簡単に分けられない。強姦されて売春するしか生きていけない女性の場合、「自発的な」ものといえるか
薬漬けにされ、赤線地帯から逃げても薬欲しさにもどってしまう
・声を上げること
強姦されても、危険をかえりみず戦う女性たち。その強さ! 人間って。女って。
・暴行による支配
男どもは、集団でやればいいと思っている。もう人間とも思えない、倫理観も、人間としての尊厳ある行動もなにもない。警官に相談しても警官が強姦、とかも。地獄、それ以下。動物だってもっと心や慈悲ってものがあるのでは。のちのち、読みすすめて、足りないものは「教育」、か…と感じることに。
・名誉
傷つけられる
・一分間に一人
妊産婦死亡。アフリカ、中東??(地理や国際関係など勉強不足で、理解が不十分)などの。医療の遅れ、ここでもの男女蔑視(女性は医療が受けられず、妊婦も同様。異常は危険が大きくなるまで放置される)
やはり教育の不足。妊婦が若年。出産のリスク増大。女生徒に制服代を援助するプロジェクトが、通学期間を延長し、出産年齢を遅らせ、周産期死亡を減らすという、トンチか!?というようなほんとうの話にオドロキ!
助けてあげたい…。自分にもできることがしたくなる。
・母親の命を救うには
医療費が足りないがためにすでに死亡した胎児を取り出す帝王切開が受けられず、感染症によってなくなる産婦の痛ましいエピソード。
・膣婁 暴行や、出産時のダメージにより膀胱、直腸と膣にろうこう。
専門病院がある。
第14章
一人一人にできること
(1) グローバルギビングまたはKivaでアカウント開設(高難易度)
(2)プランインターナショナル、ウィメンフォーウィメン、ワールドビジョンなどを通じて、女性のスポンサーになる
(3)ウィメンeニュース、ワールドプラスに購読登録
(4)CAREアクションネットワークに登録
女性が本当に空の半分を支える日を早めよう。
出産を経験し、子育ての中で女性であることの幸せと苦労を同時に体感している。しかし世界のどこかで、同じ女性がこんなにも痛めつけられ、意味もない蔑視を向けられ、苦しみ、息絶えているなんて。強姦、強姦って、耳をふさぎ、目をそむけたくなる言葉ばかりだったが、これが今の世界の現実。あとがきでは、日本にもあることと。女性はすばらしい。女性にしかできないことがあり、美しさ、強さ、すべてのすばらしいことをもっている。それなのに、なぜ痛めつけられるのか。悔しいし、暴力がこわい。それでも立ち向かっている何人もの同性に心から敬意を表し、自分もできることをしたい。力でねじ伏せる人間(実は男だけでもないし)を変えさせたい。
文章に無駄がなく、つらい話が多いのに何とか読めた(時間の制限があり、飛ばしたが)。歯をくいしばってすすめるほどつらかったけど、出会えてよかった一冊。
中国のことわざ、「空の半分は女性が支えている」 -
テーマは女性の人権問題についてだが、豊富な例と、目を背けたくすらなる写真、また専門家の意見の的確な援用など、これまで読んだこのジャンルの中で最良の一冊
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発展途上国における両性の不平等による女性への様々な虐待について。詳細な事例調査とともに、現在取られている対策や展望についても多数。前半部に出てくる東南アジアの人身売買やインドの花嫁焼殺(2時間に1件発生)辺りで十分酷いのだが、アフリカ、中近東になると読み飛ばしたくなるぐらいおぞましい。ただ、そのような中でも貧しいがやる気のある女性たちに地道に援助を続けることによって、少しずつだが変化の兆しはあるという実例も多数。著者が米国人なので、援助の主体も主に米国のことに限られているが、世界各地で様々に違う女性差別や虐待のあり方に対し、本当によく取材をしていると思った。面白かったのはアフリカで最も費用対効果の高いAIDS対策は、禁欲主義教育でもコンドームを配ることでもなく、10代の女の子に年上の男性(シュガー・パパ)は少年たちよりHIV陽性率が高く、コンドームも使いたがらないため危険だということを教えることだったという。
また、女性が財産、選挙権を持つことの重要性は単に理念的な平等に関連するだけでなく、妊産婦死亡率を引き下げたり、子供のケアや公衆衛生により多くの金を使うことになるというデータがあり、人命尊重の点から重視されるべきとの指摘。 -
(推薦者コメント)
現代の奴隷制について書かれている本です。地球の全ての国にかかわりのある問題です。